2012.03.30

iPadでプレゼンテーション(2012年3月改訂版)

iPadのプレゼンテーションは、iPad2、iOS5以降、大きく変わりました。一つは、ビデオミラーリングが可能となったこと。iCloudによるファイル共有が可能となったこと。Keynoteもリモコンが使用可能となったことなどです。今回、第3世代iPadを手に入れたので、「iPadによるプレゼンテーション」の記事を書き直すことにしました。

iPadは、VGA出力をサポートしているので、プロジェクターを使ったプレゼンテーションが可能です。必要な機材は、別売りのApple VGAアダプタ(2980円)だけです。Dockコネクタ側をiPadに接続し、VGAアダプタ側をプロジェクタやディスプレイのVGAポート(D-Sub 15ピン)に接続します(720p(1280×720ピクセル)までの解像度に対応)。

初代iPadでは、ビデオミラーリング(パソコンの画面そのものがプロジェクターに映し出される)はできず、特定のアプリでのVGA出力のみが可能です。VGA出力が可能なアプリは、ビデオ 、写真 (スライドショーの再生のみ)、YouTube、Keynote、Safari (一部のビデオコンテンツ)、GoodReader for iPad、2Screensなどです。しかし、iPad2からは、ビデオミラーリングが可能になったので、iPadの画面そのものをプロジェクターで映すことが可能になりました。

学会発表などのプレゼンテーションをおこなうとすれば安定性が高い純正アプリのiPad版Keynote。サードバーティーのアプリでは、2 Screenをおすすめします。多機能ファイルリーダーのGoodReaderでも可能です。この3つの機能をまとめてみると、こんな感じになります。

  Keynote 2Screens GoodReader
Keynoteファイルの読み込み ほぼ○
PowerPointファイルの読み込み なんとか○
PDFファイルの読み込み ×
iPad上でのスライドの作成 ×
リモコン操作 ×
Dropboxとの連携

(1)iPad版Keynoteを使ったプレゼンテーション

iPad専用のプレゼンテーションソフトとしては、iPad版Keynote(850円)があります。iPad版Keynoteを使えば、iPad上でスライドを作成し、そのままプレゼンテーションができます。しかし、ページ数の多いもの、画像を使ったりするものをiPad上で一から作成するのは現実的ではありません。Mac上のKeynoteであらかじめプレゼンテーションを作っておいて、それを、iPadに転送して、プレゼンテーションを行うというのが、現実的だと思います。

PowerPoint書類もiPad版Keynoteで表示可能ですが、このときPowerPoint書類は自動的にKeynote形式への変換がおこなわれます。変換精度はまずまずですが、一部、ずれなどが生じることがあります。PowerPoint書類を使いたいなら、PDFに変換して、次項で紹介する2 Screensを使う方法をおすすめします。現時点で、iPad版KeynoteはPDFの表示ができません。

プレゼンテーションファイルのiPadへの転送はiTunesを介する方法と、ネットワークを使う方法があります。
(i)iTunesを介する場合:iTunesのサイドバーからiPadを選び、「App」タブにある、「ファイル共有」に、転送したいファイルをドロップしてから同期操作をすればiPadにプレゼンテーションファイルが転送されます。iPadへのファイルの転送に関しては、iTunesさえインストールされていれば、母艦か否かは関係なく、どのパソコンからでも転送が可能です。

(ii)ネット経由で転送する方法:iDiskとWebDAVによる方法が用意されています。Dropboxは現時点で、WebDAVに対応していないのが残念!(DropDAVという有料サービスを使えば、可能のようです)。また、iCloudに対応していますので、設定でiCloudの書類とデータの同期をONにし、Keynoteの設定画面で「iCloudを使用」をONにしていれば、icloud.com/#iworkを経由させて転送することが出来ます。現時点では、iCoudを経由して転送するのが一番簡単です。

MacのKeynote書類をiPadに転送してプレゼンテーションを行うと場合には、実はいくつかの問題点があります。iPad版Keynoteと、Mac版Keynoteとは完全な互換性があるわけではなく、Mac版Keynoteで作ったファイルをiPad版Keynoteで開くと、一部の機能がサポートされないというアラートが出ます

