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研究に有用なソフトウェア

■文献整理ソフト

Endnote

定番の文献管理ソフトです。特に、論文を書くときのReference作成の際に威力を発揮します。私自身論文を書くのに欠かせないソフトです。Mac版、Win版があり、最新版はver.9。

日本での購入はユサコ株式会社を通して購入します。新規購入は¥52,290、学生版は¥20,790です。アメリカでは、初回購入が¥299.95(オンラインダウンロードであれば、$239.95)、学生版が¥109.95、アップグレードは$99.95、オンラインダウンロードによるアップグレードなら$89.95です。中身は英語版そのものですが、残念ながら日本からはダウンロード版を購入できず、割高になってしまいます。

Endnote関連情報は「研究者の書棚」>「コンピュータ関連本」をご覧下さい。

Endnoteを使用したソリューションについては「研究者のためのコンピュータ情報」>「電子リソース、文献管理」をご覧下さい。

 

iPapers

iPapersにはReferenceを書き出す機能はありません。インターネットでダウンロードした文献PDFファイルをiTunesによく似たインターフェースでデータベース化して整理することに特化したソフトです。一度使ったら手放せないソフトです。Mac OSX 専用のフリーソフトです。

 

Sente

PubMedをはじめとする数百を超えるオンラインデータベースから文献を読み込み、高速に動作する文献管理アプリケーションです。研究テーマにあわせたキーワードを登録しておくことにより、登録されているサイトを自動的に検索して、文献情報を逐次更新します。

 

GetARef

私は使ったことがありませんが、Endnoteに近い機能を持ったソフトのようで、「文献管理データベース」と「参考文献リスト作成機能」を併せ持った論文作成支援ソフトウエアです。スウェーデン生まれのソフトですが、日本語化されています。Windowsのみです。

 

Refworks

RefWorksは簡単に言うとEndnoteのオンライン版です。ユーザーが集めた文献情報は米国にあるRefWorksサーバー上に蓄積されます。そして、フォーマットしたいWordファイル(文献引用箇所には{{23}}という形でマーキングしておく)を指定すると、目的のJournalスタイルに合わせて引用文献が書き込まれたWordファイルをはき出してくれます。基本的にはEndnoteとワークフローは同じです。WEBベースの文献情報管理ツールってどういうしくみなんだろうと思っていましたが、当初予想していたよりよくできていました。個人契約だと年間13,000円。所属大学が契約していれば、無料で利用できます。

Endnoteと比較した場合、オンラインゆえ手順が多くなったり、変更が直ちに反映されなかったり、オンラインのレスポンスがいまいちだったりといった具合に、使いごこちにはEndnoteに軍配が上がります。したがって、私が今すぐEndnoteからRefWorksに乗り換えることはないのですが、RefWorksのいくつかのアドバンテージは見逃せないものです。一つは、WEBベースのアプリケーションで、ソフトも継続的にアップデートされているため、ソフトがうまく使えないということがないということ。Endnoteの場合、不具合が結構多く、特に、Wordがアップデートされると、急にEndnoteが使えなくなるということがこれまでにも何回も起こりましたが、こういった現象は基本的にはないという安心感があります。もう一つは、日本語が問題なく使えると言うことです。Endnoteも最新バージョンはユニコード化され日本語が使えるのですが、医中誌のデータは読み込めないなどの問題があります。しかし、RefWorksの場合、医中誌の読み込みも問題なく、PubMedと医中誌のデータが混在した引用文献リストも問題なく作れます。

 

以下はあまりに本では知名度が高くないソフトです。

Reference ManagerISI Reseachsoft

ProCiteISI Reseachsoft

 

また、Windows版のフリーの文献検索ソフトとして、以下のものがあります。

Bunso

PubMedからデータをファイリングしWordのテキストファイルに文献番号をつけて最後に一覧表示させる、というEndnoteで文献を論文につけることと、ほぼ同様なことができるようです。フリーウェアですし、様々な連携ソフトウェアがあります。(このソフトはBeignetさんからお知らせいただきました。ありがとうございました。)残念ながら、Bunsoの開発は中止されています。

Ref for Windows

4000円のシェアウェア

■統計用ソフト

●StatView(英語版日本語版

残念ながら、2002年12月末で生産中止になってしまいました。統計解析の定番ソフト。特殊な解析でなければ、ほとんど対応できると思います。解説本もいろいろ発売されています。Mac版と、Windows版があり。日本語版の値段は10万円位します(高い!)。日本の代理店はヒューリンクス

●SPSS(英語版日本語版

残念ながら、私は使ったことがありませんが、StatViewでできない解析もいろいろできるそうです。

医薬研究者のための統計ソフトの選び方 」【bk1】【amazon.co.jp】を参考にして、現在よく使われている統計解析ソフトをまとめてみました。

  販売会社 Platform 値段 日本語化 使用論文数
SAS SAS Win, Mac レンタル制   201
SPSS SPSS Win, Mac(英語版のみ \168,000 あり 203
Stata Stata Win, Mac(含OSX), UNIX $625(A)   78
StatView SAS Win, Mac 生産中止 あり 146
STATISTICA スタットソフト Win \129,500 あり 61
SigmaStat e-works Win \89,000(A)   106
SYSTAT e-works Win \99,000(A)   53
MINITAB Informatique Win \45,000(A) 一部 19
Prism GraphPad社 Win, Mac(含OSX) $445.50(A)   240
JMP SAS Win, Mac(含OSX) \54,000(A) あり 47
Excel Microsoft Win, Mac   あり 121

※使用論文数はBMJ, JCI, JPET, PNAS, JAPに掲載された論文のうち該当ソフトが使われている論文数。「医薬研究者のための統計ソフトの選び方 」による。
※(A)はアカデミック価格。

