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研究者の書棚:医学・医療・医学教育の読み物

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アメリカ医療事情

「市場原理に揺れるアメリカの医療」おすすめ

著者: 李 啓充著、出版:医学書院、発行年月:1999.3、本体価格: ¥2,200
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アメリカの医療制度を理解する上でHMO(マネージドケアと呼ばれる健康保険制度)を避けて通ることができません。マネージドケアが米国の医療費抑制に果たした役割は大きいですが、一方で、保険会社の治療への関与が大きく、弊害も生まれています。この本は、1990年代に入って急速に広まったHMO制度を中心に医療制度について語った本です。著者はハーバード大学の関連病院の一つマサチューセッツ総合病院の助教授であり、HMO制度の広がりとともにボストンの名だたる病院が次々と合併せざるを得なくなった様子がリアルに描かれています。アメリカの医療制度を理解する上でお薦めの一冊です。特に、ボストンに留学する人には必携の一冊だと思います。また、所々に読み物として「ある癌患者の手記」「ダナファーバー事件」「奇跡の歴史-小児白血病治療の50年」「スター選手の死」が挿入されいます。

<目次>
市場の論理が医療を変える
医療を決定するのは誰か
市場原理から排除された人々への医療の保証
急成長する医療ビジネス-悪徳業者が医療を喰う
営利追求医療に対する反抗


「アメリカ医療の光と影――医療過誤防止からマネジドケアまで」おすすめ

著者: 李 啓充、出版:医学書院、ISBN:4-260-13870-7、発行年月:2000.10、本体価格: ¥2,000
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「悪魔の味方
〜米国医療の現場から」おすすめ

著者: 岩田 健太郎、本体価格: ¥1,800、出版:克誠堂出版、ISBN:4-7719-0265-8、発行年月:2003.6【bk1】【amazon.co.jp】【目次

著者の岩田健太郎氏は日本の医学部を出た後、最近までニューヨークの病院で感染症専門の内科医としてアメリカの医療の現場にいらっしゃった方です。彼は「アメリカ医療の現場から」というメールマガジンで、アメリカの医療に関するエッセイを発信しており、今回、メールマガジンの内容をグレードアップさせて1冊の本にまとめました。米国医療の実際、知られざる実態から9.11、バイオテロまで、医療関係者はもちろん、そうでない方にも、おすすめの1冊です。


「苦悩する市場原理のアメリカ医療 日本の開業医調査団が見た最新事情」

著者: アメリカ医療視察団、出版:あけび書房、ISBN:4-87154-034-0、発行年月:2001.12、本体価格: ¥2,400【bk1】【amazon.co.jp


「モンタナ神経科クリニック物語 アメリカ僻地医療の素顔」おすすめ

著者: 長谷川 寿紀、出版:教育出版、ISBN:4-316-36980-6、発行年月:2000.10、本体価格: ¥1,800
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モンタナ神経科クリニック」というオンラインエッセイが本になったものです。本に掲載された分は非公開になってしまったみたいですが、未収載のエッセイは公開されています。

著者は日本の国立大学医学部を中退した後、アメリカ国内の医科大学に入り直し、アメリカの医師免許を取得しました。レジデンシーを終えた後、神経内科専門医の道を歩み、てんかん治療の専門家となり、合衆国最後の秘境と呼ばれるモンタナ州で、州でただ一人のてんかん治療専門家として活躍された方です。

この本は著者がモンタナ州でてんかんセンターを運営していた時に出会った難治性のてんかん患者達とのふれあいを描いたものです。難治性のてんかんをかかえた患者達とのふれあいがドライに、おもしろく描かれています。アメリカの都会にある有名大学を舞台にしたエッセイは数あれど、いわゆる僻地医療を題材にしたものはほとんどありません。難治性の疾患を抱えながら、激変するアメリカの医療制度に翻弄される患者が描かれています。いわゆる医療エッセイとしてもよくできていると同時に、一方的に礼賛されるアメリカの医療システムの光の当てられていない側面がよくわかる好著です。