Mac版Keynoteでつけたトランジションやアニメーション効果でも、それがiPad版Keynoteでサポートされていない場合には省略されてしまいますし、iPadにないフォントは、似たものに置き換えられてしまいます。

また、動画でサポートされているエンコード形式が限られているので、Mac版Keynoteで作成したプレゼンテーションをそのまま使うに場合も、iPadに転送後、念のためひととおり問題がないかチェックする必要があります。

実際に、プレゼンテーションを行うときの機材の設定はきわめて簡単です。アダプタのDockコネクタ側をiPadに接続し、VGAアダプタ側をプロジェクタやディスプレイのVGAポートに接続すれば完了です。iPad版Keynoteのスライドショーをスタートすれば、プロジェクターへの投影も開始します。

おもしろい機能として、iPad上でソフトポインターを使うことができます。画面をタッチしたままホールドすると、赤のポインタがプロジェクター画面に登場します。

さて、最近は、プレゼンテーションの際に、リモコン機能つきレーザーポインターを使って、スライドの進行をおこなうというのが当たり前になっています。残念ながら、執筆時点で、iPadのKeynoteのスライド進行が行える、リモコン機能つきレーザーポインターは存在していません。しかし、iPhoneアプリの「Keynote Remote」を使うと、プレゼンテーションの進行をiPhone側でコントロールできます。同一WiFi内にいれば、WIFIで接続されますし、WiFiが飛んでいない場所の場合、Bluetoothでも接続出来ます。

iPad版Keynoteで、Remoteを有効にすると、接続が確立され、iPhoneの「Keynote Remote」アプリ上に、投影されているスライドと次のスライドが表示でき、前進、後退の操作ができます。

iPadを持ちながらのプレゼンテーションというのは、かなり自由度が制限されますが、Keynote Remoteを使う事でかなり改善されます。でも、一番いいのは、iPadに対応したリモコン機能つきレーザーポインターが出ることですね。

(2)2Screensを使ったプレゼンテーション

先ほども書いたように、iPad版Keynoteは、パソコン側からKeynoteファイル、PowerPointファイルを読み込むことが出来ますが、フォントやアニメーション効果の置き換えがおこなわれ、ズレなどが生じますので、手直しをしないと、実際には、プレゼンテーションには使えません。アニメーション効果や動画をあきらめれば、パソコン側で、PDFファイルに変更して、それをiPadに転送して、プレゼンテーションすれば、文字のズレもなく、そのままプレゼンテーション可能です。しかし、残念ながら、iPad版KeynoteはPDFファイルを読み込むことが出来ません。PDFを読み込めるiPadアプリには、GoodReader for iPad(450円)があり、実際に、プレゼンテーションも可能ですが、ここでは、より高機能なプレゼンテーションアプリとして、2Screens(450円)を紹介します。

2Screensをおすすめする理由は、
・PDF、PowerPoint、Keynoteなどあらゆるファイルの読み込みが可能(ただし、PowerPointとKeynoteは、かなり、レイアウトが崩れるか、不安定で落ちてしまう)
・iPad上でプレゼンテーションの簡単な修正が可能。
・ネットを介した読み込みに様々なオプションがある(Dropboxも可能)
・2Screens リモコンをつかって、リモコン操作が可能
など、高機能であるからです。

ということで、PDFで、iPadプレゼンテーションをするなら、今のところ、2Screensをおすすめしたいと思います。

2Screensリモコンを使えば、iPhone側から、2ScreensのプレゼンテーションのコントロールがBluetoothで可能です。

 

まとめ:iPadでのプレゼンテーションはやりやすいか?

iPad版Keynoteの場合、手持ちのkeynote書類、PowerPoint書類を使うとなると、転送後の手直しが結構必要です。アニメーションをあきらめて、PDFに変換し、2Screensrでプレゼンテーションをおこなうのが、一番、気楽だと思います。どうしても、アニメーションにこだわるなら、iPad版Keynoteということになります。

iPad版Keynoteを使おうと、2Screensを使おうと、万が一、トラブルがあった場合のトラブルシューティングは結構難易度が高いです。直前の修正が難しいので、いろいろな代替案を用意しておかないといけません。また、一番困るのは、かなり安定性は高くなったとは言え、「落ちる」ことがいまだにあることです。そのため、学会のプレゼンテーションをiPadでおこなうことは現時点では、気が引けるというのが、個人的な感想です。

