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アメリカへの引っ越し

会社が費用を負担してくれる企業の方と違って、基本的に自腹を切ることになるので、「送るものをできる限り少なくする」、「輸送方法を上手に組み合わせる」ということが重要です。

引っ越し荷物の輸送法には「引っ越し業者に依頼」「郵便小包で送る」「手荷物で持ち込む」の3つの方法があります。

■引っ越し業者に依頼

引っ越し業者に頼んだ場合のメリットは、

  • 留学先の住所が決まるまで、業者の倉庫で荷物を預かってくれる
  • 自宅に集荷に来てくれ、梱包もある程度手伝ってくれる
  • 引っ越し業者の船便は、厳重に梱包されるので大事な荷物を送るのに安心

です。 デメリットはやはり値段が高いことです。

航空便と船便があります。北米の場合、航空便は最短所要日数が7〜8日、船便は26〜37日です。船便の場合、東海岸の方が西海岸より日数がかかります。船便は頑丈なコンテナに詰めるので、壊れ物なども比較的安心して送ることができますが、航空便は扱いが雑なので、壊れ物などはさけた方が賢明でしょう。船便は容積で値段が決まり、航空便は重量で値段が決まります。

値段的にはクロネコヤマトのらくらくパックの船便でシアトルまで1 立方メートルで153,000円、8 立方メートルで574,000円でした。値段も都市によって異なり、東海岸の方が西海岸より高く、中小都市の方が大都市より高くなっています。また、保険額は会社によって違いますが、クロネコヤマトの場合、100万円に対して7,250円かかります。

また、ポルノ、政治的煽動文書、動植物(生きている動植物、肉類、野菜)、貴重品(現金、有価証券、古美術品)、危険物(エアゾール式スプレー、花火、鉄砲刀剣、マッチ、ライターライター用ガスボンベ)、化学品(毒物、劇物)などは送ることができません。引火性ありなどと書かれたスプレーなど、ガスコンロのボンベやヘアムースなどが結構ひかっかってしまうそうです。

また、食料品、新品の電化製品(1年以内に購入したもの)は課税の対象になるので注意が必要です。

■郵便小包

とにかく安くしたいという場合はやはり郵便小包(http://www.post.japanpost.jp/service/intel_service/intel_kozutsumi.html)です。郵便小包には3種類あります。

  • 航空便(1週間程度)
  • SAL便(10日から2週間)
  • 船便(1〜2ヶ月)

SAL便というのは航空便なのですが、荷物に余裕のある飛行機を使うので、通常の航空便より時間がかかりますが、値段が若干安くなっています。北米に20kgの荷物を送る場合、航空便で27,150円、SAL便で19,550円、船便で10,250円です。(料金表はhttp://www.post.japanpost.jp/fee/simulator/kokusai/index.html)郵便小包で送る場合は、船便にしろ、航空便にしろ、扱いが雑なので、破損する可能性が十分にあります。

■手荷物として持ち込む

飛行機に預けられる荷物は一人2つまでで、一つが32キロ以下となっています。


4月の上旬に、シアトルに現地事務所があるクロネコヤマトと日通に見積もりをお願いしました。海外への引っ越しと同時に、国内の引っ越しも併せてお願いすることにしました。海外引っ越しに関しては数万円クロネコヤマトが安い程度で、それほど見積額に差はありませんでしたが、国内引っ越しは日通が異常に高く、クロネコの2倍以上したので、クロネコヤマトにお願いすることにしました。ちなみに、クロネコヤマトではホームページ(https://www3.kuronekoyamato.co.jp/kokusai/h_form.html)から見積もりを依頼すると10%引きにしてくれるのでお得です。

5月の上旬に、実家への引っ越しを済ませ、6月19日に海外向けの引っ越しを行いました。渡米後すぐに使うものは、手荷物で運び込むことにし、その他のものをすべて船便にしました。もちろん家具は持ち込まず、衣類や書類、書籍、デスクトップコンピューターなどで、最終的に段ボール34箱、容積4立方メートルとなり、値段は30万円強でした。

6月24日の船で出発し、シアトルに7月8日に着くとのことでした。アパートが決まった段階でシアトルの事務所に電話すると、すでに到着しているとのこと。7月14日に搬入してもらいました。搬入は日本人の担当者が一人でやってくれました。私は、アパートに入居して、すぐ船便の荷物を届けてもらったので、大変助かりました。