<目次> 
1. 悲しみのセールスマン
2. 巣箱を作る青年
3. 失禁のバイオリニスト
4. 幼ななじみ
5. 失われたインデイアンの若妻
6. 不死身の美人アナウンサー
7. 干からびたクルミの実
8. 偏見は誰の為にある?
9. モンタナ最高の演技人
10. 丘の上の精神科医の家
11. 偉大なる死に損ない
12. 明日のボブ
13. 這い上がる
14. 娘の先生
15. どうして私はモンタナを去ったか


「アメリカで医者をやるにはわけがある〜在米外科医の見た日米事情〜」

著者: 木村 健著、出版:草思社、発行年月:1995.7、本体価格: ¥1,748
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木村先生は兵庫県立こども病院から40代半ばで渡米され、現在アイオワ州立大学の小児外科教授になられた方です。日米の医療事情の違いに焦点をあてた本かと思っていましたが、 そういった内容は1/3程度で、残りの2/3は日米の生活習慣、文化の違いに焦点を当てた本でした。もともと神戸市消防局の月刊誌に寄稿していたエッセイをまとめたもののようです。


「アメリカ臨床医物語」

著者: 中田 力、本体価格:¥1,500、出版:紀伊国屋書店、ISBN:4-314-00946-2、発行年月:2003.7【bk1】【amazon.co.jp

著者は東京大学医学部医学科卒業後、長年カリフォルニアで臨床医として活躍し、その後、カリフォルニア大学脳神経学教授から新潟大学統合脳機能研究センター長となったファンクショナルMRIの世界的権威です。カリフォルニアのジャングル病院(野戦病院)での臨床経験から日本医療と医学教育に提言をおこなっています。



「医療の質-谷間を越えて21世紀システムへ」

著者:米国医療の質委員会 医学研究所、医学ジャーナリスト協会訳、出版:日本評論社、ISBN:4-535-98203-1、発行年月:2002.7、本体価格: ¥3,200【bk1】【amazon.co.jp



「人は誰でも間違える-より安全な医療システムを目指して」

著者:L.コーン、J.コリガン、M.ドナルドソン編、米国医療の質委員会 医学研究所著、医学ジャーナリスト協会訳、出版:日本評論社、ISBN:4-535-98175-2、発行年月:2000.11、本体価格: ¥2,500【bk1】【amazon.co.jp



「〈日米比較〉医療制度改革」(日本経済研究センター・NBER共同研究)

著者:小椋 正立、デービッド・ワイズ編、出版:日本経済新聞社、ISBN:4-532-13234-7、発行年月:2002.6、本体価格: ¥3,500【bk1】【amazon.co.jp



「病院の内側から見たアメリカの医療システム」

著者: 河野 圭子、出版:新興医学出版社、ISBN:4-88002-159-8、発行年月:2002.3、本体価格: ¥2,200【bk1】【amazon.co.jp

『モダンフィジシャン』連載記事をまとめたものです。詳しくはこちらをどうぞ。

  

アメリカの医学教育

「裸のお医者さまたち-名医と迷医の見分け方」おすすめ

著者: 桑間 雄一郎著、出版:ビジネス社、発行年月:2001.6、本体価格: ¥1,500
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この手の本は、単にセンセーショナルに「医者裏話」を取り上げているようなことが多いのですが、研究留学MLでなかなかおもしろいという評判があったので、読んでみました。

著者は東京大学医学部を卒業し、その後6年間、血管外科の医師として日本で働いた後、日本の医局制度がイヤになって日本を飛び出し、ニューヨークのベスイスラエルメディカルセンターで内科医として研修。日本に3年間戻った後、再び、ニューヨークにわたり、内科医をしている方です。

