2008.03.31

本の紹介「理系のための口頭発表術」

「理系のための口頭発表術 (ブルーバックス 1584)」

著者:R.H.R. アンホルト、鈴木 炎、I.S. リー、出版社:講談社(2008/01/22)、ASIN:4062575841、価格:¥ 924(税込) 【amazon.co.jp】【bk1】【楽天ブックス

10年あまりにわたって、アメリカで学生や研究者向けのプレゼンテーションのバイブルである"Dazzle'Em With Style. THe Art of Oral Scientific Presentation"の日本語訳。

「口頭科学発表は、単なるノウハウやコツではなく、努力して習得する専門技能なのである」と書いてあるように、この本はプレゼンテーションのノウハウも紹介よりも、プレゼンテーションの論理展開や、科学的論理思考について力点が置かれている。

翻訳者のつとめる富山大学では、原著を教科書として採用しており、半年のトレーニングで、学生のプレゼンテーション能力は飛躍的に向上するということだから、ブルーバックスで値段も安いし、読んでおいて損はない一冊。


2007.12.21

下手なプレゼンテーションに学ぶ「 How NOT To Use Powerpoint」

デジタルプレゼンテーション全盛時代。どうすれば、プレゼンテーションが上手になるのか?ひとつの方法は、上手な人のプレゼンテーションを見て研究することです。希代のプレゼンテーション名人といえば、Apple社のCEO、スティーブ・ジョブズです。年数回行われる、彼のプレゼンテーションはAppleファンならずとも、多くの人が魅了されます。彼のプレゼンテーションは、画像が効果的に使われているが、文字が少なく、ほとんどの情報はスティーブ・ジョブスの口から伝えられることが特徴です。そのまま、学会発表のプレゼンテーションに応用できるわけではありませんが、学ぶことが多いです。

上手なプレゼンテーションを見るのもよいのですが、下手なプレゼンテーションを見ると、学ぶことがもっとあります。いわゆる、反面教師というやつです。残念ながら、堂々と下手なプレゼンテーションを公開している人はいないのですが、Don McMillanというコメディアンは「 How NOT To Use Powerpoint」というネタで、「最悪のPowerPointプレゼンテーション」ともいうべき悪い見本を披露しています。これがなかなかおもしろい。

というわけで、彼が、「悪い見本」としてあげているのは、
 ・話す内容をすべて書き込んだスライド
 ・誤記、脱字だらけのスライド
 ・ビュレット(箇条書きの先頭に置く記号)を使い過ぎのスライド
 ・色使いのおかしなスライド
 ・枚数が多すぎるスライド
 ・盛り込む内容が多すぎのスライド
 ・アニメーションが多用されたスライド
 ・適切でないフォントが使用されたスライド
あくまで笑いのネタなのですが、さすが、元IBMのエンジニアであり、これが、なかなか的をついているのです。

さて、「医学のあゆみ」で月1で連載させていただいていたコラム「電脳道具箱」が今回の第10回で、ひとまず終了することになりました。第10回目は「これだけは守りたいプレゼンテーション10の原則」で、Don McMillanのネタも取り上げさせていただきました。本文は1月中旬発売の「医学のあゆみ」に掲載の予定です。「電脳道具箱」の10回のコラム、なかなか筆が進まず、編集の方にもご迷惑をおかけしましたが、自分としては内容の濃い物になったと思っています。年明けにでも、少しずつ当サイトで公開していこうと思っています。

2007.11.17

大判一枚刷りポスター入れる筒

Hypoxia Research::blogの「大判一枚刷りポスター」のエントリーにお応えして、、、。

私は、海外の学会の時であっても、往路では、ポスターは絶対に預け荷物にせず、機内持ち込みにしている。これは、昔から師匠にきつく言われていることで、スライドで発表していた時代は1コピーを機内持ち込み荷物に入れ、1コピーを同僚に預ける念の入れようだった。理由は、基本的に航空会社の預け荷物を信用していないから。私は被害にあったことがないが、同僚などを見ていると、20回に1回くらいは、預け荷物がターンテーブルに出てこないという事故があるように思う。

ポスターの筒は長いので、セキュリティで、何か言われるかと思っていたが、特に聞かれることもなかった。周りにも機内持ち込みにしている人が多かった。

もちろん、復路は、預け荷物にしている。

ポスターを印刷する素材として、紙以外に、布を使うことも出来る。布の場合、折りたたむことが出来るので、筒が不要で持ち運びが簡便である。でも、欠点は、鮮明さという点では、紙に比べて劣ると言うこと。テキストと表とグラフであれば、問題ないが、病理や組織の写真をのせるとなるとちょっと厳しい、というのが私の実感で、私のポスターには病理や組織の写真がたくさんのることが多いので、私は布を選択したことはない。

2007.11.16

大判一枚刷りポスター作製メモ

先日のアメリカの学会では、久しぶりに自分でポスター発表する機会があった。「一枚刷りポスターに挑戦」などというページも書いているくらいなので、もちろん、大判一枚刷りのポスターを作った。

今回のポスター制作にあたり、Adobe Illustrator CS3をインストールした。Intel iMacではむちゃくちゃ操作が軽快。Intel Macを使っていて、CS3にアップグレードしていない人は是非ともアップグレードすべきだと思う。レイアウトに関しては、だいたいいつものような感じでやってみた。今回はA0判で作製した。

出力センターはいつものことながら東京リスマチックでお願いした。年中無休で24時間開いていて、本当に頼りになる。夜、仕事帰りに立ち寄ってファイルを預けると(web経由での依頼も可能)、次の朝通勤の途中でピックアップできる。実際には、2時間くらい待てば刷り上がる。

