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アメリカからの帰国時の各種手続き

■ 銀行口座を残すか閉じるか

帰国後も最終月のユーティリティの支払いを小切手でおこなわなければならないことを考えると、帰国後もしばらくは銀行口座を残しておくと便利です。アメリカの金利は以前に比べればだいぶ安くなりましたが、それでも日本の金利よりははるかに高いので、そのままアメリカの銀行口座を維持することは悪くないかも知れません。なお、利子については非居住者ということで特定の書類を提出すれば非課税のようです(要確認)。もし、銀行口座を閉めてしまったあとに小切手が必要になった場合には、郵便局で国際為替を作るといいでしょう。

銀行口座を残す場合も、帰国前に必要な手続き、帰国後の手続きについて調べておく必要があります。私が調べた範囲では、帰国前に必要な手続きは住所変更だけでした。帰国前後に諸費用がかさむせいで、銀行口座の残高が減ると予想されたので、minimum balanceの小さなタイプに切り替えておきました。帰国後もオンラインバンキングやテレフォンバンキングは使えます。実際、何回か帰国後にオンラインバンキングを使いましたが、大丈夫でした。ただし、Bank of Americaの場合、3ヶ月間オンラインバンキングを使用しないと利用できなくなってしまうので、時々checkingからsavingへのtransferなどをおこなっています。また、毎月のstatementもちゃんと日本まで送ってくれています。なお、通常テレフォンバンキングで使う1-800番号は日本からは使えませんから、ローカルの電話番号を聞いておきましょう。

帰国後に口座を閉めるための方法ですが、私が利用していたBank of Americaは、帰国後に手紙を送ることで、口座の解約が出来、残金をBank checkで送ってくれるとのことでした。その際、残高が$5000以下なら1つのIDのコピー、$5000以上なら2つのIDのコピーを同封するようにいわれました。もちろん、学会などで立ち寄って口座をしめるというのも一つの方法です。

また、一定期間、取引がないと口座が解約になったりするようですから、オンラインバンキングなどを利用して、時々Transferなどをする必要があります。

なお、私が口座を持っているBank of Americaでは、海外の住所宛に毎月のStatementの他、期限が切れた場合ATMカード(デビット機能付き)を送ってくれます。毎月のStatementは海外宛にも送ってくれるところが多いようですが、ATMカードに関してはセキュリティ上の問題があるので、海外宛には郵送してくれないという銀行もあるそうです。このようにアメリカ国外に住んでいる場合の手続きについては銀行によって扱いが異なるので、帰国前によく聞いておいた方がいいでしょう。ただ、私もそのへんの手続きのことについて銀行の支店に行って聞いてみたのですが、銀行員によって言っていることが違っていたりしてかなり不安になりました。

あと、先日、小切手がなくなりそうだったので、電話で日本宛に小切手を送ってもらうように依頼しましたが、これもまったく問題ありませんでした。日本の住所が印刷された小切手が依頼してから1週間もたたないうちに日本の住所に届けられました。郵送料もアメリカ国内のものより数ドル高いだけでした。

読者の方からの投稿ですが、日本からチェックを郵送することにより、Bank of Americaの口座にデポジットすることも可能だそうです。デポジットスリップをチェックと同封するか、チェックに口座番号を裏書きすればデポジットできるとの説明を銀行から受けたそうです。帰国前に、送り先(口座のある支店宛て)の印刷してある封筒を銀行からもらっておくと便利なようです。

■ 郵便物の転送依頼

郵便局に転送依頼をすると、1年間郵便物を転送してくれます。転送先の指定のフォームは郵便局においてあるMover's Guideという小冊子についています。また、USPSのウェブサイトで指定することも可能です。

転送先には米国以外の住所を指定することも可能です。私は、日本の住所を指定してフォームを郵便局の窓口にもっていった際、窓口の係官に「日本へは転送できない」と言われましたが、supervisorに聞いてもらって、海外へも転送できることを確認しました。帰国後、1週間ほどで、アメリカの住所に届いた郵便がちゃんと転送されてきました。日付を見てみるとだいたい1週間くらいで転送されてきています。以前、どこかで転送は1ヶ月くらいかかると聞いていましたので、なかなかアメリカの郵便局も優秀だと感心しています。でも、全部の郵便がちゃんと転送されているという保証はありませんが、、、。