このような問題はありますが、必要な機材が軽いiPadとVGAアダプタだけであるので、非常に身軽であることは確かで、研究の打ち合わせなど小規模な会議であれば、悪くない選択であると思います。

KeynoteがPDFのプレゼンテーションに対応してくれて、iPadをコントロールできるリモコン付きレーザーポインターが出てくれれば、私としては、かなり本気で考えるのですが。

 

サイドメモ1

実は、iPhone自身も、iPhone 4Sから、Apple VGAアダプタを使って、VGA出力が可能になりました。ビデオミラーリングが可能です。プレゼンテーションiPhoneアプリには、iPhone版Keynoteがあります。iPad版Keynoteを持っていれば、無料で手に入ります。iPhone版Keynoteでは、一応、iPhone上でスライドの作成が可能ですが、あの画面の小ささなので、操作性はかなり悪いです。やはり、外部から、プレゼンテーションファイルを読み込むことが現実的でしょう。

iPhone版Keynoteは、PDFを読み込めませんので、PDFを読み込めるアプリとしては、GoodReader for iPhoneがおすすめです。

 

サイドメモ2

なお、私は試したことがありませんが、AppleTVがあれば、ワイヤレス(無線WiFi)で、AirPlayを使って、iPadの画面をテレビ画面に映し出すことが出来ます。ここまで行くと感激ですね。

 

サイドメモ3

本文では、現在、主流のVGA出力を扱いましたが、「Apple Digital AVアダプタ」という製品もあって、こちらは、HDMI出力アダプタで、iPhone/やiPadのDockコネクタに接続して、HDMI対応のテレビやディスプレイ、プロジェクターに表示が可能です。

2012.03.28

10年ぶりのマリナーズ観戦

10年ぶりにマリナーズの試合を見に行ってきました。10年前に、シアトルを離れるときに、次に、マリナーズの試合を見れるのはいつだろうと思っていましたが、まさか、それが東京になるとは思っていませんでした。

私は、留学前はジャイキチでしたが、シアトルで、メジャーリーグに魅せられて、日本に帰ってきて、巨人戦を見に行って、ずいぶんがっかりしました。それ以来、野球を見に行くことはほとんどありませんでした。

こうして、東京で、メジャーリーグの本気の試合が見れること、まずないですよね。しかも、大好きなマリナーズの開幕戦。おそらく、一生で一度のチャンスでしょうね。気合い入れてチケット取りましたよ。4万円の大枚をはたきましたが、まぁ、シアトルに家族で行くことを考えたら、安いものです。

あれだけ好きだったマリナーズも、知っている選手はイチローだけになってしまいました。

試合結果はみなさんご存じだと思いますが、延長11回、シアトルマリナーズが勝ちました。しかも、イチローが5打数4安打の大活躍。たまらない試合になりました。

久しぶりに見た、メジャーの試合は、本当に静かで、テンポが速く、盗塁が多いのにびっくりしました。

マリナーズは、攻撃面はアクリーとイチローのみ、ピッチャーはヘルナンデスとリードだけ。ちょっと、シーズンで勝ち星を重ねるのは難しいなと言う印象でした。

あ〜、楽しかった。

2012.03.19

積ん読本2012年3月

最近、本の紹介が少ない、と、各所からおしかりを受け、紹介すべき本がだいぶたまっているのですが、少々事情があって、本の紹介が出来ずにいました。

このサイトで本の紹介をする際には、書影をAmazonからいただいたり、Amazonのリンクを作ったり、著者名や、出版社を拾ってきたりと結構面倒くさいのですね。そのため、Amazonのページで紹介したい本のページで、Bookmarkletを実行すると、下のようなHTMLタグをはき出すようなプログラムを作って利用していました。パブリックなサービスだと、Amazletとかありますが、カスタマイズできないし、ロゴが入ったりするので、頑張って、PerlやXLSTのプログラムを自作していたのです。

