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J-2ビザからJ-1ビザへの切り替え

J-2ビザからJ-1ビザへの切り替えに関しては、きわめて情報が少ない状況です。今回、実際に切り替えを行った経験者の方からの情報を中心にまとめました。ご自分で切り替えを行う際には必ず大学の担当部局などで相談の上手続きを進めて下さい。

■J-1ビザに切り替えるか?J-2のまま労働許可を得て働くか?

J-1の配偶者の方には自分自身も研究者であり、アメリカ滞在中に研究活動を行いたいと考えている方は少なくないようです。J-2の身分の方が研究を行うためには2つの方法があります。

  1. J-2のままで、労働許可証(Employment Authorization Document, EAD)を得る。
  2. J-1ビザに切り替える。

です。1の方法については、『J-2ビザ所持者の労働』に詳しく解説しましたのでご覧下さい。なお、上記の方法はともに、サラリーを受け取ることが可能です。J-2の身分ままでサラリーを得ずに研究活動をすることが合法なのかどうかについてはわかりません(ご存じの方がいらっしゃいましたら教えてください)。

上記の2つの方法を比べた場合、2の方法のメリットは、

  • EADは1年間の期限なので、毎年、更新が必要。また、申請から受理までに時間がかかるため、時に更新に際して空白期間が生じる可能性がある。それに比べ、IAP-66は複数年発行される可能性もあるし、単年しか発行されなくても更新は簡単で空白期間は生じない。
  • J-1ビザの特典である、免税の恩恵にあずかれる。

だと思います。デメリットは渡米後にJ-2ビザからJ-1ビザへ切り替えるのが面倒であるということです。実際の手続きについてはこれから述べますが、このような面倒な手続きを避けるために、配偶者の留学に伴って、自分も研究をすることが前もってわかっているなら、渡米する前にJ-1ビザを取得しておくのも一つの方法です。

なお、J-2からJ-1に変更する方法や時期によってはJ-1になっても免税特典を受けられないことがあるようです。いずれにしても、担当部局とよく相談することが必要です。

■切り替え手続き

まず、大切なことは、J-2として渡米して6ヶ月以上経ってしまうとJ-1への切り替えが出来なくなることがあることをご承知下さい。つまり、J-1への切り替えを考えているなら、渡米後なるべく早く受け入れ先を探さないといけないということになります。

切り替え手続きに際しては、

  • 一旦アメリカに出て、新たにJ-1ビザを取得する。
  • アメリカ国内にとどまったまま移民局に申請してJ-1ビザへ切り替える。

の2通りの方法があります。後者の場合、手続きに数ヶ月かかる場合もあります。具体的な方法については以下の方々の体験談をお読み下さい。

ボストンにお住まいのわかさんがJ-2ビザからJ-1ビザへ切り替えを行ったときの経験を教えてくれました。(2001年10月)


私は夫の留学に伴い、7月16日にJ2でアメリカに入国し、ポスドクの職を得て、10月23日カナダでJ-1ビザに書き替えましたので個人的な報告をします。

日本から職を探していましたが見つからず、現地で探すことになりました。入国してまずとりあえずJ-2の労働許可申請をしました。(これは仕事が決まっていなくてもできます。) 9月半ばにEADカードが郵送されてきました。

ポスドクの受け入れ先は10月初めに決まりました。まず、研究室の事務官(administrater)を通して、ハーバードインターナショナルオフィス(HIO)にIAP-66発行のための書類を提出したところ、HIOより”あなたはJ-2なので外国(カナダ)でJ-1ビザに書き替えてきてください”という連絡がきました。そこでまず、近くて日程も早かったオタワを予約しました。

しかし、テロの直後だったこともあり、(二人の子供をアメリカに残して)外国旅行をせずに書き替える方法はないかを調べました。

(1)ビザを切り替えずJ-2のまま働く。周囲の人に聞いたところ、免税がないのが最もつらいので、IAP-66が発行されるならぜひ書き替えたほうがよいということでした。税金の申告の際、子供を扶養家族として申請すれば、かなり戻ってくるよという意見と、年間で$700くらいだったという話を聞きましたが、額も少なそうだし、一旦納めた税金を戻してもらうのは手続きが大変そうです。また、J-1(配偶者)の書き替えに伴い、申請が必要です。

(2)移民局に申請し、アメリカ国内でステイタスを書き替える。HIOの話では時間がかかるので結局切り替え可能な6ヶ月を過ぎてしまって無効になるだろうし、実際は機能していない方法だということでした。また国内で切り替えた場合は、一旦出国してまた入国する際にはJ-1ビザを(アメリカ国外の)領事館で取得したする必要があるそうです。

(3)日本に郵送し、代行業者に委託する。2カ所に問い合わせましたが、1つは、J-2からJ-1とビザの種類が変わる場合はアメリカに滞在したままでの申請は不可という返事で、もう1つはやってみますという返事でした。やってみてだめだった場合、時間のロスは深刻です。

研究室のほうでも、ビザがとれてから契約書を作成するということだったので、はやくとる必要がありました。結局J-2のまま働くか、カナダでJ-1をとるかでしたが、HIOでも最初からカナダで書き替えるという意見でしたので、それが最善であると判断しました。IAP-66は10月12日付けで3年分発行されました。オタワでも即日発行されるという情報はHIOで得、最短の旅行の予定が立てられました。

