home
MENUPREVNEXT

モーターホームの旅のすすめ

振り返れば、家族を3年間アメリカの他の街へ連れて行くことは一度もなく、せいぜい車で数時間のところにしか連れて行っていませんでした。小さな子供を抱えていると飛行機の長旅というのはできれば避けたいという気持ちがありました。

実は、前々から夫婦の間で抱いていた夢は、広いアメリカをでっかいモーターホーム(キャンピングカー)で旅行したいというものでした。ちょうど、2001年の夏に妻の母、叔母が遊びに来ることになっていて、おそらく、2001年の夏がアメリカ最後の夏になる可能性が高いというのもあり、おもいきってモーターホームで旅行することにしました。行き先は、カナディアンロッキーにしました。

しかし、当然のことながら日本でもモーターホームなど乗ったこともなく、わからないことだらけでした。でも、モーターホームで過ごした1週間は私たち家族にとって忘れられない楽しい思い出になりました。

モーターホームにのって、家族で国立公園をまわるというのは、まさにアメリカならではの旅です。モーターホームのことをよく知らなくて尻込みしている方もいるかと思いますので、ここでは、モーターホームに関する基礎知識を提供したいと思います。

■モーターホームの基礎知識

Class-Cと呼ばれるタイプのモーターホームです。

  

まずは、あちこちのwebサイトをのぞいて、モーターホームの基礎知識を付けました。よくできているのは、American FreewayMotorhome Drivingです。

モーターホームと一口に言っても様々なタイプがあります。こちらにあるように、

  • トラベルトレイラー:自家用車などに牽引されるタイプ
  • T-Class(キャブオーバータイプ):ピックアップトラックの荷台に居住部分を載せたもの
  • C-Class(スタンダードタイプ):パッセンジャー版を改造したもので、一番よく見かける。
  • A-Class(バスタイプ):中型バスを改造したもので、一番大きい。

があります。トラベルトレイラーやT-Classというのはレンタルされることは少なく、一般的にレンタルされるのはC-ClassかA-Classです。A-Classはまさにバスを運転してるという感じになるので、もっとも一般的なのは、C-Classということになります。

C-Classの大きさは20フィートから30フィートくらいですが、車内にはベッドが2-5個くらいあり、30フィートの大きさのものであれば、大人と子供あわせて8人くらいが泊まれます。キッチンはもちろん、冷蔵庫、シャワーなどが通常装備されています。ものによっては、電子レンジやテレビなどもついています。また、上水道を取り込むホース、電気を取り込むコード、ケーブルテレビのケーブル、下水道を流すホースがついていて、キャンプ場にはこれらをつなぐフックアップが用意されています。これらをつなげれば、水や電気が自由に使えることになります。つなげないでも2日程度であれば、タンクにためた分の上水道と、ガソリンを使った自家発電は使用可能です。

実際に、モーターホーム専用のキャンプグランドをまわってわかったことですが、旅慣れた人たちは、トレーラータイプのものを自家用車で引っ張ってくるか、Class CやClass Aの後ろに自家用車をつなげて、ひぱって来ていワす。一度、キャンプサイトに着いてしまい、フックアップをつけてしまうと、またモーターホームを動かすのは結構面倒で、近場にちょこっと出かけられる普通車があると便利です。

■モーターホームを借りる

さて、問題はどこでモーターホームを借りるかですが、アメリカでモーターホームのレンタル会社としては、Cruise Americaというのが最大手であることがわかりました。Cruise Americaのレンタル事務所はシアトル近郊ではEverett, Issaquah, Tacomaにありました。また、Seattle市内にはないものの、となり街のLynwoodなどにはモーターホームのレンタル会社があることがわかりました。

私達は、モーターホームの大きさや中の様子を全く知らなかったので、一度見学させてもらって、大人4人、子ども1人に最適な大きさのものを予約しようと考えました。まずは、一番家から近い(家から20分)と思われるwestern motorhome rentalsというLynwoodにある会社を訪問しました。

実際にモーターホームを見せて欲しいと頼むと自由にどうぞとのこと。いろいろ見てみると、ゆったりと大人4人が寝るには27フィート以上の大きさのものが必要だとわかりました。夫婦2人で子供2人くらいなら20フィートのもので十分そうです。27フィートのものを8日間借りて、カナディアンロッキーまで往復する場合の値段を見積もりしてもらうと、なんと$2,500。飛行機で行って、向こうでレンタカーを借りてホテルに滞在するのとあまり変わらなくなってしまいます。とりあえず、仮おさえだけして、格安だと友人に紹介してもらったレンタル会社に向かいました。こちらは、モンローという我が家から小1時間はかかる田舎町にありました。このモーターホームのレンタル会社はAll Season Recreation という会社、というか、実際には家族で経営していました。はじめ、ホームページにのっている住所に行っても会社らしきものは見つかりませんでした。あきらめて、別の日に電話をして見に行ったのですが、実は、ホームページに載っていた住所は、自宅の住所で、少し離れた駐車場に10台あまりのモーターホームを保管していました。

