2012年10月積ん読本
またまた、amazonのAPIのルールが変わって、アマゾンのサーバーがXSLTをサポートしなくなってしまって、もう、私のプログラミング能力では、ついていけないので、本の紹介のamazonのリンクの部分は、amazletさんのお世話になることにしました。
先日、亡くなられた丸谷才一氏の本を読んだことがなかったので、『思考のレッスン』を買いました。この本は、丸谷才一氏がインタビュー形式で、「考えること」「書くこと」「読むこと」について語っています。私は、日本の古典文学には疎いのですが、丸谷氏の学問への考え方に、とても共感を覚えました。「遊び心を持ちながらも、痛快な人生を送りたい」というのは、私も同じだ!と思いました。
副題が、「人を動かすステーリーテリングの技法」なっているように、プレゼンテーションと言うよりは、聴衆の心を動かすストーリーテリングないしはスピーチの技法の紹介の本です。
本書の著者ナンシー・デュアルテ氏は、実はアル・ゴアの『不都合な真実』のプレゼン制作にもかかわった陰の立役者。スティーブ・ジョブズ、レーガン元大統領、リチャード・ファインマン、ベンジャミン・ザンダーなどなど、歴史に残る圧巻の名プレゼン事例を紹介しています。著者はこれらをつぶさに分析することで、優れたプレゼンには共通する「型」が存在することを証明しています。
読み進むうちに、なるほどと思いますが、このような人を動かすスピーチの技法は、生まれ持っているのが大半で、努力で改善できる部分は少ないというのが私の考えです。たとえば、大統領の演説1回分をプロデュースすることはできても、その大統領のスピーチ能力を改善するのは難しいと思うのです。
小学生の時には、兄弟3人で一つの机をシェアしていた私は、大人になったら、絶対書斎を持ってやると思っていました。幸い、今は、書斎を持たせていただいていますが、まだ、うまく使い切れていないというか、私の知の発信基地にはなり得ていない感じです。
気持ちにまったくゆとりがなくなったときの処方箋が、この本、パウロコエーリョ「星の巡礼」にのっていました。
☆スピードの実習
二十分間、普通歩く速さの2分の1の速度で歩く、周囲のこまごまとしたこと、人々に十分に注意をはらうこと。特に、昼食の後におこなうのが最も望ましい。この実習を七日間、繰り返しおこなう。
この実践をおこなうだけで、本当に、今まで見えてこなかったものが見えてきます。おすすめです。
私も、大学で、模擬患者さんを使った、初診外来実習で、臨床推論を5年生に教えています。そこで蓄積してきたノウハウを本書と照らし合わせることで、アタマがすっきりしました。特に、大西先生自身が書かれた章は大変参考になりました。今後は、もう少し、認知心理学的な要素を入れ、実習を改善するとともに、なんらかの研究につなげたいと思っています。この本は、研修医向けと言うより、研修医の指導医向けの本ですね。
文藝春秋 (2012-10-10)
単行本の時に読みたいと思っていて、いつの間にか文庫になったので買いました。今月末のアメリカ出張の時にでも読もうと思っています。
「ザ・シークレット」のロンダ・バーンが「師」と仰ぐ著者の代表作で、30年近く読み継がれている名著が復刊したものです。自分の中に、「ハングリーな自分」が出てきたときに読もうと思って、積んでおきます。