紙の種類とインクのタイプの選択肢が多すぎて、いつも迷ってしまう。前回、どの紙を使ったか忘れていたのだが、「以前の注文は調べられますよ」と言われて、調べてもらった。前回は、水性染料タイプでマット紙に印刷してもらったとのこと。実際にサンプルも見せてもらったのだが、サンプルの粒状感が目立るように感じたので、今回は水性顔料タイプでマット紙に印刷してもらった。A0判印刷で10000円、トンボカット料金が400円。消費税あわせて合計10920円だった。出来上がりはこんな→感じ。

東京リスマチックでは、できあがったポスターは紙製の堅い筒で渡してくれるので、そのまま持ち運べるのだが、取っ手やひもがついていないので長旅はちょっと厳しい。私は、伸縮するステッドラー・アートチューブを愛用している。軽くて丈夫なうえ、図面の大きさに合わせて長さが15段に調節でき、最大960mmの大きさの図面まで収納できる。残念ながら、B0判はぎりぎり入らないので、今回はA0判で印刷することになった。国内ではB0判がはれるようなポスタースペースを提供している学会は少ないが、海外では、結構ゆったりしたスペースがある。今回の学会は、B0判でもまだまだ余裕な感じだったので、やっぱりB0判で作ればよかったなと言う印象。

今回の学会では、大判一枚刷りポスターが非常に多くなったという印象を受けた。ざっと、数を数えてみたら、約6割が大判一枚刷りポスターだった。日本からの参加者も筒を持っている人が多かった。

Illustratorでの大判一枚刷りのポスター作製の方法について、医学のあゆみの連載にまとめてみた。1ヶ月後くらいに掲載される予定なので、チャンスがあれば見てください。

2007.05.26

学会のコンピュータにKeynoteがインストールされていた

学会発表、無事終わりました。学会のプレビューセンターで接続チェックをしたのですが、学科以上のMacにはKeynoteがインストールされていて、Keynoteを使ってプレゼンテーションしている人も少ないながら、ポツポツいるとのことで、来年からは大手を振ってKeynoteを使えそうです。

2007.05.25

Keynoteで作ったプレゼンテーションで学会発表するときの問題点

私の場合、プレゼンテーションをするときに使うソフトウェアはKeynote9割、PowerPoint 1割という感じです。

学生、研修医向けのスモールグループでのプレゼンテーション、研究室内での発表はすべてKeynote。学外での発表でも、講演、ワークショップ、シンポジウムでの発表はKeynoteでおこなっています。ただし、10分程度の口頭発表は別。私が参加する学会は今のところ、MacもOKということになっています。ただし、Macの場合は自分のコンピュータを持ち込むというケースがほとんど。ですから、プレゼンテーションソフトは何を使っても問題はないのですが、10分程度の口頭発表の場合は、スケジュールが詰まっており、何かトラブルがあると迷惑をかけてしまうので遠慮していました。

今回数年ぶりに、10分程度の口頭発表をすることになったのですが、Keynoteでのプレゼンテーションでおきうるトラブルシュートにも慣れてきたので、今回はKeynoteで発表することにしました。

さて、PCでの学会発表の時には、私もかなり慎重にバックアップを用意します。考えられるトラブルで最悪のケースは「会場に運んだパソコンが壊れてしまう」というものです。そのようなトラブルに備えて、私は、プレゼンテーションファイルをUSBメモリに入れて持ち込むことにしています。PowerPointの場合であれば、学会場のPCにUSBメモリからプレゼンテーションファイルをコピーすればよい(ただし、会場のコンピュータがWindowsしかない場合は、Mac PowerPointで作ったプレゼンテーションはデザインが崩れてしまうこと必発)のですが、Keynoteの場合、学会場のコンピュータにKeynoteがインストールされていることはほとんど期待できません。

Keynoteには、プレゼンテーションファイルをPowerPoint形式に変換する機能がありますが、変換は完璧ではなく、デザインのくずれが生じます。実際には使い物にはなりません。そこで、私は、KeynoteのファイルをPDFで書き出して、そのPDFファイルをバックファイルとして持ち込むようにしています。KeynoteファイルからPDFファイルへの変換はほぼ完璧です。難点はアニメーションを使えなくなるということですが、そもそも10分程度の口頭発表でアニメーションを使うこと自体御法度ですから、これは問題なし。Adobe Readerは学会場のコンピュータに、ほとんど入っていますから。いざとなれば、Windowsコンピュータでプレゼンもできます。Adobe Readerのフルスクリーンモードにすれば、PowerPointのプレゼンテーションと見た目は何も変わりません。

Windowsの場合でも、WindowsのバージョンとPowerPointのバージョンの組み合わせで、実は不具合が生じることが結構あります。そういう観点からすると、WindowsのPowerPointでプレゼンテーションする方も、バックアップとしてはPDFファイルに変換したものを持っていくのがよいのかもしれません。

2006.12.20

Microsoft Presenter 3000はMacで使えるのか?

MicrosoftからレーザーポインターつきリモコンPresenter 3000が発売されました。さっそく使ってみたいと思ったのですが、気になるのが、マイクロソフトのwebには、Mac対応とは書いてないこと。

でも、まあ値段もそれほど高くないので、人柱になることにしました。

このデバイスの最大の特徴は、プレゼンターモードとマウスモードが切り替えできると言うことでしょう。プレゼンターモードの時はスライドショーのページ送りができるレーザーポインタとして使えます。さらに、タイマーがついていて、残り2分になると本体が振動します。マウスモードに切り替えると十字キーで、マウス カーソルを操作することができます。コンパクトで、安っぽい感じもなく、多機能さを求めるのなら悪くないと思います。

さて、Presenter 3000がMacで使えるか調べてみました。

実はしょっぱなから問題が出てしまいます。レシーバーをUSBソケットに入れると、MacではPresenter 3000をキーボードとして認識してしまうようです。仕方がないので、適当にキーボードのタイプを選んで使うことになりますが、 プレゼンターモードの十字キーがうまく働きません。そのため、タイマーはきちんと使えません。ただし、プレゼンターモードのページ送り、戻りはMacのPowerPoint、keynoteとも使えました。もちろん、レーザーポインタは使えます。また、マウスモードの方はすべての機能が使えました。というわけで、Macでも使えるといえば使えますが、タイマー機能は使えないと考えた方がいいでしょう。

