本の紹介『流星ひとつ』
『流星ひとつ』は34年前に沢木耕太郎が直前に電撃的な引退を発表した藤圭子におこなったインタビューによるノンフィクションです。結局、沢木耕太郎は思うところがあって、この本は出版せずに、1冊だけ作って、アメリカに渡った藤圭子に渡しただけでお蔵入りになっていました。今回、藤圭子がなくなったことを機に出版されたものです。
このノンフィクションの一番の特徴は、すべてがインタビューの会話文だけで構成され、地の文がまったくないことです。芸能界、マスコミ不信に陥っていた藤圭子と、丹念に会話を重ねて、彼女の魅力が引き出されています。