われながら、便利なプログラムで、愛用していたのですが、2月末くらいからこのプログラムが動かなくなってしまって、大変困っていました。今日、半日がかりで、ようやく修正が出来ました。

こういう時は、だいたい原因は簡単なわけで、Amazon Producting APIのバージョンの2009-07-01版が期限切れになっていて、2011-08-01版に指定し直さなければいけないというものでした。特に、XLSTファイルのヘッダー部分を直さなければならないのに、Amazon側でキャッシュされていて、なかなか変更が反映されないことに気づかず、4時間くらい、あーでもない、こーでもないと時間をつぶしてしまいました。シアトルにいるときは、日本に帰ったら、サンデープログラマーになりたいとか、思っていましたが、とても、そんな時間はないですね。プログラミングスキルが落ちているのに、こんなサイトを自前で維持していくのは段々つらくなってきました。

ということで、だいぶ、話はそれましたが、積ん読本と読了本の紹介です

東大医学部 - 医者はこうして作られる

著者:安川 佳美、出版社:中央公論新社 (2012-01-24)

この本は、医学部で教育に携わるものとして、大変、興味深く読ませていただきました。


二流小説家 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

著者:デイヴィッド・ゴードン、出版社:早川書房 (2011-03-10)

もともと、海外ミステリは苦手なのですが、あちこちで最優秀賞を取っているので読んでみました。通常、50ページを過ぎた頃から、引き込まれるように読むのですが、この本は、150ページを過ぎても、まだ引き込まれません。この後に、期待しています。


ロング・グッドバイ (ハヤカワ・ミステリ文庫 チ 1-11)

著者:レイモンド・チャンドラー、出版社:早川書房 (2010-09-09)

村上春樹が『ロング・グッドバイ』は、特別な一冊だと言っていたのがよくわかりました。ミステリー、ハードボイルドとして、最高の一冊です。

最近は、新しく出たミステリーを読むより、名著と誉れ高いミステリーを読むようにしています。どうせ、人生で読める本の数などたかがしれているのですから、ハズレをひいたらもったいないですもんね。


国際論文English査読・執筆ハンドブック

著者:C.S. Langham、出版社:医歯薬出版 (2011-09)

最近、査読の時の文章があまりに画一的になってしまうので、少し、幅を広げようと思って買ってみました。査読用の英文って、世の中に出回っていないので、貴重です。


医師のためのパフォーマンス学入門 ―患者の信頼を得るコミュニケーションの極意―

著者:佐藤綾子、出版社:日経BP社 (2011-12-15)

仕事上、必要かと思って。


ナラティブ・メディスン―物語能力が医療を変える

著者:Rita Charon、出版社:医学書院 (2011-08-24)

興味深いのですが、しばらく積ん読状態になっています。


必ずできる!iPadプレゼンテーション

著者:松茂 幹、出版社:日経BP社 (2011-03-24)

「モバイル仕事術」の改訂作業に、大いに参考にさせていただきました。ただし、この本が出てから、かなり、iPadの仕組みが進化しています。


男の隠れ家 2012年 04月号 [雑誌]

朝日新聞出版、2012-02-27

自分の机の上に積んどいたら、息子が興味深そうに手に取っていて、びっくりしました。本好きにはたまらない、一冊です。


シャンタラム〈上〉 (新潮文庫)

著者:グレゴリー・デイヴィッド ロバーツ、出版社:新潮社 (2011-10-28)

「徹夜必至の一冊」ということで、みんなが勧めるので、一応、買っておきました。上中下、三冊なので、これを読むのは夏休みですね。


理系のためのクラウド知的生産術 (ブルーバックス)

著者:堀 正岳、出版社:講談社 (2012-01-20)

堀さんの本は、かなり信用しています。ブルーバックスと言うことで、かなり手頃で、おすすめです。


ヤクザと原発 福島第一潜入記

著者:鈴木 智彦、出版社:文藝春秋 (2011-12-15)

暴力団専門ライターの方が、原発作業員に潜り込んで書いたノンフィクションです。


あんぽん 孫正義伝

著者:佐野 眞一、出版社:小学館 (2012-01-10)