「Presenter 3000」

マイクロソフト(2006/12/08)、価格:¥ 6,351(税込)、ASIN:B000KC84TW 【amazon.co.jp

 


レーザーポインタ付きリモコン」という記事も読んでみて下さい。たくさんのレーザーポインタ付きリモコンのレビューが載っています。

2006.09.10

プレゼンテーションをスマートに始めるための方法

プレゼンテーションを始めるときには、コンピュータがプロジェクターに接続され、コンピュータ画面がスクリーンに映し出されたのを確認して、プレゼンテーションファイルをダブルクリックし、スライドショーを開始することになります。その間、自分のコンピュータのデスクトップが公衆の面前に大写しになりますが、これはあまり気分のいいものではありません。前の演者に引き続いてプレゼンテーションするような場合には、このような事態は避けようがないのですが、自分一人のプレゼンテーションや、休み時間あけの1番目の演者であれば、もっとスマートにプレゼンテーションを始めることができます。

プレゼンテーションの始まる前に、コンピュータを接続し、プレゼンテーションファイルを開き、スライドショーを開始しておきます。この状態で1枚目のスライドが映し出されることになり、この状態でスタンバイしておいてもいいのですが、よりスマートなのは、この状態で、BボタンまたはWボタンを押します。Bボタンを押すと画面がブラックアウトし、Wボタンを押すとホワイトアウトします。そして、演壇に立って、クリックをすると、一瞬で1枚目のスライドが映され、スマートにプレゼンテーションを始めることができます。特に、1枚目にインパクトのある1枚を持ってきたいという場合には、この方法はとても有効です。

また、プレゼンテーションの途中で質疑応答が挟まるような場合も、同様な方法で画面をブラックアウト(ホワイトアウト)させることができます。

PowerPointのスライドショー再生時に使えるショートカットキーの主だったものは覚えていると便利です。

次のアニメーションを実行、または次のスライドに進む N、return、page down、→、↓、enter、またはスペース バー (またはマウスをクリック)
前のアニメーションまたは前のスライドに戻る P、page up、←、↑、または delete
黒い画面を表示、または黒い画面からスライド ショーに戻る (カットイン/カットアウト) B または . (ピリオド)
白い画面を表示、または白い画面からスライド ショーに戻る (カットイン/カットアウト) W または , (カンマ)
スライド番号を入力して return を押す 指定した番号のスライドを表示
スライド ショーを終了 esc、z + . (ピリオド)、または - (ハイフン)

Keynoteの場合も小さな差異はありますが、PowerPointのものとだいたい同じショートカットが用意されています。

スライドショーを再生する Option+コマンド+P、またはツールバーの「再生」ボタンをクリック
スライドショーを最初から再生する Option+ツールバーの「再生」ボタンをクリック
次のビルドに進む クリック、N、スペースバー、Return、Page Down、→、↓、Shift+→*
前のビルドに戻る Shift+←*、Shift+Page Up*、または [(左かっこ)
次のスライドに移動する Shift+↓*、Shift+Page Down*、または ](右かっこ)
前のスライドに戻る P、Delete、Page Up、←、↑、または Shift+↑*
プレゼンテーションを一時停止して黒い画面を表示する B(再開するには任意のキーを押す)
プレゼンテーションを一時停止して白い画面を表示する W
スライドスイッチャーで特定のスライドに移動する スライド番号を入力
プレゼンテーションを終了する Esc、Q、またはコマンド+.(ピリオド)、または .(ピリオド)

2006.08.17

論文作成のテクニック〜論文作成のためのソフトの使い方

非常に興味深いwebサイトを見つけたのでご紹介します。「論文作成のテクニック」です。いわゆる「論文の書き方」を解説したのではなく、「論文作成のためのソフトの使い方」について解説されたものです。久留米大学の児島先生が書かれたもので、どこかの出版社に本にしてもらおうと思ったけれども没になったのでwebサイトに載せたとのことです。

ここで紹介されているテクニックはかなり興味深いものです。特に、Illustlatorの使いこなし方にかなりのページを割いており、とても参考になります。グラフ作成の際に、グラフ用紙に手書きしたものをスキャンしてIllustlator CSで描く、という方法には驚きました。ちなみに、題材として使っている論文がNature誌に採択されたものなので、さらに説得力があります。

児島先生が論文作成の際に使うソフトをまとめると、

  • 本文はMicrosoft Word X for Macで書く。
  • グラフはグラフ用紙に手書きしたものをスキャンしてIllustrator CSで描く。
  • 画像の取り込み調整はPhotoshop CSを使い、Illustlator CSに取り込んでレイアウト、微調整をおこなう。
  • FigureのレイアウトはIllustlator CSでおこなう。
  • 参考文献はEndnote 7を使って書き出す。
  • 本文のPDF化はMac OSXの機能である「PDFとして保存...」を利用。FigureのPDF化はIllustrator CSのPDF書き出し機能を使用。そして、Acrobatで一つのPDFファイルにまとめる。

となっています。

児島先生に習って、論文を作成する場合、私がどのようなソフトを使っているかをご紹介します。

  • 本文はMicrosoft Word 2004 for Macで書く。
  • 参考文献の書き出しはEndnote 9を使う。
  • グラフの作成はMicrosoft Excel 2004 for Macでおこない、Illustlator CSに取り込んでレイアウト、微調整をおこなう。
  • 画像の取り込み・調整はPhotoshop CSを使い、Illustlator CSに取り込んでレイアウト、微調整をおこなう。
  • Figureのレイアウトは以前はMicrosoft PowerPoint 2004 for Macを使っていましたが、最近はIllustlator CSを使っています。
  • 本文のPDF化はAcrobatを使っておこない、FigureのPDF化はIllustrator CSのPDF書き出し機能を使います。そして、Acrobatで一つのPDFファイルにまとめます。

