何を申し込むにも、必ず住所を聞かれます。住所が決まらないと生活のセットアップがまったく進みません。現地に着いたら、まず住む場所を確保しましょう。
何を申し込むにも、必ず住所を聞かれます。住所が決まらないと生活のセットアップがまったく進みません。現地に着いたら、まず住む場所を確保しましょう。
(1) 寮
学生向けには用意されているものの、ポスドクが使えるような寮というのはあまりないようです。
(2) アパート
日本のアパートのようなものから、高層マンション(コンドミニアムと呼ばれる)まで多種多様です。
(3) タウンハウス
2階建ての長屋のような感じ。
(4) 一軒家
3ベッドルーム以上のアパートは数が少なく、家賃自体も一軒家を借りるのと大差ありません。小さいお子さんがいる場合などは騒音を気にすることもなく、日本ではなかなか味わえない優雅な生活を送ることも可能です。ただし、一軒家の場合はセキュリティーの問題やメンテナンス(芝刈りが入居者の義務になることもある)の問題もあります。また、入居に当たっての審査がアパートに比べて厳しいようです。
日本に比べ家の値段が安いアメリカでは、賃貸ではなく購入するということも可能ですが、3年間と決められた期間であれば、購入する方は少ないと思われます。
多くの方はアパートを探すことになるでしょう。
部屋のタイプはStudio(ワンルーム)、1ベッドルーム(居間+寝室1)、2ベッドルーム(居間+寝室2)、3ベッドルーム(居間+寝室3)の様になっています。日本よりはだいぶ広いので、1ベッドルームで日本の2LDK相当の広さがあると思います。夫婦だけなら1ベッドルーム、子供がいれば2ベッドルーム以上のことが多いようです。2ベッドルーム以上ではバスが2つ以上ついていることもあります。州によっては、「夫婦に子供1人の場合は、2ベッドルーム以上」などという具合に部屋数が人数によって決められていることもあります。
家具つき(Furnished)と家具なし(Unfurnished)がありますが、たいていのアパートはUnfurnishedです。Unfurnishedとはいっても、冷蔵庫、オーブン、セントラルヒーティング(冷房についてはシアトルは冷房が必要ないのでわかりません)は基本的についています。中には、電子レンジやディッシュウォッシャーなどがついているものもあります。比較的新しいアパートでは部屋の中に洗濯機と乾燥機がありますが、古いアパートや安めのアパートでは、各フロアごとにコインランドリーが設置されています。
都市部では高層マンションもありますが、郊外の住宅地では低層のものがほとんどです。4〜5世帯の小さなものから、コンプレックスの形態になっているもの(2〜3階建ての4〜10世帯の建物が敷地内に10〜20くらい建っているようなもの)まで様々です。その中には、プールやプレイグランドやジムなどの共同設備が設置されているものもあります。
公共サービス(Utilities)の電気、水道、電話、ゴミのうち、水道とゴミは家賃に含まれていることが多いようですが、アパートによって異なります。こちらではガスが使えないことが多く、キッチンのコンロも電気式のものがほとんどです。
シアトルの家賃相場は近年、上昇傾向にあり、1ベッドルームで600〜900ドル、2ベッドルームで800〜1200ドル程度といったところです。
(1) 不動産屋にお願いする
ニューヨークやボストンなどにはあるようですが、シアトルには賃貸アパートを仲介する不動産屋はありません。
(2) 情報誌で調べる
もっとも情報が載っているのは地元紙(シアトルならSeattle Time)の日曜版のClassifiedの欄です。Seattle TimesのWebページ(http://www.seattletimes.com/)では常に最新の情報を見ることが可能です。また、スーパーなどにおいてある「For Rent」などの賃貸専門の情報誌(無料)も有効ですが、こちらはやや大きめのアパートコンプレックスが主体です。これらを見て、電話でappointmentを取って、アパートを見せてもらうことになります。ただし、日中は電話をかけても留守番電話になっていることが多く、メッセージを残してもこちらがホテル住まいだとなかなか連絡が取れず、はかどりません。
(3) 空き室のあるアパートの管理事務所を直接訪れる
住みたい地域が決まっているなら、その地域に出向いて、「For Rent」の看板がかかっているアパートの管理事務所を直接訪れ、中を見せてもらう方法もあります。
新聞のClassifiedは略語が多いので、慣れないと何が書いてあるのかよくわからないと思います。以下、よく使われる略語の意味です。
A/C | air conditioner | エアコン。シアトルではエアコン付きのアパートを見たことがありません。 |
apt | apartment | アパートメント |
avail | available | 利用可能 |
BA | bathroom | 1 BAはバスタブ付き風呂。11/2 BA (1.5 BA)はトイレ付き風呂が一つとトイレが一つ |
balc | balcony | バルコニー |
bldg | building | ビルディング |
BR | bed room | 寝室の数 |
cpt | crpt carpet | カーペット |
controlled entry | オートロック | |
cvrd pkg | covered parking | 屋根付き駐車場 |
dep | deposit | 敷金 |
dprx | duplex | 中2階つき |
DW | dish washer | 自動皿洗い機 |
elev | eleveter | エレベーター |
flr | floor | フロア |
frplc, frpl, fp | Fire Place | 暖炉付き |
