■日本の銀行の預金の管理
三井住友銀行では「海外勤務者サービス」というサービスを提供しています。
このサービスは海外からのファクシミリや郵便によって、
- 国内の預金の移動(定期から普通、普通から定期など)
- 国内振込先への振り込み
- 海外送金
が指示できるというものです。また、毎月の取引明細が海外の自宅まで郵送されます。万が一のことを考えると入っておいて損はないかなと思います。費用は年間6000円ですが、海外送金などは別途手数料がかかります。
同様のサービスは三菱東京UFJ銀行が以前「おるすばんサービス」という名前で提供していましたが、現在はサービスはおこなわれていません。
同様の目的で「東京三菱グローバルダイレクト」http://direct.bk.mufg.jp/global/index.htmlが使えるように思えますが、「東京三菱グローバルダイレクト」を利用できるのは、国内の企業に在籍中(給料受け取りありで)海外の支店等に赴任を命ぜられて出国し、同企業に在籍のまま帰国予定のある方だけです。また、グローバル・ダイレクトのお申し込みは三菱東京UFJ銀行あるいは旧東京三菱銀行で開設した口座に限られ、旧UFJ銀行で開設した口座については利用できません。また、お手続きは出国前に行う必要があり、米国赴任後は申込出来ないのでご注意下さい。サービスが利用可能かどうかは同サービスの対応に慣れた都心の支店などに聞いてみてください。
■クレジットカード
渡米する前に、あらかじめ円建てのクレジットカードを作っておくことは絶対に必要です。
最近では、Debit Card(詳しくはこちら)が簡単に作れるようになったので、アメリカに来たのにカードが1枚もないという悲劇はなくなりました。でも、Debit
Cardが届くまでのことやその他の緊急の場合を考えれば、作っておくことを勧めます。また、日本円で決済するときには円建てカードの方を使った方が、為替の関係で1%くらいお得です(私は、bk1などで買い物するときは円建てのクレジットカードを使っています)。
まだお持ちでない場合は、審査などで1ヶ月近くかかることもありますので、早めに手続きしてください。扱い店舗数を考えれば、VISAかMasterが無難でしょう。
■ドル建てクレジットカード
円建てカードに対するドル建てカードのメリットは、
- 円建てのカードでは明細書をアメリカの住所で受け取れない。
(VISAカードには明細書をアメリカの住所に送ってくれる有料サービスがあります)
- アメリカで円建てカードを使うと為替によって1%程度割高になる。
- 円建てカードはクレジットヒストリーには役立たない。
(ドル建てのクレジットカードで買い物をして、きちんと請求書のお金を払っていくことでクレジットヒストリーが作れます。)
です。また、現在、アメリカではDebit Card(詳しくはこちら)が普及しており、Debit
Cardでも上記のメリットのうち、1と2のメリットは享受できます。ドル建てクレジットカードのDebit Cardに対する最大のアドバンテージはクレジットヒストリーが作れるという点です(クレジットヒストリーについては2000年9月8日のWhat's
new!をご覧下さい)。クレジットヒストリーがなければ、デパートなどの10%割引のカードに加入することは難しいですし、携帯電話に加入する際に多額のデポジットを取られたりします。ただ、2,3年という短い滞在期間だとクレジットヒストリーを作ることのメリットはそれほど大きくないかもしれません。
もし、渡米直後にドル建てクレジットカードを作りたいと思っても、アメリカでのクレジットヒストリーがないので作れません。じゃあ、クレジットヒストリーを作ろうと思ってもドル建てカードがないので作れません。ということで、渡米直後にドル建てクレジットカードを作る場合にはあらかじめ日本で準備をしておく必要があります。クレジットヒストリーのない日本人でも作れるカードには以下のものがあります。
American Express Card
AMEXは日本で作った円建てのクレジットカードを、電話1本でドル建てのクレジットカードに変更してくれます。
→2010年10月現在、すでに切り替えサービスは提供されていないという情報が読者の方から寄せられています。
プレミオカード
PREMIO Inc.が発行するクレジットカードです。特徴は
- ドル建て決済カード。
- 赴任前に日本で申し込みができ、現地到着後まもなく使用することができます。
- 日本の運転歴を考慮した自動車保険への加入できる。
- 日本語カスタマーサービスが受けられる。
ちなみに、AMEXのドル建てカードなどでは、原則的にカスタマーサービスは英語です。
ということです。年会費無料。詳しくはhttp://www.premio.com/をご覧下さい。また、JALのマイレージ機能の付いたJALファミリークラブ・プレミオカードもあり、こちらは年会費70ドルです。詳しくはhttp://www.premio.com/jfc/index.htmlをご覧下さい。
DCカード
日本のDCカードもドル建てのものに変えてくれるというサービスをやっているようですが、未確認。ご自分で問い合わせて下さい。
→2010年10月現在、すでに切り替えサービスは提供されていないという情報が読者の方から寄せられています。
secured card
正確にはCredit Cardとは違うのですが、渡米後にクレジットヒストリーのない日本人が作れるカードにsecured cardというのがあります。secured