日本とアメリカの医療の現場でそれぞれ5年以上にわたって、自分自身が経験されたことをふまえて、非常にフェアに日米の医療事情を比較されています。「治療方針は医師によってバラバラ」「日本の医療とカンボジアの裁判は同レベル」と、エビデンスに基づかない日本の医療を批判し、「医療従事者の数がアメリカの五分の一」である日本の医療制度を批判するとともに、医学部卒業後も絶え間ないプレッシャーの中で医学を学び続けるアメリカの卒後医学教育制度を紹介しています。

著者がフェアであるのは、第5章で「進みすぎる分業化」「起こりすぎる医療過誤裁判」といった形でアメリカの医療制度の悪い部分も指摘した上で、第7章で日本の今後の進むべき道に具体的な提案をしているところです。特に、彼が提案している「臨床医と研究医をわけるべき」というのは、これまでに指摘されることが少なかったのですが、考えなければいけない大きな問題の一つでしょう。

アメリカの医療制度を理解する上で避けて通れないHMO(健康保険制度の一つ)に関する記述はほとんどないなど物足りない部分もないわけではなりませんが、日米の医療事情を知り、今の日本の医療システムが抱える問題を考える上で非常によくできた本だと思います。医療従事者のみならず、一般の方にも勧められる一冊です。

<目次>

第1章:知ってびっくり!医者の世界、裏の裏
第2章:日本の病院、これでは恐ろしい
第3章:アメリカの医療、ここがすごい!
第4章:文化の違いが医療に表れる
第5章:これは困るよ、アメリカの医療
第6章:充実のニューヨーク・ドクターライフ
第7章:二十一世紀の医療を変えよう


「ハーバードの医師づくり 最高の医療はこうして生まれる」

著者: 田中 まゆみ著、出版:医学書院、ISBN:4-260-13887-1、発行年月:2002.3、本体価格: ¥1,800【bk1】【amazon.co.jp

著者は、ボストンに研究留学した後、MGHで内科クラークシップ、ケンブリッジ病院で内科サブインターンシップを経験し、ボストン大学公衆衛生大学院を経て、イエ−ル大学内科小児科合同プログラムで臨床研修中の方です。本書は医学界新聞に連載されていた『MGHのクリニカル・クラークシップ』をまとめられたものです。詳しくはこちらをどうぞ。



「アメリカの医学教育 アイビーリーグ医学部日記」

著者: 赤津 晴子、出版:日本評論社、ISBN:4-535-56024-2、発行年月:1996.5、本体価格: ¥1,700
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「アメリカの医学教育 続 - 続 スタンフォード大学病院レジデント日記」

著者: 赤津 晴子、出版:日本評論社、ISBN:4-535-98160-4、発行年月:1999.7、本体価格: ¥1,700
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「It’s my challenge ペンシルベニア大学医学部留学奮戦記」

著者: 長浜 正彦、出版:篠原出版新社、ISBN:4-88412-230-5、発行年月:2000.12、本体価格: ¥1,500
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日本の医学教育

「大学医学部の危機」(講談社文庫)

著者: 保坂 正康、出版:講談社、ISBN:4-06-273345-5、発行年月:2002.1、本体価格: ¥629 【bk1】【amazon.co.jp


「医学部残酷物語 もう医者にはなりたくない」

著者: 保阪 正康、出版:中央公論新社、ISBN:4-12-150025-3、発行年月:2001.11、本体価格: ¥680【bk1】【amazon.co.jp

  

日本の医療事情

「病院のカラクリ、医者のホンネ」

著者:テリー伊藤、和田 秀樹、出版:アスキー、ISBN:4-7561-3983-3、発行年月:2001.12、本体価格: ¥1,500【bk1】【amazon.co.jp


「日本の医療はそんなに悪いのか? 正したほうがいい30の誤解」

著者: 真野 俊樹、出版:薬事日報社、ISBN:4-8408-0687-X、発行年月:2002.2、本体価格: ¥2,000
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更新記録

随時追加。

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