■グラフ作成ソフト

●Deltagraph(英語版Mac日本語版Windows日本語版

私も持っていますが、プレゼンテーションの方に力を入れているソフトで、グラフ作成ソフトとしては今ひとつ自由度が高くないという印象があります。自分好みのグラフを作るにはCricket Graphの方がいいと思います。また、グラフのシンボルにわざわざ専用フォントが必要になるのも好みが分かれるところです。日本の代理店はポラロイドがやっています。

●Cricket Graph

非常に自由度の高いグラフ作成ソフトでしたが、残念ながら、生産中止になってしまいました。

Kaleida Graph

残念ながら、私は使ったことがないのでコメントできません。Mac版と、Windows版があり。日本の代理店はヒューリンクス

●Excelのグラフ機能

現在は、主にExcelについているグラフ作成機能を使ってグラフを作っていますが、自由度が低いので、満足なグラフが作れません。

kyplot(ベータ版のみ、フリーウェア)Win版のみ

私はまだ試していませんが、なかなかよさそうです。Hさんおすすめ。Kyplot裏技集掲示板などがあり、サポートもいいようです。

■画像解析ソフト

NIH Image (Mac 9版)、Scion Image(Windows版)、ImageJ(Java版)

NIH Image は、NIH(National Institute of Health)で開発され、無料で配布されている非常に多機能な画像処理解析ソフトです。NIH ImageはMac版(9まで、OSXはImage Jを使う)ですが、Scion CorporationによりWindows版が開発され、やはり無料で配布されています。 最近Image Jが開発され、Javaで書かれているので、Java Runtimeさえあれば、Linux、Windows、Mac OS 9、Mac OSXなどどのOS上でも動かすことができます。

以下のようなチュートリアルのページも多数存在します。

■DNA解析ソフト

Genentyxソフトウェア開発株式会社)Mac版、Win版あり。デモ版あり。

私はこのソフトを使っています。比較的使いやすいと思います。値段は30万円位です。デモ版がwebサイトにありますので、試してみてください。

DNASIS Pro日立ソフト)Win版のみ。

日本ではこのソフトを主に使っていました。以前は、Mac版とWindows版があったのですが、DNASIS ProとなってからはWindows版のみとなりました。Trial版が請求できます。

Gene Construction Kit 2Textco Inc)Mac版、Win版あり。デモ版あり。

plasmid cloningに特化したDNA解析ソフトのようです。Biotechnology Software Journal誌において、1999年のBest Plasmid Mapping Softwareに選ばれています。DartmouthのSさんご推薦。

Gene InspectorTextco Inc)Mac版のみ。デモ版あり。

総合シークエンス解析ソフトのようです。DartmouthのSさんご推薦。

●GCG Wisconsin Package(英語日本語

GCG Wisconsin Packageは上記のようなソフトのようにパソコンにインストールして使うソフトではなく、UNIXベースで使うソフトです。価格も年間100万円程度かかりますので、大学単位で購入することが多いです。ウィスコンシン配列解析パッケージは130以上のプログラムからなる配列解析用ソフトウェアであり、もともとはWisconsin大学で開発されたGCGソフトウェアから発展したものです。まさに総合遺伝子解析ソフトというべきもので、核酸・アミノ酸配列の解析、地図作成、配列比較、配列並置、RNAの二次構造予測、DNAフラグメント 結合、プライマー設計、遺伝子探索、進化解析などの機能も提供しています。

Sequence Assistant ver.1.5.3

分子生物学研究用遺伝子解析ソフト。塩基抽出、相補鎖への変換、アミノ酸への翻訳、制限酵素地図の作成、簡易ホモロジー検索、縮重記号を使った検索、塩基配列読み上げ、プライマーに適した配列の検索、プライマー配列の評価などが行えます。2000円のシェアウェア。

DNADynamo

YASUさんおすすめの分子生物学研究用遺伝子解析ソフト。以下、推薦者のYASUさんのコメントです。

これまでに、ヨーロッパとアメリカ、あわせて6年間海外で研究生活を行ってきたのですが、いつも悩まされていたのが、Windows環境でのDNA、アミノ酸、シークエンスの解析ソフトでした。仕方なく、NEBCutterやEMBOSSなどのウェブサイトのサービスを利用して来ましたが、その面倒くささは、自分でも情けなくなるほどでした。先週、そのことを隣のラボのPIに愚痴っていたら、すごくいいプログラムを知っているから試してみたら、と言われて知ったのが、その恐るべきソフト、DNADynamoです。(www.bluetractorsoftware.co.uk/index.htmに行くと、無料のデモバージョンが手に入ります。)早速、デモモード(1MB程度のすごく軽いプログラム)を送ってもらって試してみたのですが、制限酵素マップ、アミノ酸配列、ORF、プライマーの表示など、とりあえず必要な機能はすべてOKでした。これまでに持っていたDNA Striderのfileがあけられるのはもちろんのこと、ABIのシークエンサーの生データまで開けられる上、いくつかのABIのシークエンスデータをalignしたり、というような、ちょっと高度な技もすべて完璧でした。自分はマニュアルに一度も目を通していないのですが、それでも、すべての技が簡単に実行できました。本当にお薦めです。Windows主流の研究所に入って、DNA解析ソフトがなくて泣いているポスドクは無数にいるので、是非紹介してみてあげてください。かなりの反響がくると思います。

Javaベースのソフトウェアなので、Windows上でもMac OS X上でも Java Runtime Environment (JRE) version 1.4.0以上がインストールされていれば使用可能です。

更新記録

●2001年3月28日:新規掲載
●2001年4月3日:Kyplot、Gene Construction Kit、Gene Inspector、GCG Wisconsin Packageを追加
●2001年7月2日:Bunsoを追加

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