本の紹介『あなたのプレゼン誰も聞いてませんよ!』
これまで読んだプレゼンテーションにの本でもっともインパクトがあったのは、ガーレイノルズ氏の『プレゼンテーションZEN』です。プレゼンテーションZENの影響を受けて、私のプレゼンテーションもずいぶん変わったように思います。しかし、一番難しかったことが、サイエンティフィックプレゼンテーションに、プレゼンテーションZENの要素を入れることでした。プレゼンテーションZENのやり方は、アイデアを伝えたり、メッセージを伝えたりするには、非常に有効な方法ですが、プレゼンテーションZENのやり方で、学会の一般演題を行うことはできません。サイエンティフィックプレゼンテーションには、プレゼンテーションの明確なルールがあり、インプレッションだけを伝えるのではなく、正確に伝えることが大切です。サイエンティフィックプレゼンテーションに、プレゼンテーションZENの考え方をある程度持ち込むことは重要と思いますが、落としどころがあると考えています。
本書は、タイトルだけ見ると分からないかも知れませんが、サイエンティフィックプレゼンテーションに、どうやって、どの程度、プレゼンテーションZENの要素を持ち込むかについて、非常に実践的な解決策を提示してくれています。掲載されている、たくさんのbefore & afterのスライドを見れば、納得がいくと思います。
というわけで、本書は、研究者、医師で、プレゼンテーションZENの要素を取り入れたい人必読の一冊と言えます。