そういえば、ユーティリティの最終月の請求書は同じアパートに住む友人宛に送ってもらうように頼んでいたのですが、郵便配達人が気を利かせたのか、その友人宛に郵送されてきた請求書を部屋番号が間違っていると判断して、わざわざ日本まで転送してくれました。私の部屋は1階でポストの前だったので、いつもうちの息子が郵便配達人に声をかけて、顔見知りになっていたからかも知れません。

なお、転送の開始日は自由に設定できます。研究留学メーリングリストの参加者の一人の方は、帰国する数週間前から転送をはじめて、ちゃんと自分のポストに入らずに日本に転送され始めるのを確認した方がいいとおっしゃっていましたが、そうすると請求書などはまだアメリカにいるのに日本に転送されてしまうので、私はアパートを出る日から転送を開始してもらいました。

■ 各種ユーティリティ解約の通知

帰国前の事務手続きで気が重いのは各種ユーティリティの解約通知です。ただ、実際にやってみると、ほとんどのものは電話でできますし、開設と違って、解約の場合は、解約したいということを伝えて、解約日と最後の請求書の送り先を指定するだけです。渡米直後と違って、英語の問題も少ないでしょう。トラブルを避けるためにConfirmation numberをもらっておくのがいいようです。

ユーティリティには、あらかじめ数週間前から解約日を指定して解約できるものもあれば、解約を通知してしまうと当日または翌日に解約されてしまうものもあります。私の経験では、電気、水道、ローカル電話、ケーブルテレビ、携帯電話、自動車保険などは解約日を指定して解約できましたが、長距離電話、インターネットプロバイダなどは当日または翌日の解約しかできませんでした。

解約に際してひとつだけ困ったことがありました。実は、私が加入していた携帯電話やEarthlink ADSLなどは最低でも1年間の加入が条件になっていて、1年未満で解約する場合高いEarly Termination Feeを取られるのです。携帯電話、ADSLともになんと$150も取られるとのことでした。1年間が経過するまであと数ヶ月でしたので、あえて解約せずに、1年間たった時点で解約する(そうすれば、わずかに安上がりになる)というのも一つの手だったのですが、日本に帰国してまで、アメリカのカスタマーサポートとやり合うのはイヤだったので、$150払って帰国前に解約しました。割安のプランでは最低1年間加入が条件となっているものが結構多いようなので、契約の時は気をつけてください。

Earthlink ADSLは帰国時に解約したつもりだったのですが、いつまでたってもメールアカウントにアクセスできるので、まさか料金が請求されるのではないかという不安があったので、ちゃんと解約されているか確認することにしました。ただ、問題が一つあって、Earthlinkではメールでは解約ができず、電話をする必要がありました。しかし、電話番号が1-800しかなくて、日本からだと電話が出来ないのです。どうしようかと思い、Earthlinkのウェブサイトを隅から隅まで見てみると、Earthlink Chatというのがあって、カスタマーサポートとチャットが出来、解約も可能とのことでした。チャットなどやったこともなく、しかも英語でのチャットということで、ちょっと不安がありましたが、これしか方法がないので、トライしてみました。はじめは、向こうのタイプに負けずにすばやくタイプしようと焦りましたが、よく考えたら、別にゆっくり書き込めばいいわけで、spokenよりwrittenの方がまだましな私の英語力にはうってつけで、すんなり手続きできました。結局、何かの手違いで、解約にはなっているが、popサーバーのアカウントだけ残っていたようです。チャットを終えてまもなくすると、popサーバーへのアクセスも出来なくなっていました。というわけで、Earthlinkをご利用の方は、チャットによるカスタマーサポートはなかなかおすすめです。