私の方法は、児島先生の方法にかなり近いと思いますが、細かい部分では異なっている部分もあり、その辺に関しては、またの機会にご紹介したいと思います。

なお、細かいテクニックに関しては拙著「バイオ研究がぐんぐん進むコンピュータ活用ガイド」も参考になると思います。

2006.04.01

もんたメソッド

先日、紹介した「高橋メソッド」。意外と評判がよかったようです。

今日紹介するのは「もんたメソッド」。どんなプレゼンテーションなのかはbricklife.weblogのエントリーにあるQuicktimeムービーを見て頂くのが一番です。なぜ、もんたメソッドなのかも、すぐにわかると思います。

大笑いしました。

次の講義は、これでいきます。

2006.02.22

バリアフリープレゼンテーション法

色盲の人にもわかるバリアフリープレゼンテーション法は、研究者の中にもたくさんの色盲の方がいて、彼らにとって見にくいプレゼンテーションがいかに多いのかということを気付かせてくれました。

私自身著者の一人の方と長年一緒に仕事をしてきたのですが、彼が色盲であることには気がつきませんでした。この記事を読んだ後は、なるべく、色盲の方にも読みやすいプレゼンテーションを心がけてきたつもりですが、どの程度できているのでしょうか。

そんなこともあって、最近、色盲の方にも見やすいというグリーンレーザタイプのレーザポインタ付きリモコン「KOKUYO レーザーポインタ IC-GREEN for PC サシ-81」を購入したのですが、レーザーポイントが明るく見やすいのに加え、持ちやすさ、ドライバが一切無しでPowerPointでもKeynoteでも使え、とても重宝しています。先日、レーザポインタ付きリモコンを紹介した際にもおおきな反響があり、あっという間に売り切れになってしまいました。

KOKUYO レーザーポインタ IC-GREEN for PC サシ-81

コクヨ(2005/09/01)、価格:¥ 29,800(税込)、ASIN:B000B58BR8 【amazon.co.jp

上記KOKUYOレーザーポインタ for PCの赤色レーザーを緑色レーザーにしたものです。緑色レーザーはユニバーサルデザインの観点から、最近はやっていますが、その分、価格はぐっと高くなりますが、定価47250円のところ、どこでも大幅に値引きされているので、思い切って買ってみました。緑色レーザーはさすがに出力も十分で非常に見やすくGood。レシーバーをUSB端子につけて、本体とラジオ波で通信するタイプです。ボタンはシンプルに、レーザーのオンボタンと、PowerPointのページ送りボタンとページ戻しボタンという構成。ドライバなしでMac、Winとも利用可で、Keynoteでも問題なく使えます。あと、微妙な違いなのですが、KOKUYOレーザーポインタ for PCに比べて、レシーバーがコンパクトになっています。また、本体がかなり重量感があって、Goodです。現在、私はメインでこのレーザーポインタを使っています。緑色レーザーはどうしても値が張ってしまいますが、現時点で一押しのモデルです。

リモコン無しのグリーンレーザポインタと言うことになると

KOKUYO レーザーポインタ IC-GREEN サシ-80 (ペンタイプ, 緑色光)

コクヨ(2006/01/25)、価格:(税込)、ASIN:B000DZQIEY 【amazon.co.jp


2006.02.21

高橋メソッド

最近一部で受けているプレゼンテーション方法が「高橋メソッド」。高橋メソッドは、むやみに大きな字を使うプレゼン手法で、高橋メソッドサイトの「高橋メソッドについて」で実物を見ることができます。

高橋メソッドだけでプレゼンテーションをおこなうことはなかなか難しいのですが、ところどころに使って、聴衆にインパクトを与えることは可能だと思います。今日の講義で一部使ってみましたが、なかなかの受けでした。

高橋メソッドは書籍化もされています。

「でかいプレゼン」

著者:高橋 征義著、税込価格:¥1,260、出版:ソフトバンククリエイティブ、ISBN:4797332530、発行年月:2005.12【bk1】【amazon.co.jp

簡潔な言葉と巨大な文字で、ネットで話題のプレゼン手法「高橋メソッド」。その特徴と作り方や考え方を紹介し、実践方法を解説する。「高橋メソッド」のおいたちなど、エピソードも満載の一冊。


2006.02.20

よいプレゼンテーションファイルの作り方

最近は、学会にしろ、研究会にしろ、小さなミーティングにしろPowerPoint全盛のご時世。どんなデザインが見やすいのか、基本的には皆さん自己流だと思うのですが、色やフォントの使い方で明らかにこれはダメだなというのはあります。

最低限守るべきPowerPointのデザインのルールがコンパクトにまとめてあるファイルを見つけましたので紹介しておきます。

Brigid L.M. Hogan, Department of Cell Biology, Duke Universityのサイトに置かれている

Design a powerpoint presentation -ppt file-

です。

2006.02.02

Kenote 3を使ってプレゼンテーションしてみた

Keynote 3を使って初めてのプレゼンテーション。Keynote 3ファーストインプレッションで書いたように、マイナーチェンジが中心なので、きっと誰もKeynote 3を使っているとは気づかなかったでしょう。

さて、ファーストインプレッションにいくつか追加しなければいけないことがあります。

Keynote 1からKeynote 2にバージョンがあがったときほどではないのですが、Keynote 2で作ったファイルをKeynote 3で開けると、少しレイアウトが崩れます。

Keynote 2からKeynote 3にバージョンアップすると、渦巻きなどいくつかのアニメーションがなくなると書きましたが、これらKeynote 2にはあるがKeynote 3でなくなったアニメーションを出す方法がわかりました。環境設定>一般の環境設定に「古いアニメーションを選択項目に含める」というチェックボックスがあります。ここにチェックを入れると渦巻きなどのアニメーションがKeynote 3でも選択できるようになります。おそらくアニメーションの数が増えすぎたので、全部入れると選択しづらくなるのでこうしたのでしょう。