佐野さんが書くと、ノンフィクションぽくなって、良い感じです。


全国 城攻め手帖

著者:風来堂、出版社:メディアファクトリー (2012-01-20)

この本、相当マニアな本ですが、城に不案内な私にも面白いです。この本片手に、全国の城めぐりをしてみたい。


飼い喰い――三匹の豚とわたし

著者:内澤 旬子、出版社:岩波書店 (2012-02-23)

名著『世界屠畜紀行』の続編的な本です。


2012.03.18

ささやかな喜び

なじみのレストランは、この辺では、飛び抜けた存在だ。何を食べてもおいしい。特に、パテ・ド・カンパーニュはおいしい。あえて、難点を指摘するとすれば、カルピスバターが置いてあるので、ついつい、パンを食べてしまい、家族三人、満腹なおなかを抱えてレストランを後にしなければいけないことだ。

今日は、随分気分が良いので、珍しく、強いお酒が飲みたくなった。私は、家ではハードリカーは飲まないことにしているが、いただき物の、響が一本だけ置いてある。響のロックを作って、何を読もうか、本棚をながめる。こういう気分の良いときは、短編小説だ。アルコールを飲みながらでは、長編小説の最後まではたどり着けない。村上春樹の「中国行きのスロウボート」を読むことにした。音楽は、ダイアナ・クラウルの「Live in Paris」。残念ながら、我が家には、立派なステレオはないので、Boseのノイズキャンセリングヘッドフォンを取り出した。BoseのノイズキャンセリングヘッドフォンのデモDVDがダイアナ・クラウルだったせいもあり、ダイアナ・クラウルを聞くときは、Boseのノイズキャンセリングヘッドフォンがベストマッチだ。

私の書斎だけは、我が家の中で唯一、フローリングの上にカーペットが敷いてある。昼間、息子と小雨の中、テニスをやっていたせいか、背中がかなり凝っている。カーペットの上に、グラスをおいて、背中を本棚の木枠に、押し当てて、一人整体をやりながら、短編小説を読み進める。

今週は、仕事でも、久しぶりに、他人を怒鳴りつけたいようなことがあったが。3時間、アタマを冷やして、グッと飲み込んだ。雑事のオンパレードに、やりたい仕事にたどり着けない毎日にストレスもたまるが、なんとか、原稿を書き上げて、編集者に送った。少し、心にゆとりが出来た。

こうやって、ささやかなことに喜びを感じられるのは、年を取ったせいなのだろう。でも、ささやかなことに喜びを見いだせるのは、幸せなことだ。

そんな風に、17回目の結婚記念日を、幸せに過ごした。

2012.03.17

iPhoneを海外で使う(2012年3月改訂版)

「海外パケットし放題」の内容を追加して、全面的に書き直しました。「新版 医師のためのモバイル仕事術: iPad/iPhoneを使い倒す!」にもまとめてありますので、必要な方は買って下さい。

 

旅行や出張で海外に赴く際に、日本国内で使っているiPhoneを持って行って使うときに役立つTIPSを、以下にまとめておきます。ここでは、Softbankを使って、米国とオーストリアに行ったときを例にとってご紹介します(海外パケ放題については、auはSoftbankと状況がかなり異なる(事業者を手動で選べない)のでご注意下さい)

■飛行機に乗ったらすること

1. 機内モードにする

機内モードは、携帯電話を使うことが禁止されている航空機内でもiPhoneが使用できるように、携帯電話の電波を送受信せず、Wifiもオフの状態に切り替えた状態です。

ただし、機内モードオンの状態でも、Wi-Fiのオンオフをマニュアルで操作することはできます。飛行機内では、Wifiはオフにすべきですが、他のシチュエーションで、携帯電波はオフにして、Wifiだけオンにしたい場合は、「機内モードオン+Wifiオン」にするとよいです。

