4. 主要な抗菌薬(注射薬)の投与方法(成人版)

主要な抗菌薬(注射薬)の投与方法(成人版)

一般名

商品名

処方量

Penicillin G

ペニシリンGカリウム

髄膜炎:400万単位 4時間毎
心内膜炎:300万単位 4時間毎
肺炎球菌肺炎:200万単位 4時間毎

Ampicillin

ビクシリン

1g 6時間毎 (心内膜炎等の重症腸球菌感染およびS. pneumoniae, Streptococcus, Listeriaなどによる中枢神経感染では2g 4時間毎)

Piperacillin

ペントシリン

2g  6時間毎 (P. aeruginosa感染では1日量として12-24g必要な場合あり)

Ampicillin/sulbactam

ユナシンS

1.5g  6時間毎

Piperacillin/tazobactam

タゾシン

2.5g  6時間毎(添付文書の記載とは異なるが、PKPDの観点からは半減期の短いペニシリンの1日2回投与は薦められないので、記載する)

Cefazolin

セファメジンα

1g 6-8時間毎
(MSSAによる感染性心内膜炎では2g 8時間毎での治療を考慮)

Cefmetazole

セフメタゾン

1g 6-8時間毎

Cefotiam

パンスポリン

Ceftriaxone

ロセフィン

1g 12-24時間毎 (ただし髄膜炎では2g 12時間毎)

Ceftazidime

モダシン

1g 6−8時間毎

Cefeperazone/sulbactam

スルペラゾン

2g 12時間毎

Cefepime

マキシピーム

1g 8時間毎 (発熱性好中球減少症および緑膿菌感染では2g 12時間毎)

Aztreonam

アザクタム

1g 6-8時間毎

Imipenem/cilastatin

チエナム

0.5g 6時間毎

Meropenem

メロペン

Vancomycin

塩酸バンコマイシン

患者の実際の体重(Actual body weight)で 15mg/kg 12時間毎で開始、5ドーズ目以降Therapeutic drug monitoring (TDM)で投与量調整
目標血中濃度:    Peak: 20-50  (μg/ml)
Trough:10-15 (μg/ml)

Tobramycin

トブラシン

1日1回法での投与
患者のIdeal body weightで 5mg/kg 24時間毎で開始、2ドーズ目以降TDMで投与量調整
目標血中濃度:
Peak 15-25μg/ml
Trough <1 μg/ml
※分割法での投与は別項を参照

Gentamicin

ゲンタシン

Amikacin

ビクリン

1日1回法での投与
患者のIdeal body weightで 15mg/kg 24時間毎で開始、2ドーズ目以降TDMで投与量調整
目標血中濃度:    
Peak 55-65μg/ml
Trough <1 μg/ml
※分割法での投与は別項を参照

Minocycline

ミノマイシン

100mg  12時間毎

Erythromycin

エリスロシン

500mg  6時間毎

Clindamycin

ダラシンS

600mg  8時間毎

Ciprofloxacin

シプロキサン

300mg 12時間毎

Sulfamethoxazole
/Trimethoprim

バクトラミン

Pneumocystis jiroveci pneumonia ⇒ Trimethoprim として5mg/kg 6-8時間毎 (参考:1アンプルには80mgのTrimethoprimが含まれている)

グラム陰性桿菌などによる全身性感染症⇒
Trimethoprim として5mg/kg 12時間毎 

 

抗真菌薬

商品名

処方量

Fos-fluconazole

プロジフ

初日800mg 1回⇒ 2日目より400mg 24時間毎

Micafungin

ファンガード

Candida:   150mg 24時間毎
Aspergillus: 300mg 24時間毎

Voriconazole

ブイフェンド

Loading 6mg/kg 12時間毎 2回投与
その後 3-4 mg/kg 12時間毎

Amphotericin B

ファンギゾン

0.5-1 mg/kg 24時間毎(もしくは24時間持続投与)
Zygomycetesに対しては 1-1.5 mg/kg 24時間毎の使用を考慮

感染診療の手引き ©2006 Norio Ohmagari.