関連情報は研究者のためのコンピュータ情報keynote 3ファーストインプレッション をご覧下さい。

2006.01.21

レーザーポインタ付きリモコンの最新レビュー

2年前に、レーザーポインタ付きリモコンについてのレビューを書きました。最近は、「はい、次のスライド」などという決まり文句は学会場でほとんど聞かなくなり、PowerPointプレゼンテーションを自分で進めていくことが主流になっています。PowerPointを進めたり戻したりするリモコン機能のついたレーザーポインタ(レーザーポインタ付きリモコン)はもっていて損はないものです。その後、日本でもレーザーポインタ付きリモコンのバリエーションが広がってきました。私自身いくつかのレーザーポイント付きリモコンを使いましたので、レビューを書き直したいと思います。

Cordless presenter(BM-1000)

ロジクール社製。値段:¥30240(税込み)【amazon.co.jp】$166.54【amazon.com

私が最初に手に入れたレーザーポインタ付きリモコンです。この機種の最大のウリはそのデザイン。通信方法はBluetoothですが、USBのBluetoothアダプタがついてくるので、Bluetoothを内蔵していない機種でもOKです。Bluetooth通信なので、赤外線通信の他の機種に比べ、通信距離が長くなるようです。マウスモードとプレゼンテーションモードを切り替えるタイプです。マウスモードの時はオプティカルマウスとして使えますが、オプティカルマウスですから、マウスを動かしながらプレゼンというのはちょっと無理です。メーカー的にはWindowsのみ対応で、Macには未対応ですが、私は力業でMacで使っています。その方法は「ロジクールCordless PresenterをMacで使う」をご覧ください。レーザーポインタは赤色のものですが、やや弱め。値段がちょっと高めで、Macでは機能が制限されますが、デザインを考えるなら、おすすめの1台。


Keyspan Presentation Remote

Keyspan社製。【amazon.com

http://61.194.6.236/ksp.htmlに使用レポートあり以前から、購入を考えていましたが、日本では正式販売されず、時々秋葉原あたりで売られている程度。2004年にアメリカに行ったときに、購入してきました。レシーバーをUSB端子につけて、本体と電波で通信するタイプです。Mac、Winとも利用可。この機種の最大の特徴はポインタ式のマウスを内蔵しています。真ん中の大きな円形のボタンをぐりぐり動かすことで、プレゼンテーションの最中にマウスポインタを動かすことができます。たとえば、プレゼンテーションファイルの中に動画が含まれていて、動画をスタートするときなどはわざわざコンピュータを操作することなくスマートです。しかし、このポインタが使いにくいことこの上ない。特定のリンクをクリックするなど至難の業。実用的とは言えません。あと、レーザーは赤色なのですが、これがすごく弱い。ということで、私はあまり使わなくなってしまいました。ついでにいうと、電池がCR2450という特殊なもので、なかなか手に入りません。この電池はヨドバシカメラでも限られた店舗でしか扱っていませんでした。


KOKUYO レーザーポインタ for PC サシ-51

コクヨ、価格:¥ 11,500(税込)、ASIN:B0001GF0LW 【amazon.co.jp

レシーバーをUSB端子につけて、本体とラジオ波で通信するタイプです。ボタンはシンプルに、レーザーのオンボタンと、PowerPointのページ送りボタンとページ戻しボタンという構成。ドライバなしでMac、Winとも利用可で、Keynoteでも問題なく使えます。マウス機能はついていませんが、通常の使用では値段と機能のバランスがとれていておすすめモデルです。


KOKUYO レーザーポインタ IC-GREEN for PC サシ-81

コクヨ(2005/09/01)、価格:¥ 29,800(税込)、ASIN:B000B58BR8 【amazon.co.jp

上記KOKUYOレーザーポインタ for PCの赤色レーザーを緑色レーザーにしたものです。緑色レーザーはユニバーサルデザインの観点から、最近はやっていますが、その分、価格はぐっと高くなりますが、定価47250円のところ、どこでも大幅に値引きされているので、思い切って買ってみました。緑色レーザーはさすがに出力も十分で非常に見やすくGood。レシーバーをUSB端子につけて、本体とラジオ波で通信するタイプです。ボタンはシンプルに、レーザーのオンボタンと、PowerPointのページ送りボタンとページ戻しボタンという構成。ドライバなしでMac、Winとも利用可で、Keynoteでも問題なく使えます。あと、微妙な違いなのですが、KOKUYOレーザーポインタ for PCに比べて、レシーバーがコンパクトになっています。また、本体がかなり重量感があって、Goodです。現在、私はメインでこのレーザーポインタを使っています。緑色レーザーはどうしても値が張ってしまいますが、現時点で一押しのモデルです。


KOKUYO プレゼンテーションマウス EAM-ULW1

コクヨ(2004/07/31)、価格:¥ 9,370(税込)、ASIN:B0002IV6UI 【amazon.co.jp

実機をさわったことはないので、カタログから拾い上げてみると、(1)レシーバーをUSB端子につけて、本体とラジオ波で通信するタイプ(2)ポインタマウス機能付き(3)赤色レーザー(4)レシーバを本体に収納可能(5)カタログ上はWindowsのみの対応


KOKUYO プレゼンテーションマウス EAM-ULW2

コクヨ(2005/04/21)、価格:¥ 7,980(税込)、ASIN:B0009EWF4Q 【amazon.co.jp

実機をさわったことはないので、カタログから拾い上げてみると、(1)レシーバーをUSB端子につけて、本体とラジオ波で通信するタイプ(2)ポインタマウス機能付き(3)赤色レーザー(4)カタログ上はWindowsのみの対応。EAM-ULW1との違いはレシーバーを本体に収納できないことくらいでしょうか?