2. 時間帯を変更する

「設定」アプリの「一般」-「日付と時刻」-「時間帯」で行き先の都市を設定するとiPhone全体のタイムゾーンが変更されます。

■海外に到着したら、まずすること

1. キャリアを選択する

さて、外国に飛行機が到着して、機内モードを切ると、いきなりブルッと来て、SMSが届きます。

海外で、iPhoneを使う際にもっとも気を付けなければいけないのは、パケット通信を日本と同じようにやってしまうことです。日本では、パケット放題がありますので、料金はかなり抑えられますが、海外のパケット通信は、パケット放題の対象外なので、数日で、10万円を超えるような料金が生じます。幸い、海外パケットし放題が2010年からソフトバンクのサービスとしてスタートしました。パケット量によって、1日1980円か2980円の定額制になっています。ただし、注意があって、すべてのキャリアが海外パケットし放題に対応していないと言うことです。

iPhoneはキャリアを検索して、自動的に接続しようとします。もし、「海外パケットし放題対象」を使うなら「海外パケットし放題対象」キャリアに手動で固定する必要があります。「設定」アプリの「キャリア」−「ネットワーク設定」で、キャリア「自動」を「オフ」にして、海外パケットし放題対象」キャリアをセレクトします。アメリカでは、AT&Tが「海外パケットし放題対象」キャリアなので、AT&Tを指定しました。

なお、どのキャリアが、「海外パケットし放題対象」なのかは、ソフトバンクのサイトに載っていますが、SMSでのお知らせにも、「海外パケットし放題対象」であることを知らせてくれます。

パケット通信を使う予定がないのであれば、基本的には、キャリアの選択は自動のままで問題ないでしょう。

2.データローミングがオフになっていることを確認する。

iPhoneは勝手にパケット通信をしてしまいますが、海外でのパケット通信は、パケ放題の対象外で従量制なので、海外でパケット通信をしたら大変な金額がかかります。海外滞在中はパケット通信は使わないという方は、念のため、オフになっていることを確認しよう(デフォルトではオフになっている)。

データローミングがオフになっていてもWifi経由でのデータ取得は可能です。一般的には、米国は日本に比べて無料Wifiアクセスポイントが多く見つかると言われているのですが、ホノルルでは、アップルストアぐらいしか見つかりませんでした。大学内も無線LANは飛んでおらず、筆者はスターバックスなどのコーヒーショップにある無料Wifiを利用していました。

3. 「海外パケットし放題」でパケット通信を使う

上記のように3G経由のパケット通信をオフにしてしまうと、WiFiのある場所でしか、iPhoneの機能のすべてが発揮できません。たとえば、海外の知らない土地では、マップは便利です。好きなときに、つぶやいたり、Facebookもやりたい。そうなると、「データローミング」をONにすることになるのですが、「海外パケットし放題」のおかげで、1日1980円(データ量によっては2980円)で可能になりました。

その場合に、一番大事なのは、先ほども書いたように、「海外パケットし放題」対象キャリアに「手動」で固定されていることを確認すること。それが確認できたら、「設定」アプリの「一般」-「ネットワーク」ー「データローミング」をONにします。これで、安心して、iPhoneのフル機能が使えます。

なお、1日の切り替えは、日本時間を基準にしているので、注意して下さい。日本の23時から1時までの2時間使ったとしても、2日分の請求が生じます。

ちなみに、私が、フィラデルフィア-ニューヨークに出かけたときの料金明細がありますので、ご覧下さい。

明細 料金
通話料 世界対応ケータイ(音声)(日本国内事業者宛) 280
通話料 世界対応ケータイ(音声)(海外事業者宛) 700
定額料 世界対応ケータイ 海外パケットし放題(3日間利用) 6,940
通信料 世界対応ケータイ(パケット(PCダイレクト))定額通信 124,910
 割引 世界対応ケータイ 海外パケットし放題 -124,910

つまり、もし、「海外パケ放題」を使っていなければ、パケット代として、12万円あまりが請求されていたと言うことですね。かわりに、海外パケ放題使用量1980+1980+2980=6940の3日分が請求されていたことです。iPhoneはやたらとパケットを使おうとしますので、私は、使うときだけ、ローミングサービスをONにして、その間に最低限をアクセス。それが終わったら、ふたたび、OFFにしておくというふうにしていました。そのおかげで、3日の内、2日は1980円で済んだようです。

