スコープの広さ
以前、大先輩に「学術情報の仕事に興味を持っていて、この仕事に力を入れていきたい」と話をしたら、「なんで君がライブラリアンの仕事をやるんだ。本業である医学教育に全勢力を傾注すべきだ」と怒られたことがあります。
もっともな話と思いますが、私が今あるのは、一つのことをとことん極めた学問業績にあるのではなく、いろいろなものに興味を持ち、広く浅い知識があって、自分の中でシナジスティックに化学反応させて多方面に力を発揮してきたからだと思っています。
もちろん、もっと、一つの領域を深く掘り下げていたら、もっと素晴らしい学者や教育者や臨床家になれていたのかも知れません。それができないのが、私の弱みであり、逆に、スコープが広いことが私の強みであると、ここ数年考えています。
今年、ありがたくも、教授職を拝命することができました。残り15年間、この仕事をやっていけるという保証があるというのは大変ありがたいことですが、であるからこそ、いろいろなことにチャレンジし、それを自分の中で化学反応させて、他の人ができないことをやりたいと思います。
幹に当たるものは、もちろんしっかりやります。私にとっての幹とは、医学教育であり、腎臓内科学の電解質、血液透析なのでしょう。でも、それにしばられることなく、遠慮なく、スコープを広げていきたいと思っています。
今年は、とある事情から、時間的にも精神的にも、本業に集中することができない時間が長かったです。いろんなことに悩み、考えてきました。でも、これも神様がくれた視野を広くするための時間と考えています。
2015年はよい年にしたいですね。
みなさまも、よい年をお迎え下さい。
今年一年間、雑文と雑写真にお付き合いいただきありがとうございました。