ポイント: ノート:「初期治療は単剤がよいか、併用がよいか?⇒ 本手引きは「臨床情報から細菌性肺炎・非定型肺炎の区別が可能であれば、併用の必要はない」という立場をとる。詳細は次頁参照 |
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起因菌 |
初期治療 |
1) 細菌性肺炎 |
Ampicillin/sulbactam 1回1.5 g 6時間毎静注 グラム染色で肺炎球菌間違いなし⇒ |
2) 非定型肺炎 |
Minocycline 1回 100mg 12時間毎静注 |
3) 誤嚥性肺炎 |
Ampicillin/sulbactam 1回 1.5 g 6時間毎静注 |
リスクファクターと市中肺炎起因微生物の関係
「初期治療は単剤がよいか、併用がよいか?」
欧米のガイドラインでは初期治療として抗菌薬併用が勧められているが、一方で下記のような知見も揃ってきている。当マニュアルでは「臨床情報から細菌性肺炎・非定型肺炎の区別が可能であれば、併用の必要はない」という立場をとる。ただし重症例はこの限りではない。
ポイント:
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起因菌 |
初期治療 |
S. pneumoniae |
Ceftriaxone 1回1g 12時間毎静注 |
ポイント:
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起因菌 |
初期治療 |
Klebsiella pneumoniae MRSA Peptostreptococcus Legionella pneumophila |
入院4日以内発症で、緑膿菌保菌歴なし |
入院5日目以降発症もしくは、複雑な背景因子あり
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注意が必要な場合 MRSA感染 |
ポイント:
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起因菌 |
初期治療 |
Microaerophilic streptococci Klebsiella pneumoniae |
Ampicillin/sulbactam 1回1.5 g 6時間毎静注 培養結果によってはPenicillin G で治療可能な場合あり |
ポイント:
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起因菌 |
初期治療 |
Pseudomonas aeruginosa Microaerophilic streptococci |
注意⇒複雑な背景を有する患者は抗菌薬耐性菌の保菌率が高いため、抗菌薬の選択時には必ず過去の培養結果を参考にする |