本の紹介「スティーブ・ジョブズ I」
今どの本屋でも大量山積みの本です。スティーブ・ジョブズ本は、過去にもたくさん出されていますが、どの視点から書くかで、まったく異なる本になってしまう。それくらい、スティーブ・ジョブズの人生が波乱に満ちていて、気性も激しかったと言うことでしょう。近年は、iPhoneのヒットや、プレゼンテーションのうまさから、ポジティブに評価している人が多いですが、暗黒の時代のアップルを知っている立場からすると、決してよいところばかりではありません。
本書「スティーブ・ジョブズ I」は、スティーブ・ジョブズ本人が、取材をOKし、自伝として公認した唯一の本です。というか、むしろ、死期を予感し、子供の達に自分がどんな人生を送ってきたか、正確に書いて欲しいと、アメリカ を代表する伝記作家ウォルター・アイザクソンに依頼したと言われています。書いた内容について、一切文句を言わないから書いて欲しいと。
伝記作家ウォルター・アイザクソンらしく、非常に緻密で第三者の立場をかたくなに守っているというのが本書の特徴とも言えます。本書を読むと、傍若無人なスティーブ・ジョブズに驚くかもしれません。
上巻では、スティーブ・ジョブズがアップルを追い出されて、NeXTと立ち上げ、ピクサーを買い取った当たりまでを描いています。私が、Macに触れ始めたのは、20年前ですから、ちょうど、上巻の内容は、私がMacに触れ始める前のところまでになります。
写真がふんだんに掲載されているわけでもありません。是非とも、ネットでApple IIやMacintoshの写真を探して、それを見ながら、読んだらいいと思います。また、1984年のMacintoshの発表会がどれだけ熱狂的だったのか、、Youtubeの動画を見ながら読めば、楽しいと思います。伝説の1984のコマーシャルも、現物を見た方がよいです。たくさんの登場人物がいますが、それをWikipediaで追っかけてもおもしろい。
この本は、スティーブ・ジョブズ正史とも言えるものです。淡々として、客観的な視点の本ですが、それでも、スティーブ・ジョブズの人生があまりに波瀾万丈なので、面白すぎます。
明日は、ちょうど、下巻「スティーブ・ジョブズ II」が届きます。楽しみ。