本の紹介「1秒もムダに生きない 時間の上手な使い方」

「1秒もムダに生きない 時間の上手な使い方 (光文社新書 525)」

著者:岩田健太郎、出版社:光文社 (2011-06-17)、ASIN:4334036287【amazon.co.jp

このタイトル、岩田先生の本でなければ、買わなかったです。

本書は、岩田健太郎先生のタイムマネジメント術、さらにはライフハック術を紹介した本です。

「1秒もムダに生きない」タイムマネジメント術が満載で、圧倒されるのではという不安がありましたが、読み進むうちに、そうではないことがわかり、ホッとしました。岩田先生は「1秒もムダに生きない」という生き方を、読者に強要しているわけではありません。ご自身も、「トースト、バタージャム、サラダ、コーヒーという朝のアイテムをしっかりと楽しむ。ここに長い時間をかける」「休憩をしっかりする、休養をしっかりとる」とおっしゃっています。本書で伝えたいことは、「時間を削り取り、時間を慈しむ。この相矛盾する態度をうまく混在させて、時間を上手に使っていく」ということです。

「1秒もムダに生きない」生き方は私にはできません。むしろ「他人から見たらムダと思われるようなこと」を大切にしています。もちろん、ムダの定義は非常に主観的なものですが、、、。仕事の切れ目に、学内をふらふら歩いて、同僚や後輩と会って、無駄話をする。そういう時間を大切にしたいと思っています。飲みに誘われたら、よっぽどのことがない限り断りません。結構、緊急の仕事が詰まっていても、ついつい行ってしまうのです。自分がやるべき仕事はきちんとやっているつもりですが、その上で、本業とはあまり関係のない本を書いたり、こんなブログを書いたりしています。でも、それら「他人から見ればムダなこと」が、自分が自分であるための、かなり本質的なものであるのです。

私自身、時間の使い方は下手くそです。だから、「ライフハック本」とか「タイムマネジメント本」を読むことは大好きです。ただし、そう言う本を読むときには、なるべく、本とは距離感を持ちながら読むようにしています。つまり、「こうしろ!」とか「あなたのここがダメ!」といった意見はさらっと流し、自分に役立ちそうなことだけ、参考にすると言う感じです。

本書には、岩田先生らしい、たくさんのライフハック術、タイムマネジメント術が紹介されています。

「テストの採点は、テストの日にやる」これは、私も心がけていることのひとつです。頭が一番集中している(ノっている)時に、関連したことを一気に済ませてしまうと言うことですね。似たようなこととして、私の場合、講義の準備は、前年の講義の直後にするようにしています。講義をおこなっていると、スライドをこうしておいた方がよかったなとか、この話題には触れなくてもよかったなという反省があります。そういう反省点や改善点は、時間がたつと忘れてしまうので、講義の直後に、全部やってしまうのです。あっ、もちろんん、毎年、同じ講義をやっているわけではありませんよ。反省点はその日のうちに反映させてしまうという意味です。

「パソコンとは適度につきあう」これも、そうですよね。私は、コンピュータおたくのように誤解されていますが、基本的に、コンピュータやOSはデフォルトのまま使う人間です。ハードウェアとか、ソフトウェアをいじり出すときりがないのがわかっているので、「コンピュータに振り回されずに、コンピュータを使いこなす立場でいたい」と思っています。

「三日坊主はかまわない」「翻訳の薦め」「スライドを使わない講義」「自分の知らない世界と出会う」などなど、他にもたくさんのライフハック術が紹介されています。


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