gar, grg | garage | 屋根付きの車庫 |
hrdwd floor | hardwood floors | フローリング床 |
hkup | hookup | 洗濯機、乾燥機を接続するための蛇口、排水口 |
incld | included | 含まれている |
intercom | インターコム。オートロックと同義。 | |
lrg, lg | large | 大きい |
micro | microwave | 電子レンジ |
mo | month | 月 |
neg | negociatable | 交渉可能 |
N/P | No Pets | ペット禁止 |
N/S | No Smoking | 禁煙 |
nr | Near | 〜に近い |
on bus | バス路線が近い | |
prkg | parking | 駐車場 |
remod | remodeled | リモデリング済み |
sec entry | secured entry | オートロック |
stor | storage | 収納が多いという意味で使われる場合と納戸があるという意味で使われる場合がある |
util | utilities | 公共料金 |
W/ | with | 〜がついている |
W/D | washer and dryer | 洗濯機と乾燥器 |
w/o | without | 〜がついていない |
view | 眺めがいい。眺めがいいと家賃が高いです。 |
なお、1スクウェアフィート=0.0929平方メートルです。
まず、住む地域をある程度絞らなければいけません。ポイントとしては安全性、利便性、教育環境の3点だと思います。
(1) 安全性
もっとも重視すべきポイントです。アメリカは治安の悪い地区とよい地区がはっきり分かれています。危険な地域はどこか現地の人に聞いておきましょう。一般的には治安のいいところは家賃も高くなりがちですが、これは仕方ありません。アメリカでは安全はお金で買うものだという意識があります。
候補のアパートが見つかったら、一度、日が暮れたあとの様子も見てみた方がいいでしょう。
ニューヨークマンハッタンなら、ドアマンは必須でしょうが、シアトルではドアマンのいるようなアパートは見かけません(ダウンタウン内にはあるのかもしれませんが)。オートロックはついているところが多いようです。
(2) 利便性(交通や買い物)
車で通勤する場合は交通の便というのはあまり関係ないと思います。シアトルは比較的バス路線が発達しているので、バス路線の近くに住めばバス通勤が可能です。ただし、交通の便のいいところは車を持たないような人が集まり、治安が悪い場合もあるので、要注意です。
(3) 教育環境
学童期のお子さんがいる家庭では学区の問題も重要な要素です。よい学区は治安もよく、家賃も高いのが一般的です。地区が決まれば、あとは以下のようなことを考慮して決めることになります。
(4) 部屋数
(5) 家賃
(6) セキュリティー
ドアマンの有無やオートロックの有無
(7)1階か2階以上か
1階は治安の面では不安があります。2階以上でお子さんがいる場合は、下の階への騒音が気になります。
(8) いつ入居可能か
ホテル代を節約するためにも、即入居可の物件を選びたいですね。
(9) アパートのマネージャーは常駐しているか
ある程度以上の規模であれば、マネージャーは常駐していると思います。常駐していないと、トラブルがあったときやメンテナンスを依頼するときに時間がかかり不便です。
(10) 駐車場の湯無
(11) 共有施設(プール、ジム)などの有無
(12) 洗濯機が室内にあるか
契約の際には以下の項目を確認しましょう。
(1) 契約期間
たいていは6ヶ月か1年になっています。契約期間内に退去することになっても、契約期間分の家賃は自分で支払うか、sub-letといって他人に又貸しして、家主への支払いを保証する義務があります。
(2) Utilityは何が含まれているか
水道代とゴミ収集費は含まれることが多いです。
(3) デポジットはいくらか
デポジットには退去時には、修繕費などを差し引いて返してくれるrefundable depositと返ってこないnon-refundable depositの2種類があります。
実際に、入居する段になると、まずApplication Formに勤務先、運転免許番号、ソーシャルセキュリティーナンバーをはじめ以前住んでいたアパートの管理会社などを記入します。家主はこの情報を信用調査会社に送って、入居希望者のクレジットヒストリーの調査を依頼します。この調査費(私の場合は$35)は入居希望者が払うことになります。調査の結果、十分なクレジットヒストリーがないということになると、追加のデポジットを取られたり、場合によっては入居を拒否されます。日本人の場合は、アメリカでのクレジットヒストリーはありませんので、時に多額のデポジットを取られることもあります。
毎月、決められた日にちまでに小切手を郵送します。
私が気にしたのは
でした。
しかし、実際には、不動産屋に頼れないアパート探しに疲れてしまい、友人の住んでいるコンプレックスに早々に決めました。
この部屋は私の希望に反して1階ですが、アパート周辺の治安を考えて問題ないとの友人のアドバイスをもらいました。あとあと考えると小さな子供がいるので、1階にしておいてよかったと思っています。2階以上に住んでいる小さな子供のいる家族の中には、下の階の人との騒音のトラブルで一軒家に移る人もいます。また、洗濯機と乾燥機は部屋の中にはありませんでしたが、この点は妻に我慢してもらいました。しかし、後々考えてみると、このコンプレックスには10世帯近い日本人が住んでおり、渡米してきたばかりで不安の多い私たちにはとても良かったと思っています。
●2000年2月1日:新規掲載