留学中の海外旅行

■必要な書類

留学中にアメリカから他の国（日本も含む）へ旅行する際には以下の書類が必要です。

有効なDS-2019：DS-2019の裏面にInternational Service Officeでサインをもらっておく必要があります。また、DS-2019は最新のものだけでなく、これまで発行されたすべてのDS-2019が必要です。

有効なパスポート：I-94がちゃんとついていることを確認してください。

有効なビザスタンプ：ビザが切れているとアメリカに再入国することができません。ただし、カナダ、メキシコ、およびアメリカの近隣諸島（キューバを除く）への旅行の場合は例外ですので、次項をご覧下さい。

アメリカに再入国の際には、はじめてアメリカに入国したときと同じように入国審査がありますので、万全を期すならfinancial supportを証明する書類なども用意する方がよいでしょう。

　

■カナダ、メキシコ、およびアメリカの近隣諸島（キューバを除く）への旅行

カナダ、メキシコ、およびアメリカの近隣諸島（キューバを除く）への30日以内の訪問のあとにアメリカに再入国する際にはビザスタンプが期限切れになっていても有効な書類（Jビザの場合、I-94とDS-2019）があれば、アメリカへの再入国が可能です。この制度をAutomatic Visa Revalidationといいます。

これに関する正式文書は(Code of federal regulationsの8CFR214.1と22CFR41.112(d))にあります。一部を引用します。

(2) The provisions in paragraph (d)(1) of this section are applicable only in the case of a nonimmigrant alien who:(i) Is in possession of a Form I-94, Arrival-Departure Record, endorsed by INS to show an unexpired period of initial admission or extension of stay, or, in the case of a qualified F or J student or exchange visitor or the accompanying spouse or child of such an alien, is in possession of a current Form I-20, Certificate of Eligibility for Nonimmigrant Student Status, or Form DS-2019, Certificate of Eligibility for Exchange Visitor Status, issued by the school the student has been authorized to attend by INS, or by the sponsor of the exchange program in which the alien has been authorized to participate by INS, and endorsed by the issuing school official or program sponsor to indicate the period of initial admission or extension of stay authorized by INS;(ii) Is applying for readmission after an absence not exceeding 30 days solely in contiguous territory, or, in the case of a student or exchange visitor or accompanying spouse or child meeting the stipulations of paragraph (d)(2)(i) of this section, after an absence not exceeding 30 days in contiguous territory or adjacent islands other than Cuba;
(iii) Has maintained and intends to resume nonimmigrant status;
(iv) Is applying for readmission within the authorized period of initial admission or extension of stay;
(v) Is in possession of a valid passport; and
(vi) Does not require authorization for admission under INA 212(d)(3).

また、私自身はこれまでにも何回かビザが切れたままでカナダへ旅行して無事アメリカに再入国していますし、以下のサイトにもこの件に関しては明記されています。

http://www.rochester.edu/student-srvcs/iso/travel.html

http://www.oiss.yale.edu/visa/leavret.htm

なお、2002年4月1日より、ビザ申請目的でカナダまたはメキシコに入国する場合にはAutomatic Visa Rebalidationは無効になりました。詳しくは以下をご覧ください。

■Automatic Visa Revalidationの一部制限

2002年4月1日から以下の２つのケースについてはAutomatic Visa Revalidationが無効になります。

1. Iraq、Iran、Syria、Libya、Sudan、North KoreaまたはCubaのパスポートを持つすべて人
2. カナダまたはメキシコの領事館にてビザ申請をおこなう人

問題になるのは２のケースです。現在、日本の大使館領事館では本人出頭によるビザ申請を受け付けておらず、ビザ申請に多くの時間をとれない人にとっては、カナダまたはメキシコの領事館でのビザ申請は有効な方法でした。また、カナダ、メキシコの場合はAutomatic Visa Revalidationの制度があるので、万が一、ビザ申請を拒否されても、有効なビザスタンプなしでアメリカに再入国できるというメリットがありました。しかし、今回の制度の変更によって、万が一ビザ申請が拒否された場合には、アメリカに戻ることが出来ず、他の領事館でビザを発行してもらえるまでアメリカに戻れないということになってしまいます。

これまでは日本人のJビザの場合、ビザ申請が拒否されるということはほとんどなかったのですが、テロ事件の後、私の知る範囲でも２人の方がビザ発給を一時保留されています。理由はともに研究テーマ（geneticsとtoxocology）がテロとの関連がある疑いがあるとのことでした。このような場合でも、これまではそのままアメリカに戻ることが出来たわけですが、その場合、日本に戻ってビザ申請しなければなりません。

なお、ビザ申請をせずに、単に旅行でカナダまたはメキシコに30日以内の旅行をする場合には、今まで通りビザスタンプが期限切れになっていても、有効なDS-2019とI-94があれば、アメリカへの再入国は可能です。

参考webサイト

University of Pennsylvaniaのinternational Officeのサイト

NAFSAのサイト

NAFSAのサイト

■J2ホルダーだけで海外旅行する場合

通常、１家族にDS-2019は１枚しか発行されませんが、アメリカに残された人の手元には有効なDS-2019がないといけません。また、再入国の際には当然DS-2019は必要ですから、J2ホルダーだけでアメリカ国外に出る場合には、少なくとも２枚のDS-2019が必要です。International Service Officeにお願いして、もう１枚DS-2019を発行してもらう必要があります。

なお、2003年1月よりSEVIS対応のDS-2019になるにあたり、DS-2019はJ-2を含め、全員に１枚ずつ発行されるようになったので、上記の手続きは必要なくなりました。