本の紹介「誰も教えてくれなかった診断学」
「誰も教えてくれなかった診断学―患者の言葉から診断仮説をどう作るか」
著者:野口 善令、出版社:医学書院 (2008-04-01)、ASIN:4260004077【amazon.co.jp】
多くの方が、診断学のテキストとして、薦める本書。しかし、すでに絶版となっており、Amazonのマーケットプレースで、倍近くのお金を払って手に入れました。
この本は、レジデント向けというより、レジデントや学生に臨床推論を教える指導者向けの本だと思います。私も、年間を通して、学生に臨床推論を教えていますが、なかなか自分では言葉にまとめ上げられなかった臨床推論での頭の使い方を明文化している名著だと思います。
ただ、この本は、あくまでも、臨床推論を教えるための方法論を解説しているだけで、実際に臨床推論を教えるためには、様々な症候、場面に応じた「カード」を作っていなければいけません。だから、指導者も、この本の方法論に基づいて、「カード」を研究医・学生と作っていく必要があります。本書が、カード作りに役立つ書籍としておすすめしているのが、以下の書籍。
「10分間診断マニュアル 第2版 -症状と徴候-時間に追われる日々の診療のために-」
「Saint-Frances Guide to Outpatient Medicine (Saint-Frances Guide Series)」
「Primary Care Medicine: Office Evaluation and Management of the Adult Patient (Primary Care Medicine ( Goroll ))」
「診察エッセンシャルズ―症状をみる危険なサインをよむ」
「セイントとフランシスの内科診療ガイド 第2版」
「研修医当直御法度―ピットフォールとエッセンシャルズ」
「研修医当直御法度症例帖」
「救急総合診療Basic20問―最初の1時間にすること・考えること (総合診療ブックス)」
「ERの哲人―救急研修マニュアル」
カード作りには熱心で優秀な指導者が必要です。
いずれにしても、医学書院は、ちゃんと、増刷して、この本を普及すべきと思います。