リモートポイントナビゲーター 2.4

インターリンク、価格:¥ 20,790(税込) 【amazon.com

実機をさわったことはないので、カタログから拾い上げてみると、(1)レシーバーをUSB端子につけて、本体と電波で通信するタイプ(2)PowerPointの進む、戻る、ミュートボタン(3)赤色レーザー(4)Windows/Mac対応。


リモートポイントナビゲーター 2.4

インターリンク、価格:¥ 22,890(税込) 【amazon.com

実機をさわったことはないので、カタログから拾い上げてみると、(1)レシーバーをUSB端子につけて、本体と電波で通信するタイプ(2)PowerPointの進む、戻る、ミュートボタン(3)ポインタマウス機能(3)赤色レーザー(4)カタログ上はWindowsのみ対応。


2006.01.16

Keynote 3ファーストインプレッション

先日のMacworld Conference & Expo/San Francisco 2006にてKeynoteの最新バージョンKeynote 3が発表されました。ただし、日本での発売は2月中旬ということでのんびりと構えていたら、MACお宝鑑定団で、パッケージは英語だが日本語ローカライズされたiWorks '06(Keynoteはバージョン2からPagesというワープロソフトとバンドルされ、iWorksとして発売されている)が発売されているという情報をキャッチ。さっそくApple Store Shibuyaで手に入れました。Apple Store Ginzaは品切れでした。パッケージや中の取扱説明書はすべて英語ですが、ディスクを入れて、いきなり開いた画面が日本語で一安心。パッケージは英語にもかかわらず、中に入っているKeynote 3は日本語化された(というよりは、日本語ローカライザーも含まれたユニバーサル版)であると思われます。


■Keynote 2の課題

KeynoteはPowerPointではできないような美しいプレゼンテーションを作ることができますが、不動の位置を築いているPowerPointに一日の長があることは確かです。Keynote 1からKeynote 2のバージョンアップでは、あえてPowerPointと競争しないで、独自の道を歩もうとしている印象を受けました。KeynoteはPowerPointと全く同じ方向を向いたソフトではないと理解した方がよいとは思いますが、研究者のプレゼンテーションツールとして使うことを考えた場合、ここだけは改善して欲しいと思っていることがいくつかあります。

課題1. 描画ツールをもっと充実させて欲しい。描画できる図形は最小限だし、曲線を描くこともできない。Appleでは複雑な図はOmniGraffleで書いてコピーペーストすることを意図しているのかもしれませんが、もう少しパワーアップすべきです。

課題2. 1つのスライド内で箇条書きのテキストボックスが1つだけという制限をはずして欲しい。keynote 2では一つのスライド内でテキストボックスのうち1つしか箇条書き設定をできません。これは非常に不便です。

課題3. グラフのデータ入力画面を改善して欲しい。Keynoteのグラフ描画では非常にきれいなグラフが簡単に作れるのですが、そのデータ入力画面の使い勝手が非常に悪い。

課題4. KeynoteからPowerPointへの書き出し精度を上げて欲しい。KeynoteはPowerPointファイルを読み込むことができ、かつ、KeynoteファイルはPowerPointファイルに書き出すことができるということが一つの売りなのですが、前者はまだしも、後者の変換精度はかなり低く、ほとんど使い物になりません。

 

■テーマやアニメーション効果の新規追加は抑えめ

Keynoteの特徴といえば、美しいグラフィクス。今回、新しいテーマとして、黒、モダンポートフォリオ、革装本、ビンテージ、クラッシクシルク、ホワイトコーナー、フォーマルの7つが追加されました。

また、アニメーション効果(トランジションとエフェクト)にも変更がありました。新しく加わったトランジションはスオッツシュ、ブラインド、回転ドア、入り口、反射、落下、カラーでフェード、シャッターの8個で、かわりに、モザイク反転は1種類にまとめられ、グリッド、ドロップ、モーションンディソルブ、暗転、渦巻き、焼失、放射状、落下するタイルがなくなりました。エフェクトに関しては、あらたに、スウォッシュ、ブラインドが追加され、ドロップ、渦巻きがなくなりました。

Keynote 1からKeynote2へのバージョンアップの際には追加のみでしたが、今回はさすがに効果の数が増えすぎてしまうのか、一部の効果が削除されました。渦巻きなんかはここぞというときにインパクトがある効果だったので、なくなってしまい残念です。ちなみに、Keynote 2で渦巻き効果を使ったファイルをKeynote 3で開いても、きちんと渦巻き効果が再生できました。hackすれば、なんとか渦巻きを奪還できるかもしれませんね。

(後日談)

環境設定>一般の環境設定に「古いアニメーションを選択項目に含める」というチェックボックスがあります。ここにチェックを入れると渦巻きなどのアニメーションがKeynote 3でも選択できるようになります。

■着実な進化

Keynote 3には小さいながら着実な進化があります。

まず、Keynote 3を開いて、はじめに気がつくことは、ツールバーに「調整」というツールが増えたことです。これは「イメージ調整」をするツールで、貼り付けたイメージの簡易修正ができるツールです。画像のコントラストなどを調整するツールです。PowerPointのイメージの簡易修正機能とはちょっと違った雰囲気で、Photoshopの色調補正に似ています。

「コメント」というはまったく新しい機能です。コメントを使えば、スライドの作成中に思いついたアイディアを簡単に残すことができます。ちょうどスティッキーズのようなものです。コメントは編集中にディスプレイに表示されますが、プレゼンテーションを再生するときは表示されません。これはPowerPointにはない、なかなかおもしろい機能ですね。

Keynote 2の課題の2番目にあげておきましたが、Keynote 2ではひとつのスライド内で、箇条書きのテキストが1セットしか作れません。追加するテキストボックスには箇条書きが設定できなかったです。この点は、Keynote 3で改善されました。Keynote 3では箇条書きを設定したテキストボックスが複数個作れるようになりました。

