日本の学会でのポスター発表5つの心得

日本の学会のポスター発表は、会場も狭く、発表時間は意味もなく短く設定され、騒々しい割にマイクも用意されていないという三重苦の中で発表することになるので、発表者泣かせの環境です。それを理解せず、発表者も不十分な準備で臨むので、聞く人も心苦しいという負のスパイラルに陥っています。でも、発表者もきちんと準備すれば、もっと効果的になると、私は信じていますので、ポスター発表者に私なりのアドバイスをまとめてみました。

1. 発表時間を守ること

発表時間を1秒でも超えたら、あなたの発表は零点です。出来ない研究者、馬鹿な研究者と言われても仕方ありません。自分の研究成果は重要だから、時間を超えても許されるというのは思い上がりでしかありません。

ポスターの発表時間は、発表時間を座長が担当するポスター数で頭割りして、主催者が適当に決めているだけで、通常は意味もなく短く設定されています。ですから、場当たり的に、練習もせずに発表しても、発表時間内に終わらないことは覚えておいて下さい。

2.大きな声で発表すること

ポスター発表の場合、マイクは用意されていないことが多く、よっぽど大きな声を出さないと周りの聴衆に聞こえません。また、同時並行で、他のセッションの発表と重なったりすることもよくあります。ありったけの声で発表しましょう。聴衆に聞こえない発表は発表していないのと同じです。

3. ポスター発表こそ発表の練習が必要

講演発表と違って、ポスター発表は、事前に発表の準備をしている人が圧倒的に少ないです。発表時間は理不尽に短いわけですから、ポスターの内容を全部話していたら、絶対に発表時間内に終わりません。でも、8割くらいの人は、当然のような顔をして、ポスターの内容を全部話そうとするのです。何を話して、何を話さないか、口演発表にもまして、準備が必要です。

4.聴衆を見てしゃべって下さい

ひたすら、ポスターの方を向いて、ポスターの内容を読み上げる人、多いです。朗読の会ではないので、時々は、聴衆の方を見て下さい。せめて、発表時間のうち、3回くらい、聴衆を見回しましょう。そうすると、圧倒的に落ち着いた感じの発表になります。

5.縦長ポスタースペースにをめいっぱい使ってはいけない

日本の学会は、会場が狭いので、縦長のポスタースペースが多いです。ポスタースペース一杯のポスターを作ると、たいてい、一番大事な結論が、床すれすれになってしまって、かがみ込んで、指ささないと見えないような状況になります。日本の学会で、縦長スペースの場合は要注意です。

 

1~5、どれも当たり前だと思っているでしょう。でも、全て守っている人は、2割くらいしかいません。だまされたと思って、次回から、やってみて下さい。

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