■海外でiPhoneをどのように使うか

1. 通話もデータ通信もしない場合

海外でiPhoneを使う場合、国内で使うのとは違い、ローミング料金と言って、特別な料金がかかります。海外の場合は、着信者にも料金がかかるのが特徴なので、思い切って、電話を切ってしまうというのも一つの案と言えます。先ほどの機内モードをオンにすれば完了です。ただし、Wifiはオンにしておいて、無料Wifiを見つけて、インターネットが出来るようにしておくと良いでしょう。

2.電話機能だけを使い、データ通信は行わない場合

機内モードがオンになっていなければ、日本にいる相手とも国内同様に通話できますただし、先ほど触れたように、データローミングには莫大な費用がかかるのでやめておいた方が良いでしょう。「データローミング」がオフになっていることを確認しておきましょう。「データローミング」がオフになっていても、Wifiは使用できます。

iPhoneは3GとGSM(第2世代の通信規格)の2つの通信方式に対応していますが、米国は日本と違って、まだ3G電波網はあまり発達しておらずGSMが主流です。3Gでつながらない場合は、GSMに自動的に切り替えられます。基本的に、データローミングをオフにしているのであれば、3Gにするメリットはないので、3Gモードはオフにしておいてよいかもしれません。ちなみに、2010年のホノルルでは、一度も3Gマークは出なかったので、3G通話網はほとんど整備されていないと思われます。

iPhoneでひとつ問題があるのは、日本に電話するときに、いちいち、国際電話のプリフィクスを追加しなければいけないということであります。だいたいの海外対応携帯は勝手に国際電話のプリフィクスを追加してくれるのですが、iPhoneにはその機能がありません。そのため、090-xxxx-xxxxに電話するなら、+81-90-xxxx-xxxxをダイヤルしなければなりません。ちなみに、+は0の長押しです。さらにややこしいのは、日本からかかってきた電話が電話帳に登録してある相手でもプリフィクスが一致しないため、名前がわからないということです。

3.データ通信もする場合

「海外パケットし放題」によって、パケット通信料が1日最大1980円(データ量によっては、2980円)に押さえられる。くれぐれも注意して欲しいのが、「海外パケットし放題」に対応したキャリアを手動で指定しておくことです。

■まとめ

・iPhoneはそのまま海外に出かけても、「iPod touch + GSM携帯電話」として使えます。
・パケット通信は、データローミングを使わずに、Wifiを利用するようにしましょう。
・もしも、データローミングを使う必要がある場合は、「海外パケットし放題」に対応しているキャリアに手動で指定することを忘れないようにしましょう。

iPhone4はケースが必須ですね。楽天で好みのものを探して下さい。

追記

2012年4月にソフトバンクから、「海外パケットし放題」なるアプリが出ました。上記のことを理解しているとこのアプリで間違いなく、パケットし放題になります。海外に行かれる方は、事前に、インストールしておくことをおすすめします。

2012.03.16

第3世代iPadをゲット

第3世代iPadをGETしました。iPhone 4Sの時にさんざん、痛い目にあわされたので、銀座のApple Storeに並ぶことなく、ネットのApple Storeで買いました。発売当日の9時台にちゃんと配達されてきましたよ。ブラボー。

買ったのは、ホワイトの64G WiFiモデルです。カバーは、PRODUCT(RED)にしてみました。こいつはなかなかよいです。

iPadに関して言えば、第一世代は、結構使っていたのですが、Macbook AirとiPhoneを常に持ち歩くようになってからは、まったく使わなくなっていました。というわけで、iPad2もスルーしようと思っていたのですが、いろいろあって、半年遅れで買いました。当然のごとく、ほとんど使わず、、、。

それで、なんで、第3世代iPad(正式名称は、iPad3ではなく、「新しいiPad」というのだそうですが、ややこしいので、第3世代iPadと呼ぶことにします)をさっそく購入したかと言えば、2年前に出した、「医師のためのモバイル仕事術―iPad/iPhoneを使い倒す!」の改訂作業をしなければいけないという、差し迫った状況があるからです。特に、iPadを使ったプレゼンテーションはハードウェアの影響を受けるので、一通り、チェックし直さないといけないものですから。あと、うちの大学では、最近、教授会がiPadベースになったりしていて、今後、さらに、教学システムのデジタル化を私自身推し進めたいと思っているので、iPadを使って、いろいろテストしてみたいと思っています。