様々なファイル形式で描き出すことができることがKeynoteの特徴ですが、Keynote 3ではあらたに、ノート付きのスライドのPDFの作製、iDVDプロジェクトの作製、HTMLの作製ができるようになりました。

PowerPointではよく使われているスライドを一覧表示するタイプの表示形式が「ライトテーブル」という表示方法できるようになりました。

テーブルには簡易計算式が入力できるようになりました。

 

■図形描画ツールのパワーアップ

Keynote 2の不満点の最大のものは図形描画のツールが貧弱なことでしたが、今回、描画ツールに大きなアップデートが加えられました。まず、描画できる図形として、星形と多角形が増えました。そして、「挿入」>「図形」>「図形を描画」を選択することによって、ベジェ曲線が描けるようになりました。これまで、PowerPointでは自由な曲線はかけましたが、ベジェ曲線ではありませんでした。ベジェ曲線とは複雑な曲線を、比較的少ないデータで描くために考案された方法であり、Illustratorなどのような本格的ドローソフトに採用されています。アンカーポイントと方向線を指定することで曲線を描いていきます。Keynote 3のベジェ曲線はIllustratorとは少し作法が異なりますが、描画後に、アンカーポイントの削除と追加、コントロールハンドル(方向線)の修正ができます。また、アンカーポイントをダブルクリックすることで、「角←→丸」を変更可能です。私自身Keynoteがいきなりベジェ曲線を採用するとは思いませんでした。ベジェ曲線はきれいな曲線を描くにはベストな方法ですが、きれいに描くための方法を習得するには慣れが必要です。

あと、今回のバージョンアップで、任意の図形を用いたマスクができるようになりました。

 

■グラフ描画機能のアップデートは見た目が中心

グラフ描画機能のアップデートは今回のアップデートの中でも重要な部分のようですが、私としては見栄えの分のアップデートが中心で肝心の使いやすさの面が改善されていないのが残念です。

見た目の変化としては、3Dグラフが扱えるようになったという点です。その3Dグラフのインパクトといったらほとんど脱帽です。各要素の素材は大理石素材、木材、アクリルのような素材、布素材、などの5パターンくらいあり、しかも視点を動かすことができたり、素材感を微妙に調節できるなどきわめてマニアックです。各要素の素材はテーマと連動しているようで、残念ながら個別に指定はできないようです。

一方、私がKyenote 2の課題と考えていたグラフデータエディタの使い勝手の悪さは残念ながら改善されませんでした。せめてExcelなど他のテーブルデータを読み込む、または貼り付けられるように改善されることを望みます。

 

■Keynote 2と3の互換性

Keynote1からKeynote2へのバージョンアップの際には、ファイルのフォーマットが大きく変わったため、Keynote1で作ったファイルをKeynote2であけると、ファイルの書き換えがおこなわれ、一部レイアウトが崩れるといった現象が起こりましたが、Keynote2からKeynote3の場合は、ファイルの書き換えはおこなわれないようです。ただし、Keynote3で作ったファイルをKeynote2で開けることはできませんでした。

(後日談)

Keynote 2で作ったファイルをKeynote 3で開けると、Keynote 1→keynote 2のときほどではありませんが、少しレイアウトが崩れます。

■まとめ

というわけで、全体としてはマイナーバージョンアップといった感じですが、私が考えていた課題のうち半分くらいは今回のバージョンアップで改善されました。追加されたテーマやイメージ調整ツールの作り方から判断するとKeynoteは今後、写真を中心としたプレゼンテーションを指向しているような印象を受けました。

なお、まだ短時間しかさわっていませんが、安定性や動作速度はKeynote 2と特に大きな違いはないように感じました。Keynote 2は全く安定しているというわけではなく、何回か使用中に落ちた経験を持ちます。Keynote 3も、今回ベジェ曲線をいじくり回していたら1回落ちました。

PowerPointファイルへの変換の精度などの使用感は追って報告します。

関連情報は研究者のためのコンピュータ情報keynote 3ファーストインプレッション をご覧下さい。

「Keynote 2プレゼンテーション入門」

著者:高橋 良著、税込価格:¥3,360、出版:秀潤社、ISBN:4879622915、発行年月:2005.10【bk1】【amazon.co.jp】【目次

Keynoteの使い方について、まさに手取り足取り解説した本です。ビギナーから中級者までKeynoteで人とは違ったプレゼンテーションをしたいという人には必読の本です。Keynoteに関する日本語で書かれた唯一の本です。


コンピュータ関連の書籍は「研究者の書棚:コンピュータ関連本」をご覧下さい。

2005.12.09

「国際学会のための科学英語絶対リスニング」

「国際学会のための科学英語絶対リスニング」

著者:田中 顕生著 / Robert F.Whittier著・英文監修 / 山本 雅監修、税込価格:¥4,830、出版:羊土社、ISBN:4897064872、発行年月:2005.10【bk1】【amazon.co.jp】【目次

英語論文の書き方、英語での発表の仕方に関する本はたくさん出版されています。でも、リスニングに関する本ってなかったのではないでしょうか?ある意味、もっとも書籍にしにくいものであり、多くの方が待ちに待った本なのではないかと思います。本書は、前半で、英語のプレゼンテーションや国際学会進行の上でよく使う表現をまとめてあり、後半では、実際におこなわれたプレゼンテーション5つをスクリプト付きで紹介しています。数としては5つに過ぎませんが、こういったものを覚えるほど繰り返すというのがリスニング、やプレゼンテーション上達への王道なのだと思います。さらに言えば、こういう口演がスクリプトとPowerPointファイル付きでたくさんPodcast配信されたらいいなと思います。とりあえず、お薦めの一冊として紹介しておきます。

英語でのプレゼンテーション関連の書籍は「研究者の書棚:研究者のためのプレゼンテーション本」をご覧下さい。

2005.01.26

原稿を読まないプレゼンテーションの裏技

私自身は、これまでのプレゼンテーションはなんとか原稿を読まないでおこなってきたのですが、壇上に立つと緊張のあまりに頭が真っ白になって、まったく言葉が出てこないという事があります。幸いなことに、私は完全にその状態になったことはないのですが、なりそうになりかけたことはあります。