カナダから帰ってすぐに(10月25日)、契約書を提出し、さらに1週間でIDカードがもらえました。この契約期間について、administraterは最初から来てるから10月1日付けにしましょう、とさかのぼった日付を書きこんでくれました。IDカードが発行された時点ですでに10月末だったので、給与は11月31日に2ヶ月分もらいましたが、10月分もTaxは免除になっていました。労働許可証をもっていたので、10月1日からの労働は合法ですが、Taxも免除してもらえるとは本当にありがたかったです。IDカードが発行されるまでは、ハーバードのポスドクではないので、実験はできない(安全管理のためと思われる)と言われたこともあり、ビザ取得や様々な事務手続きのため、10月は何も手を動かしていなかったのですが、少しでも実験を始めておけばよかったというのが反省点です。また、他のハーバード関連病院で、私と同じケースで11月初めにオタワでビザを切り替えた方は10月からIDカードを持ち、研究もされておられたので、私の契約についてはadministraterの判断であったかと思います。
 
労働許可証の申請、カナダへの2泊3日の旅行など、J-1を得るまでの出費は約$1000です。アメリカに来てからの$1000は大金でしたが、無事に働きはじめられた今となっては、お金のこと、思わぬ一人旅をできたことも含め、これでよかったと思っています。

(管理人注)

わかさんが実際にカナダでビザ切り替えをしたときの経験談はこちらにありますので、あわせてご覧下さい。

セントルイスにお住まいのHMさんの奥様がJ-2ビザからJ-1ビザへ切り替えを行ったときの経験を教えてくれました。。


妻がポスドクとして大学で働くことになりJ-2からJ-1へビザの変更をしました。アメリカに滞在したまま移民局に郵送してビザ変更をしました。

いろいろ手違いがあったりして結局2ヶ月半ほどかかってしまいましたが、書類をきちんとして、正しいところに送ってからは1ヶ月足らずでビザ変更されたことになります。

ちょっと長くなりますが、どのような経緯であったかを参考までに。

(1) 妻の受け入れ先が決まり、受け入れ先のボスが大学のインターナショナルオフィスに問い合わせ、「うちのオフィスではアメリカ国内でのビザの変更には9ヶ月から1年かかるといっている。日本に帰ってからビザを変更すればすぐに出来るかもしれない。あなたはほかに情報をもっているかもしれないが・・・。」とのこと。

(2) そこでセントルイスの移民局に行って、ビザの変更について問い合わせてみました。すると、

  • ビザの変更は6から8週間くらいで出来る。
  • 滞在期間が6ヶ月を過ぎてからのビザ変更はcaseによっては可能。

といわれ、申請書を渡されました。

(3) 大学のインターナショナルオフィスにその旨を伝えると、そこの係りの人が書類を調えてくれて移民局(ネブラスカ)に郵送してくれました。

(4) ところが待てど暮らせど音沙汰がなく、インターナショナルオフィスの係りの人に言うと「ネブラスカに電話して聞いてみろ」とのこと、しかし電話は一向につながらないので、セントルイスの移民局に行ってネブラスカに問い合わせてもらいました。すると最初の申請用紙はどこかになくなってしまったとのこと。さらに移民局の係りの人によるとネブラスカに送ったのは間違いだということでした。このとき申請書を送ってから一ヶ月ほどたっていました。

(5) 移民局の係りの人が大学のインターナショナルオフィスに電話して、正しい送り先を教えていました。そしてそれから一週間ほどで新しい申請書類が出来上がり、今度は正しい送り先に郵送してもらいました。

(6) 3週間ほどたってからI-94はコピーではなくてオリジナルを至急送ってくるようにと電話があり、Expressメイルで送った(セントルイスの移民局の住所でした)あと、一週間ほどで、IAP-66とI-94(J-1ステータスになったもの)が送られてきました。

手続きの知識については大学の係りの人はかなり間違っていたようです。I-94のコピーを送るようにいったのも大学の係りの人でしたから(でもそのおかげで最初のアプライのときにオリジナルをなくさないですんだのは不幸中の幸いでした。)。インターナショナルオフィスというものが「困っている留学生のためのボランティア」みたいなものなのだとしたらあまり悪くもいえませんが・・・。

私たちは4月5日にこちらにきたので結局ビザの変更は半年過ぎても出来たことになります。ただし、IAP-66に記載されている有効期間は10月1日からとなっているのでそれが半年過ぎていると駄目なのかもしれません。

YMさんがJ-2ビザからJ-1ビザへ切り替えを行ったときの経験を教えてくれました。(2002年6月)


2年前に夫の米国留学に伴ってJ2として渡米し、渡米後に労働許可証を得て働き始めました。この6月末にビザの期限がきれるため、J1への切り替えを考えました。

大学の担当部署からは当初、米国内でのビザ切り替えを勧められましたが、切り替えに3−4ヶ月かかり、また、INSにパスポートやI-94の実物を送る必要があると聞き、重要書類をなくされては問題と思い、やはり米国外に一度出てからビザ切り替えを行うことに決めました。

はじめはカナダやメキシコでのビザ切り替えを考えていましたが、知人の外国人留学生(タイ人、インド人)があいついでカナダでのビザ更新や切り替えに失敗したため(うち1人はAutomatic Visa Revalidationに制限ができてからでしたので、米国に戻ることができず、なくなく帰国しました、、、)、日本に一時帰国してビザ切り替えを行うことにしました。J-2で半年以上経過すると、J-1への切り替えができないという話をきいていましたが、大学の担当部局のManager(INS出身)によるとそのような話は聞いたことがないし、INSの規則集を調べてみたが載っていないと言うのです。といってもINSのルールは頻繁にかわるので彼がどの程度把握しているのかは謎ですが、、、。

結局、在大阪米国領事館に書類を出してから約3週間でJ-1ビザが届きました。その後無事渡米し、J-1として働きはじめました。税金についてですが、大学の担当部局によると、Social Security TaxとFICAは免除されないそうですが、連邦税と州税は免除されるとのことです。経験談ですが、なにかの参考になれば幸いです。

更新記録

●2001年12月23日:新規掲載
●2002年8月12日:YMさんの体験談を追加

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