2. 3. 症例評価とプランの立案
【Assesment】
- 問題を早くからしぼれる場合もあるが、そうでない場合も多い。
- そのような時は、患者の有する臨床的問題点(症状、検査所見、身体所見)をプロブレムリストに列記する⇒ この内容は、毎日診ていく中で磨いていって、数個の臨床感染学的問題点にまとめ上げればよい。
- 次に病態の議論を行う
- まずは病歴や身体所見などから、患者の問題が感染であるかあるいは非感染性疾患であるかを判断する。しぼりきれない時は共に可能性があるものとして鑑別診断に記載する
- 感染が疑わしい場合には、まず患者のどの臓器系統に感染が起きているのかを記載する。できるだけSpecificに記載するのがポイント。
例
- 腹腔内感染(腹腔内膿瘍)
- 呼吸器感染症(肺炎)
- 尿路感染症(腎盂腎炎)
- 中枢神経感染症(髄膜炎) など・・
- 次に微生物学的鑑別診断をあげる。感染を起こすのは細菌ばかりではなく、真菌やウィルスのこともあるし原虫や寄生虫のこともあるので、それらの可能性がないかどうかを綿密に検討する
【Plan】
- まず、今後の確定診断に必要な検査方法等を記載する(Diagnostic plan)
- 次に今後の治療について計画を記載する(Therapeutic plan)
- 抗菌薬治療
- 生物製剤投与(ワクチンなど)
- 手術
- Intervention など
- 患者によっては社会的な問題の解決も必要。これについても計画を立てる(Social plan)
感染診療の手引き ©2006 Norio Ohmagari.