■ 最終月の請求書をどうするか

Utilitiyの多くは、アメリカを離れる際には最終月の料金が決定していないので請求書が届くのがアメリカを離れた後になります。私の場合、ケーブルテレビは契約を止める日付を申し出た際に、「日割りで○○ドルになるので、前月分の支払いの際に加算してはらってもいいよ」と言われました。でも、他の電話や電気、水道は使用量が確定していないので、請求書はアメリカにいる間には届きません。請求書を日本に送ってくれないケースが多いようなので、友人の家などに請求書を送ってもらうようにして、友人に支払いをお願いするという方法をとる方が多いようです。

郵便局に引っ越し後の転送先を日本の住所に指定しておけば、最終月の請求書も日本に転送されますので、日本から小切手を送るというのも一法です。ただし、日本へ転送される際のタイムラグによって、支払い期限に間に合わない可能性もあります。また、日本への転送がどの程度信頼が置けるものなのかもわかりません。

私は日本への転送は1ヶ月くらいかかるものだと思っていましたので、最終月の請求書は友人の住所を指定して、白紙の小切手を預けて、支払いをお願いするという方法をとりました。ただ、以前述べたように、日本への転送がきちんとおこなわれるのであれば、全部日本に転送して、自分で支払いをするというのもいいのかも知れません。また、Utilityによっては銀行からの自動引き落としに応じてくれる場合もありますので可能ならそうしたほうがいいでしょう。

今、振り返って考えてみると、友人に小切手の支払いを気軽に頼んでしまったのですが、実際には結構迷惑をかけてしまったようで、反省しています。アメリカから日本への転送は1週間程度でおこなわれているので、それを利用して、自分で日本から送った方がよかったかなと思っています。

また、シアトルにお住まいの読者の方からの投稿によれば、QwestとAT&T Broadband (現在Comcast) では日本の住所に最終請求書を郵送するように手続きすることができるそうです。

■ 国際免許証をAAAで取得

日本の免許証が失効していて、帰国後すぐに車を運転する可能性があるときはアメリカの運転免許証から国際免許証を作っておくとよいでしょう。アメリカの国際免許証はAAAが発行してくれます。料金は$10 plus tax。AAAメンバー以外でも作成可能です。作るときには、アメリカの運転免許証とパスポートサイズの写真が2枚必要ですが、写真はAAAでも撮影可能です。写真の撮影料はメンバーと非メンバーでは違うようでした。

参考:http://www.aaawa.com/ontheroad/IDPinfo.htm

アメリカで作る国際免許証は、右の写真のように日本で作る国際免許証と外見上は非常によく似ています。

失効していると結局は1ヶ月以内に、失効手続きを取って新しい免許証を得ないといけないわけですから、はたして、国際免許証を取っておく必要があるのかどうかは?です。

■帰国時

●別送品の手続き

帰国時に忘れてはいけないのが『携帯品・別送品申告書』。

船便または航空便で荷物を送った場合は、日本に帰国の際、税関で『携帯品・別送品申告書』を2通提出する必要があります。用紙は引っ越し会社からもらえるほか、機内でももらえますし、税関にもおいてあります。2通を税関に提出すると1通に税関が確認印を押して返されます。これを引っ越し会社に提出して通関をしてもらいます。クロネコヤマトの場合は成田の税関を出た、左側に窓口があるので、そこに提出します。

意外と簡単な申告書で、『5. 別送品の有無』に別送した荷物の個数を書き込むだけです。荷物の個数は実際に送った数より少ないのは問題ですが、多い分には構わないそうです。ですから、少し多めに書くのがいいとのことです。なお、帰国後6ヶ月間は別送品として認められるようですから、多めに書いて、別送品扱いするという裏技もあります。

別送品申告書

なお、携帯品・別送品申告書を税関で提出し忘れるとかなりやっかいです。『別送品』は免税枠や簡易税率の適用を受けられますが、携帯品・別送品申告書がないと一般の貿易貨物と同様の輸入手続きが必要となり、より多くの関税がかけられます。ただ、抜け道はあって、忘れた旨の報告書を税関長宛てに出して許可をもらえれば、『別送品』として扱ってもらえます。ただ、最終的な許可が出るまで一切通関作業は始まらないので、手元に荷物が届くのが遅くなります。

更新記録

●2002年6月26日:新規掲載

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