そのため、私の若い衆には、1枚目のスライドは図だけ載せて、説明を考えてしゃべるというパターンのスライドは避けるべきだとアドバイスしています。スマートではありませんが、1枚目のスライドは、そのままスライドを読むだけのようなスライドにすることを勧めています(つまり、箇条書きの文章)。これだと、1枚目はそのまま読むだけでいいという安心感が出ますし、1枚目のスライドを乗り切れば、自分のしゃべりのペースが出てきて、プレゼンテーションを乗り切れることが多いように思います。

もちろん、原稿は事前に作成して、十分な練習を繰り返すことが重要です。たとえ、日本語のプレゼンテーションであろうと、事前の練習なしでうまくいくことはないと私は考えています。

さて、問題は英語のプレゼンテーションです。英語のプレゼンテーションの場合、たとえ1枚目のスライドを乗り越えられても、その後、どのスライドでも頭が真っ白になる可能性があります。英語のプレゼンテーションを原稿を読むことなしにするための裏技を紹介しましょう。

頭が白くなってしまったときのために、手元に原稿を持っておくというのは確かに一つの方法なのですが、いったん原稿から目を離してしゃべり始めてしまうと、途中でちらっと原稿を見るとことは実際にはほとんど不可能です。原稿をあれこれめくっているうちに、聴衆には原稿を読んでいることがバレバレになります。

おすすめのテクニックは、しゃべるべき単語やフレーズをなるべく、スライド中に書いてしまうと言うことです。たとえば、mRNA expression for XX in kidneyでそのスライドの説明を始めるなら、それをそのままタイトルにしてしまうとか、しゃべるべき実験結果を文章のままスライドに書いてしまうというのも一つの方法です。あんまりやりすぎるとスライドがくどくなりますが、背に腹は代えられません。

そして、とっておきの方法は、Microsoft 2004 for Macに入っているPowerPoint 2004から採用された発表者ツールを利用する方法です。このモードを選択するとスライドスクリーンにはスライドのみが映写されますが、手元のモニターにはノートが表示されます。つまり、紙の原稿を持ち込まないでも、手元のモニターには原稿が表示されているので、頭が白く飛んでしまったときには手元のモニターに表示された原稿を読んで急場をしのげます。それでも、すべて原稿を読んだのでは、「原稿を読まない」プレゼンテーションの利点はスポイルされますので、あくまでも、緊急事態と考えて頂ければよいと思います。ただし、学会によっては、自分のコンピューターをPodium(演台)に持っていくことは許可しない学会もあります。今回の学会でも2人の方がこの発表者ツールを使っていました。

いろいろ姑息なテクニックを紹介しましたが、正当的に英語でのプレゼンテーションのトレーニングを積むこともお忘れなく。→自分。

2005.01.25

プレゼンテーションにおいて原稿は読むべきか読まざるべきか?

プレゼンテーションにおいて原稿は読むべきか読まざるべきか?

私は、大学院時代に、プレゼンテーションにおいては原稿を読んではいけないときつく言われました。たしかに、原稿を読み上げるようなプレゼンテーションで自分が感銘を受けたプレゼンテーションにはありません。

つまり、聴衆に感銘をあたえるようなプレゼンテーションをおこたいのであれば、原稿なしのプレゼンテーションを目指す必要があります。しかし、実際には、原稿なしのプレゼンテーションが能力的に難しいというケースもあります。大学院生ではじめて学会発表をするようなケース。はじめておこなう英語でのプレゼンテーション。こういったシチュエーションでは原稿なしのプレゼンテーションを無理におこなって、さんざんな発表になる可能性もあります。このようなレベルであれば、原稿を読むことによるデメリットと、原稿を読まずに言いたいことをうまくいえなかったりするデメリット、どちらを取るべきか悩むことになります。日頃から、原稿を読まずに発表するようなトレーニングを十分に積むというのが正しい道なのですが、学会が迫っているのに、その能力がなければ原稿を読むプレゼンテーションも選択肢として考えなければならないでしょう。

プレゼンテーションにおいて原稿は読むべきか読まざるべきか?について、最近、読んだ「英語口頭発表のすべて」bk1】【amazon.co.jpという本には以下のようにまとめてありました。

1)パーフェクトな口頭発表は、「読まない」口頭発表でなければ達成できない。
2)それでも、時間の割り振りを考慮して原稿は必ず作らなければならない。
3)実際の講演は、要点を記したメモに時々目をやりながら行うか、かなり原稿を参照するか、ほとんど原稿に忠実に話すかしてよい。つまり、「読まない」口頭発表から「読む」口頭発表まで広い分布を示してよいが、「読む」口頭発表に近い場合は、その欠点を補うよう極力努力しなければならない。

将来的には原稿を読まない口頭発表を目指すべきだが、能力に応じて、原稿を読む口頭発表も許容すべきということになります。この本の作者は、オーバーヘッドプロジェクタによるプレゼンテーションを前提にしていて、OHP用紙の両脇の不透明な部分にメモを書いておくというアイデアを紹介していますが、スライドによるプレゼンテーションの場合は、要点を記したメモに時々目をやりながらおこなうというのは、無理でしょう。メモなしで、原稿を読まない口頭発表をするためにはどうしたらよいか。そのための工夫を明日紹介します。

「英語口頭発表のすべて」

著者:中村輝太郎編著、税込価格:¥ 3,150(本体:¥ 3,000)、出版:丸善、発行年月:1982.01【bk1】【amazon.co.jp】【目次】

この本はやや古く、オーバーヘッドプロジェクタを使ったプレゼンテーションの話が多いので、技術的には役立つ部分が少ないのですが、読んでいてとてもおもしろい本です。

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