■PowerPointとの互換性は?
Keynoteの一つの売りは、現在のプレゼンテーションソフトのデファクトスタンダードのPowerPointのファイルをインポートでき、かつ、エクスポートもできると言うことです。私のようにたくさんのプレゼンテーション用のPowerPointのファイルを持っている人間としては、PowerPointからすんなりKeynoteにimportできるのかは非常に重要な問題です。
この点についてじっくり検証してみたいと思います。まずは、インポートから検証してみます。
Keynoteの一つの売りは、現在のプレゼンテーションソフトのデファクトスタンダードのPowerPointのファイルをインポートでき、かつ、エクスポートもできると言うことです。私のようにたくさんのプレゼンテーション用のPowerPointのファイルを持っている人間としては、PowerPointからすんなりKeynoteにimportできるのかは非常に重要な問題です。
この点についてじっくり検証してみたいと思います。まずは、インポートから検証してみます。
powerpointの元スライド
keynoteにインポートしたスライド
PowerPointファイルから、Keynoteへのインポートはきわめて簡単で、PowerpointファイルをKeynoteアイコンにドラッグアンドドロップするなり、KeynoteのopenでPowerpointファイルを指定するだけです。
右の図を御覧になれば分かるように、インポートすると、タイトルの枠の大きさや文字の位置はずれてしまいます。また、図の黄緑色の四角形と数字はPowerpointではグループ化されていなかったのですが、Keynoteではグループ化されてしまっています。また、この図にはありませんが、Powerpoint上で箇条書きのビュレットを消しておいたのが、Keynoteでは勝手につけられてしまいます。このへんはひとつずつ手作業で修正していかないとなりません。
次に、アニメーションですが、こちらはPowerpointとKeynoteに設定の仕方自体に違いがあるので、かなり手直しが必要です。
まず、Keynoteの場合、「〜秒後に自動的に動作」という設定がないので、Powerpoint上で、「〜秒後に自動的に動作」するように設定しておいたものは、すべて「クリック時に動作」という設定に変わってしまいます。
また、これは明らかにバグだと思うのですが、右の図の黄緑色の四角形で、Powerpointでは、
1フェードイン→1フェードアウト→2フェードイン→2フェードアウト→3フェードイン→3フェードアウト→4フェードイン→4フェードアウト
と設定しておいたものが、Keynoteでは、
1フェードイン→2フェードイン→3フェードイン→4フェードイン→1フェードアウト→2フェードアウト→3フェードアウト→4フェードアウト
と変更されてしまいます。
それから、Powerpointのワイプのアニメーションで「右から左へ」と設定しておいたものは「左から右へ」、同じく「上から下へ」は「下から上へ」になっています。これも明らかなバグでしょう。
グラフに関しても、取り込みはあまりうまくいきません。勝手に凡例をつけたり、座標軸のメモリの設定が変わったりします。ただ、私としてはグラフを1枚の画像としてインポートするのではなく、グラフの各パーツがそのままパーツとして使えるようにインポートしようとしている点は評価します。手を加えれば何とか修正可能です。
という具合で、Powerpointからインポートして、すぐにKeynoteでプレゼンテーションできると言うことは決してなく、手作業で修正が必要です。
ただ、それでも、図は図として、テキストはテキストとして、グラフはグラフとしてきちんと認識して変換してくれますので、比較的短時間でKeynoteに移行できるというのはすばらしいことです。以前、ほかのプレゼンテーションソフトからPowerpointに移るときなどは、結局ほとんど作り直しになってしまいましたので。
●2003年1月24日:新規掲載