久しぶりに、今日は、iPad三昧ですが、iPadもなかなかよいですね。タイプは苦痛ですが、ビュワーとしては秀逸なガジェットと思います。

iPad2から第3世代iPadへの変更点は、それほど多くない(ディスプレイがだいぶよくなっていますが、私には、iPad2でも十分だった)ので、今、iPad2を持っているなら、買い換える必要はないかなと思います。初代iPadの人は、買い換えるとかなりよいと思います。

また、ちょこちょこ、iPadを使う上でのTIPSを紹介していきたいと思います。

2012.03.10

シアトルから帰国して10年

2002年3月に、2年9ヶ月過ごしたシアトルを離れ、東京に戻ってきました。つまり、今月で、帰国後、ちょうど10年と言うことになります。

あっという間の10年間ではありましたが、まだ10年しかたっていないのかという気もするくらい、遠い昔のような気がします。

シアトルへの研究留学は、本来の目的である、研究成果という点では、正直なところ決してほめられたものではありませんでした。何とか、英語の原著論文を2本書いたものの、当初の目論見からすれば、3年近く研究だけして、それだけかという感じです。「おまえの留学の最大の成果は研究留学ネットだったな」と言われれば、「はい、その通りでございます」というしかありません。

ただ、シアトルへの2年9ヶ月のシアトルでの生活がわたくしの考え方に大きな変化を与えたことは間違いありません。私の最大の長所でもあり、短所であるのが、「器用貧乏」なところ。でも、シアトルで多様な人たちに会い、アメリカの多様性を尊重するという考え方に触れたおかげで、「器用貧乏で何が悪い、やれるんなら、おまえらやってみろよ」と開き直れるようになりました。

日本に帰国してからは、研究一辺倒から、臨床、教育どれにも力を入れました。そして、家族との時間も大切にするようにしました。3年前からはテニスも始めました。友人関係も、あえて、外向きに広げ、同じ科の人より、他の科の人。同じ大学の人より、他の大学の人。同じ業種の人より、異業種の人と会う機会をつくるように心がけてきました。本もたくさん読むようになりましたし、あらゆるものへの好奇心を大切にしてきました。

そうした中で、器用貧乏な人間にも生きる道はちゃんとあると言うことがわかってきました。器用貧乏は、よく言えば、多才な人でもあるんですね。そう言う観点で、今は、重宝がられています。

器用貧乏道をきわめてやる、今は、そう考えてやっていますし、次の10年間も変わらず続けていきたいと思います。

シアトルから帰国したときに、写真をもとに、短いPVをつくりました。残念ながら、原本はなくしてしまったのですが、こちらのWebには残っています。本人としては、相当よくできていると思っています。

2012.03.07

今さら気づいた「エクスプレス予約」の便利さ

ただいま「医師のためのモバイル仕事術―iPad/iPhoneを使い倒す!」の改訂作業中のゆえ、しばらく、iPhoneとiPad関連の記事が集中するかと思いますが、お許しを。

私も1年ほど前から使い出したのですが、本当に便利なのが、「エクスプレス予約」。

「エクスプレス予約」は、東海道山陽新幹線をネットから予約できる会員制サービスです。クレジットカードを新規に作らなければいけないのですが、会員になると、スイカのようなEX-ICという非接触カードが送られてきて、チケットレスで、新幹線の改札を通れます。この非接触カードも優秀で、スイカと重ねておくと、自動的にスイカと使い分けてくれるので、私の定期では、常に、EX-ICとスイカが入っています。

「エクスプレス予約」は、普通に切符を買うより割安で、ポイントがたまるとグリーンにアップグレードとかもあって嬉しいのですが、私的に「エクスプレス予約」を一番気に入っているのが、発車時間の6分前まで、何回でも新幹線の予約変更が可能なこと。「EX489 新幹線予約」がiPhoneに入っていれば、「あと10分ある、前の便に変更!」という感じで使わせていただいていて、イラチな私には嬉しいアプリなのです。

一応、非公式なので、もしかしたら、JRが公式アプリを出すかもしれませんが。ちょっと、セキュリティ的に問題があったりするので。

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