cardは専用口座に一定金額をDepositし、その金額の範囲で使えるというものです。このsecured cardを使って、きちんと支払いをすることによってクレジットヒストリーが作れ、本当のクレジットカードが作れるようになります。secured
cardを取り扱っているカード会社のリストはこちらにあります。
■シティバンクに口座を作る
以前は、100万円以上の口座残高があれば、海外送金手数料が無料というのがシティバンク(http://www.citibank.co.jp/)の最大の利点でしたが、現在では、海外送金が有料(電話での海外送金は2500円、インターネットによる海外送金は2000円(預金残高が100万円以上ある場合))になってしまいました。それでも、なお、他行(通常は1回当り4,000円程度の手数料がかかる)に比べれば割安です。また、その他にも、
- インターネットまたは電話で、海外からでも残高照会、振り込みなどの指示が可能。
- トラベラーズチェックが手数料無料でつくれる。
- 現地のATMで現金の引き出しができる。ただし、1回当りにおろせる金額が数百ドルということと、手数料が意外と高いことから、著者は使ったことがない。
といったメリットがあり、留学している人にはシティバンクの口座を持っている人は多いです。私は、海外留学助成金の振り込み口座をシティバンクにしてあります。為替状況を見て、円高の時に、Webページから両替を指示し、必要なときに電話で海外送金をお願いするという形で大変お世話になっています。
■カリフォルニアアカウント
渡米直後の銀行口座の開設や立ち上げ費用の送金などは面倒なことの一つですが、このサイトをご覧になった三菱東京UFJ銀行の方から「カリフォルニアアカウント」というサービスがあることを教えて頂きましたので、紹介致します。
私ども三菱東京UFJ銀行では、ポストドクの方をはじめ米国駐在員、留学生の方のニーズにお応えした海外口座ご紹介サービス「カリフォルニアアカウント」を取扱しております。駐在される皆様が本邦をご出発前する前に、弊行グループの米国銀行、Union Bank of California(略称UBOC、本店San Francisco、Seattleを含む西海岸3州に321支店あり)のChecking Account開設を、弊行がお取次するサービス。出発の1ヶ月くらい前までにお申し込み頂ければ、出発前に小切手帳、Debitカード機能付きATMカードなどを受け取ることが可能です。この結果、他の方法では難しい以下のようなことが可能となります。
- ご出発前にご自分で生活立上げ資金を送金。
- 到着後の銀行口座開設手続きが不要。(最近はSocial Security Number取得に数週間を要するようになっており、その間口座開設に応じない銀行が多いことから、日系企業の駐在員でも苦労されている方が少なくない由。)
- 到着後直ちに小切手が切れる、ATMで現金がおろせる、スーパーやガソリンスタンドでDebitカードが使える。
- 到着後直ちに小切手の入金が出来る。
- 日本からも米国からもかけられる日本語フリーダイヤルが使える。(月-土、日米時間とも対応)
- 夫人との共同名義の口座開設が可能。
- 口座開設と同時に使えるインターネットバンキングのBill Payment機能を使い、各種公共料金、米国内送金などが無料で出来る。
- 帰国後も以上機能をそのまま継続可能。未払いの各種料金の支払は請求書さえ送ってもらえば自分で出来るし、帰国翌年初めのTax Returnの時の決済口座として使える。
- 日本語コールセンターへのFAXにより、外国送金・口座解約とその代わり金送金が可能。
お申し込み出来るのは、弊行の本邦の本支店に預金口座を保有されるお客さま。本人確認資料として以下のうち2つの提出が必要です。
(1)パスポートのコピー (2)日本の運転免許証のコピー (3)三菱東京UFJ銀行、UFJニコス、DCカード、東京クレジットサービスのいずれかが発行した本人名義クレジットカードの番号
詳しくは、http://www.bk.mufg.jp/tsukau/kaigai/kouza/cali/index.htmlをご覧下さい。
渡米前に口座を作成しておくことができ、あらかじめ送金しておくことで、すぐに小切手が切れるというのがメリットかと思います。特に、支店が赴任地の近くにあるような方は便利かと思います。
私は住友銀行をメインバンクにしていたので、「海外勤務者ご安心サービス」を申し込みました。生命保険など自動引き落としされるものがありますので、毎月の取引がアメリカの自宅に送られてくるのは助かります。
クレジットカードに関しては、VISAなどいくつかを持っていましたが、現地でドル建てのカードを作るために新たにAMEXに加入しました。たまたま1年間年会費無料のダイレクトメールが手元にあったので、それを利用しました。
現地到着後、日本のAMEXに電話をして、ドル建てのカードへの切り替えをお願いしました。2週間後にドル建てのカードが郵便で届きました。アメリカでは、クレジットカードやATMカードも書留ではなく、普通郵便で届きます。防犯上、そのままでは使えなくしてありますので、カスタマーセンターに電話して、本人確認をした後、カードが使えるようになります。
更新記録
●2000年2月1日:新規掲載
●2001年7月22日:Citibankの海外送金手数料有料化を追加
●2001年7月23日:secured cardを追加
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