2011.03.28

宮崎駿監督 大震災への思い語る

多くの事実を冷静に科学的に考えてみれば、センセーショナル過ぎると(日本のマスコミでは)言われている、海外の報道が正確で冷静なのだと、判断せざるを得なくなっています。

asahi.comで読んだ宮崎駿監督の言葉が心にしみたので、紹介しておきます。

「残念なことに、私たちの文明はこの試練に耐えられない。これからどんな文明を作っていくのか、模索を始めなければならないと思う。誰のせいだと言う前に、謙虚な気持ちでこの事態に向き合わねばならない」

この言葉は、スタジオジブリの新作映画「コクリコ坂から」の主題歌発表記者会見での言葉ですが、全文を探していたら、日経の記事を見つけました。長いですが、引用しておきます。

宮崎です。こういう発表会(主題歌発表記者会見)をやるのがいいかどうかという問題があったんですが、あえてやろうと思いました。今このときも埋葬もできないままがれきに埋もれているたくさんの人たちを抱えている国で、しかも今、原子力発電所の事故で国土の一部を失いつつある(可能性もある)国で、私たちはアニメーションを作っているという自覚を持っています。

 自分たちはとにかく停電になっても仕事を続けよう。なぜなら郵便配達の人は郵便を配っているし、どんなに渋滞が起こってもバスの運転手はバスを放棄しないで待っていますから、我々も仕事を続けようということで。コンピューター関係は電気が落ちるとちょっと混乱が起こるもんですから、いろいろ体制を考えて夜勤体制にしましたが、絵を描く方は停電になっても窓際でも描けるから、鉛筆と筆のセクションはとにかくこのまま仕事を続けるという体制でやってきました。

 それともう一つ。今、この歴史的な事件をはさんで自分たちの作ろうとしている映画がこの時代の変化に耐えられるのかどうか、というのは僕らの最大の関心だったんです。私は企画と脚本しかやっていませんので、映画の出来上がりについてはよく分かりませんが、今この企画を自分たちが作っていたのは間違いではなかったというふうに思っています。

▼一問一答

――「この企画が間違っていない」と思った理由は。

 流行(はや)っているものはやらない、というのがジブリの誇りでした。しかし、あまりにも自分たちを取り巻く(世界)、自分たちの生活そのものもよどんできて、不安だけが(途切れなく流れる)通奏低音になっているような時代にいったい何を作るのかということを自分たちは問われているんだと思います。そういう意味でこのヒロインの海という少女の願いや少年の雄々しく生きようという気持ちはこれからの時代にも絶対必要なものだと思います。

 残念なことに私たちの文明はこの試練に耐えられない。だからこれからどういう形の文明を作っていくか、ということの模索を始めなければならないと思います。誰のせいだとかあいつのせいだとか言う前に、敬虔(けいけん)な気持ちでその事態に向き合わなければならないと思います。今、何十万の人間が寒さに震え、飢えに震え、それから放射能の前線に立っているレスキューや自衛隊員や職員のことを思うと、その犠牲に対して感謝と……、誇らしく思います。文明論を軽々しく語る時ではない、敬虔で謙虚な気持ちでいなければならないと思いますが、この映画がこの時代に多くの人たちに何かの支えになってくれたらうれしいなと思っています。

――震災が今後の作品にどう影響を与えるか。

 実はもう次の自分の作品の準備に入ってまして、その作品を全く変更する必要がないというので胸を張ってやれると思ってます。まぁ、この年(70歳)ですから思ったように手は動きませんが、この企画を進めていこうと思います。ただ、物質的な条件やいろいろな条件がこれから変化するでしょうから、前と同じような感じで映画を作り続けることができるかどうかは、まだ私たちは分かりません。それでもそれに向かって進んでいこうと思っています。

――被災地の人たちへの支援の予定はあるか。

 具体的にもうすでにプロデューサーを通して、できる限りのことはやっています。それからいろいろな計画もありますが、それはプロデューサーの方から機会があれば報告すればいいと思います。一番必要なところに一番必要なものを届けるしかありませんから。今、感傷的にただお金を出せばいいということではないと堅実な方法を選ぼうと思っています。もうすでに始めています。

――監督は以前の映画「崖の上のポニョ」で水没で被災した人々を、住民が大漁旗を掲げた船で助けに行くシーンを描いた。どんなときでも明るく頑張ってほしいとの希望をこめたと語っていたが、今、改めてこういう状況(震災や津波)が起きて、どんな思いか。

 私たちの島は、繰り返し繰り返し地震と火山と台風と津波に襲われてきた島です。それでも実はこの島は、非常に自然の豊かな恵まれた国だと思います。多くの困難や苦しみがあっても、もう一度、もっとより美しい島にしていく努力の甲斐のある土地だと思います。今は本当に、埋葬されない人をいっぱい抱えながら、あまり立派なことは言いたくありませんが、この自然現象の中で国を作ってきたわけですから、そのこと自体を僕らは絶望したりする必要はない。むしろ「プロメテウスの火」(原子力)をどうコントロールできるのか。本当に国土の一部を喪失しつつある事態になりつつありますから、この事態にどう対応できるのかが問われている。私はもうこの年ですから、この土地から一歩もひかないと決めています。

