本の紹介『日野原重明ダイアローグ』
2年前の富士研という医学教育者の研修合宿や、今年の医学教育学会などで、日野原先生に近く接する機会があり、日野原先生のすばらしさを知ることができました。
日野原先生のすばらしさは、たくさんあるわけですが、私が強く感じるのは、主張が首尾一貫変わらないこと。勤勉であること。そして、ユーモアがあることです。
本書は、「医学界新聞」紙上に掲載された日野原先生の講演、対談、座談会などをまとめた本です。年代としては、1980年前後のものが多く、亡くなる1年前の武見太郎先生との対談もあります。30年も前なのに、どれも、まったく古くなく、日野原先生の主張は、今の医学界でも色あせていません。こうして振り返ってみると、医学教育、研修制度、プライマリ・ケア、ホスピス、診療録、臨床疫学の在り方など、日野原先生が、今日の医療の先駆者であることがよくわかります。