9月に妻と子供を迎えに一時帰国しました。妻と子供を連れて再渡米する際には、子供のものなどで、荷物が多くなっていたので、別送サービスを利用しました。別送サービスというのは海外へ引っ越す際に、本人宛に身の回り品を航空便で送るサービスです。段ボール一箱20キロまでで2万5000円でした。私たちは3箱送りました。ちょうど1週間で無事届きました。

ボストンに留学されたKAさんから体験談をいただきましたので掲載します。


●引っ越し

・業者の選定:
まずヤマト運輸と日通にそれぞれホームページから連絡し見積もりに来るようにお願いしたのですが日通担当者から連絡があったものの、ヤマト運輸は資料を送ってきただけでした。資料を比較した結果うちの場合は国内の引っ越しがないため、日通の方がかなり安いことがわかり、日通に決定しました。

・見積もり
見積もりは作業に大変詳しい方が見え、いろいろなこと教えていただけました。実際の荷物の大きさ(あくまでも容積が基準で重さは全く関係ない)が決まってから最終的な運送費が決まるという説明で、3立方メートルだといくら、4立方メートルだといくらというように幅を持った見積もりをされました。

・8月27日(日)に荷物を送りだしました。朝9時からの予定に8時半にはトラックが到着し待機、9時ちょうどに呼び鈴を押すという感じで実に訓練されたプロという印象を受けました。どんなものでも顔色一つ変えずに「はい」といって梱包してしまい、あっけなく2時間ほどで終了しました。ボストンまで30〜50日かかるといわれていました。

・9月20日には現地(ボストン)の事務所に電話して、こちらの住所と電話番号を連絡しました。「荷物が来たら電話します。」と言われました。結局、荷物が手元に来たのは10月5日(午前中)でしたので、39日間かかっています。

・壊れたものと保険 荷物を開けてみて、壊れていたものは紅茶をわかすガラスの容器、ファックス、IBMのWorkPadのクレードルでした。すべてこちらで保険をかけた金額をいただけるということになっていますが、現在手続き中です。教訓として、壊れないもの(洋服、三脚、CD、フィルム、本、ファイルなど)は安く保険をかけ、壊れやすいもの(ガラス製品、コンピュータが中に入ってそうなもの)は高めにかけると良いかもしれません。洋服なんて10円とかにして、あのファックスを5万円にしておけば…。

 

●手荷物(空港でCheck-inのときに預ける荷物)として持ち込む

・北米の場合、研究留学ネットにあるようにエコノミーでも一人2個まで、一個の限度は32キログラムまで、大きさの制限として1個の荷物における縦横高さの3辺の合計が157 cmまでになっています。うちの場合は、夫婦で合計32x2x2で128キログラムになります。また、ヨーロッパやアジア方面はだいぶ違った限度が設定されており、半分以下だと思います。別の方面の方はくれぐれもご確認ください。

・段ボールの作り方
手荷物はいつも使っているスーツケース2個と段ボール箱を2個にしました。段ボール箱は引っ越しのときにお願いしたら10枚程度ならくれます。またそのときにガムテープも2個ほどいただきました。日通の場合Mというサイズの箱でも手荷物として持ち込めますがあまりに大きく一人ではちょっと持ち上げられないことがわかり、Tというサイズに決めました。この段ボールはもともと2重に貼り合わせてあるのですがその中に少し小さく切ったTサイズの段ボールをガムテープで張り合わせて作り2重の箱をつくりました。そして東京都のゴミ袋を切り開いたものを2枚の箱の間に敷き、防水にしました。とくに角の部分と箱の張り合わせの部分をガムテープで3重に重ね貼りして補強しておきました。ひもはイトーヨーカドーで(100mで500円、白い太めのビニール製)購入し持ちやすいように5重くらいに2カ所巻きました。日通はひもを使わないので、くれなかったので自分で購入しました。乗り継ぎの時に実際に自分の荷物を出すところを見ましたが、重い段ボールを3〜5mくらい投げていました。

更新記録

●2000年2月1日:新規掲載
●2000年10月25日:KAさんの体験談を追加

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