 風評被害とか、乳幼児の水については本当に配慮しなきゃいけないのに、僕らと同じような年の人が水のビンを買いに並ぶなんてもってのほかだと思います。人民の愚かさもマスコミは糾弾してほしいと思います。僕がいつもパンを買うパン屋のおやじは、地震の翌日からいつもより早く起きてパンを焼いてくれて、スーパーに並ぶ人たちがパンが買えないという日でも、僕はパンを買うことができました。このパン屋のおやじや、それからいつも差し入れにお団子やお菓子を買う店も作り続けてくれている。だから僕らも映画を作り続けようと思います。

 今、僕は文明論的に高所からいろんなことは語りたくない。死者を悼むところにいたいと思います。

2011.03.24

選抜高校野球の選手宣誓がすばらしかった

第83回選抜高校野球大会での創志学園 野山主将による選手宣誓が本当にすばらしかった。

魂のこもった選手宣誓だった。

2011.03.21

1冊目脱稿

今年は、外への発信というテーマを掲げています。ようやく、第一弾の単行本が脱稿できました。

今まで、5冊の本に関わっていますが、実は、本当の意味での単著は書いたことがありません。この本は、初めての単著になります。アメリカから戻ってきて、9年間やってきたことの総決算にしたいという思いで、書き上げました。自分の中での思いが強すぎて、わがままばかり言ってしまい、編集者の方にはとても迷惑をかけてしまいましたが、なんとか、最終締め切りに間に合いました。

脱稿は、あくまで脱稿であって、発刊までには、まだまだたくさんの編集作業が残っているわけですが、この後は、編集者の方が舵取りをしてくれるので、原稿という、かわいい子供が無事巣立っていったという気持ちです。6月中旬に上梓される予定。

今日は、久しぶりに、代々木のマッサージ屋で、ゴリゴリしてもらい、もつ鍋とホッピーで一人乾杯。夜は、久しぶりに小説を読もうと思っています。@bodyhacker氏おすすめの、「神の子どもたちはみな踊る」にする予定。

2011.03.19

スーパームーン

今日は月が過去18年で最も地球に接近するスーパームーンが見れる。しかも、100%満月が重なる「エキストリーム・スーパームーン」が見れるのだ。普段より14%大きく、30%明るいらしい。

うん。確かに、明るい。被災地の夜の作業が少しでもやりやすくなるといいですね。

2011.03.16

東日本大震災

3月11日に起きた東日本大震災の被害に遭われた皆様に、心よりお見舞い申し上げます。

被災地、原発の現場で復旧に体を張って頑張っていらっしゃる方々に、感謝申し上げます。

私に関して言えば、当日、自宅まで4時間徒歩で帰宅しましたが、大きな被害は受けませんでした。

本日、同僚たちも、被災地へ出発し、東京の透析医の間では被災地の透析患者さんの受け入れが始まっています。私も、自分のできることを、精一杯やっていきたいと思います。

今回、いち早く、Person Finderを立ち上げ、その後も、計画停電マップ、Google 自動車・通行実績情報マップと、短時間で次々とみんなが欲しい情報を提供する、Googleのすごさを思い知りました。これらの情報は、http://goo.gl/saigaiに集約されています。

2011.03.07

音楽の紹介「冨田恵一 WORKS BEST~beautiful songs to remember~」

今日は「冨田恵一 WORKS BEST~beautiful songs to remember~」を紹介したい。

私が、冨田恵一氏を知ったのは、キリンジのプロデューサーとして。

最近、少し、キリンジから気持ちが離れてきたのは、やっぱり、キリンジごしに冨田恵一氏が好きだったからだと思っている。キリンジはデビューから7年間、冨田恵一氏がプロデュースし、数年前から、冨田氏はキリンジのプロデュースから離れている。

冨田恵一とかキリンジとか知らないという人にも、冨田恵一氏がプロデュースした作品として、中島美嘉「Will」、MISIA「Everything」、平井堅「Ring」をあげれば、きっとわかるだろう。ストリングを多用した、重厚な編曲で、慣れてくれば、これは、冨田氏のプロデュースであるとするわかるようになる。

冨田氏は、冨田ラボとして、「シップビルディング」「shiplaunching」「shipahead」の3部作を出している。どれも、名盤である。そして、2005年におこなった冨田ラボのライブを収めたDVD「Tomita Lab Concert」は傑作である。

冨田恵一 WORKS BEST~beautiful songs to remember~」は、これまで、冨田氏がプロデュースしてきた作品を集めたベスト盤なのだが、このアルバムが、決して、単なるベスト盤ではないことは、Disc 1の第一曲目に持って来た新曲「エイプリルフール」(歌:坂本真綾)でわかる。

冨田恵一氏に興味を持ったら、是非、このアルバムを買ってみて欲しい。できれば、初回限定版を手に入れて欲しい。初回限定版には、冨田氏が、「エイプリルフール」を一から作り出すドキュメンタリーDVDが付いてくる。これを見れば、曲が、歌手のものではなく、プロデューサーの作品であるというのがよくわかる。

今年はライブもあるそうだ。前回、いけなくて悔し涙を流したので、絶対にチケット取ってやると思っている。

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