個人が経営しているのですが、保有しているモーターホームは比較的年式が新しく、いくつか気に入ったものが見つかりました。特に、ひとつの30フィートのモーターホームは、後部にベッドが2つ並んでおり(二段ベッドになっているものが多い)、義母と。また、テレビが付いていて、長期間ドライブでも息子が飽きないだろうし、シャワーにきちんと浴槽がついていたので、これを借りることにしました。99年式のCoachmanという車種で、7人乗りです。

■モーターホームの内部と費用

これが実際に借りた30フィートのモータホームです。日本の路線バスと同じくらいの大きさがあります。

後部の2つのベッド

かなりゆったりとしたソファ。大人が7人座れる。たたむとベッドが2つ登場する。

キッチン。

私たちが借りた99年式のCoachmanという車種についてくわしく紹介します。

この車種はいわゆるClass Cといわれるタイプですが、30フィートのものとなるとClass Cの中でも最も大きいものになります。日本の路線バスがだいたい全長10メートルですから、路線バスと同じ大きさということになります。

定員は7名ということになっており、後部に2つのシングルベッドが固定されており、前部にはソファを折りたたむと2つのシングルベッドが登場し、さらに運転席の上部に1つのベッドがあります。

キッチンはコンロが4つついていて、オーブン、電子レンジまでついています。冷蔵庫もかなり大きなサイズのものがついています。

洗面所、トイレ、シャワーがあり、きちんと浴槽もついているので、お湯をためることも可能です(実際には、あまり熱いお湯が出ないので、ためることはありませんでした)。

テレビとビデオがついています。屋根に結構大きなアンテナがついているほか、ケーブルテレビのフックアップがついているので、ケーブルテレビのケーブルが来ているキャンプサイトではケーブルテレビを見ることが出来ます。

レンタル料金ですが、私が借りた99年式Coachmanの場合、基本料金が夏期の繁忙期で、1日$140、1週間$925です。さらに、距離に応じたお金がかかります。1マイルあたり29¢ですので、1500マイルと見積もると、基本料金とあわせて、8日間で、約1500ドルということになります。大手のレンタカー会社で借りるのに比べると1000ドル近く安く、格安です。

なお、自分で持ち込むことも可能ですが、毛布やシーツなども貸してくれます。Personal kits (sheets, towels, blanks, pillows, etc.) として1人分35ドルです。また、Kitchen kits (pots, pans, dishes, silverware, etc) も45ドルで貸してくれます。私たちは人数分のPersonal kitとKitchen kitを借りました。

その他、1日2時間を超えるジェネレーターの使用は時間あたり4ドル、また、返却時に清掃をしないと時間あたり50ドルの清掃費用をとられます。

私たちは、最終的にガソリン代をのぞいて、約2000ドルをレンタカー会社に払いました。

■モーターホーム用キャンプサイト

上水道、下水道がどのくらい残っているのかのインジケーター

下水だけを所定の場所に行って捨てている様子

モーターホームを借りれば、道ばたでも寝られるというわけではなく、キャンプサイトに泊まる必要があります。もちろん、普通のキャンプサイトではなく、モーターホーム専用のキャンプサイトです。

モーターホーム用のキャンプサイトは、大きなモータホームが止まれるようになっているほか、フックアップというのがついています。フックアップには、電気、上水道、下水道などがあり、この3つが設置されているものはフルフックアップといいます。キャンプサイトによっては、電気だけだったり、電気と辮?ケだけで、下水は、所定の場所に行って捨てるというところもあります。もちろん、モーターホームは上水道をため込み、排水もため込むことが出来ますし、電気はガソリンを使ってジェネレーターで作ることが出来ますので、2日くらいであれば、補給する必要はないのですが、ジェネレーターを回すとなると、とてもうるさいですし、やはりフルフックアップがついているところの方が便利です。

また、キャンプサイトといっても、プールなどの様々なレクリエーション施設がついているところもあり、子供がいる場合にはそのようなサイトを選んだ方がうまく長旅をこなせます。

多くのキャンプサイトは予約が可能ですが、カナディアンロッキーの国立公園内のキャンプサイトはfirst come, first serve(先着順)になっていて予約が出来ません。夏の観光シーズンは夕方4時くらいには人気のあるサイトは埋まってしまうようなので、なるべく早い時間に到着するように旅を計画しないといけません。

キャンプサイトを探す場合には、AAAのcampbookというのが役立ちます(メンバーであれば請求すればもらえます)。アメリカとカナダのキャンプサイトが網羅されていますので、これを見て、電話で予約をします。料金はフルフックアップのところで、だいたい20-30ドル程度です。

今回の旅では、1日でカナディアンロッキーに到着することは不可能だったので、行き帰りにそれぞれ1泊ずつ途中で泊まることにしました。友人からKOAというキャンプサイトのチェーンがいいと聞いたので、行きはSalmon ArmのKOAに帰りはOliverのKOAに予約を取りました。KOAのキャンプサイトは確かに、きれいな上、プールなどがついていて充実した施設でした。

以上で、モーターホームに関する基礎知識は終わり。実際の、カナディアンロッキー・モーターホームの旅はこちらをどうぞ。

更新記録

●2003年4月30日:新規掲載

home
MENUPREVNEXT