2010.10.26

MacBook Air (Late 2010) ゲット

MacBook Air (Late 2010、MC504J/A)が予定通り、上海から届きました。

いきなり、泣かせることが書いてあるなぁ。

メインマシンとして使うので、迷うことなく13インチを選び、出来うる限り、スペックをあげたかったので、256GBのSSD、4GBのメモリ、2.13GHz Intel Core 2 Duoを選択。

私にとって、MacBook Airは第1世代(Early 2008、MB003J/A)、第3世代(Mid-2009、MC234J/A)に続く、3台目になります。第1世代から第3世代に移行したときには、SSDにしたせいもあって、強烈に早くなりました。それが、第4世代になって、どれだけ快適になっているのか、大変楽しみであります。

さて、楽しみなのですが、今すぐ使うかちょっと悩んでいます。

私は移行アシスタントを信用していないので、新しいマシンを買ったときには、ソフトをすべて入れ直すようにしています。ソフトのインストールに、半日費やします。データの移行はMobile Meのおかげでだいぶ楽になっていますが、それでも、2時間くらいはかかります。ということで、今週、どこかで、末一日セットアップする時間があるか???あと、27日に発売になる、Office 2011をどのタイミングで導入するかも悩むところ。

贅沢な悩みではあります。

2010.10.22

医学中央雑誌編集委員会に出席しました

今年から、医学中央雑誌編集委員に選んでいただき、初めて、編集委員会に出席してきました。編集委員長をはじめ、そうそうたる顔ぶれなので、まさに末席を汚している感じです。

すでに、医学中央雑誌は冊子体としては存在しないので、編集委員会という名称があまりフィットしていない感じなのですが、医中誌WEBの現状や、今後の展開が議題に上りました。来年、いよいよ医中誌WEBもver 5にバージョンアップし、かなりの機能が追加されるようです。詳細はまだお話しできませんが、私が以前から要望している機能もいくつか取り入れられるようです。

さて、せっかく編集委員にさせていただいたのだから、医学中央雑誌がどうあるべきかという意見を書いておきたいと思います。これは、2009年7月に医学中央雑誌ユーザー会で講演させていただいたときにもお話しさせていただいたことです。

  1. 医学研究者が和書データベースに求めることを理解し、それにフォーカスしたデータベースを目指すべきである。
  2. 症例検討に力を入れて、将来、症例検討データベースとして使えるようにすべきである。
  3. 総説(医中誌WEB上は「解説」に分類される)に力を入れ、雑誌の特集一覧を作るべきである。
  4. 会議録の抄録をすべてのせて、会議録データベースを作るべきである。ただし、会議録の抄録をつけるには大変な手間がかかるので、UMINと協力して、UMINの会議録データベースを使わせてもらえるような交渉をすべきである。
  5. 和文原著のエビデンスレベルは低いので、エビデンスタグの設定に無用の手間をかけるべきではない。
  6. 看護の方は、医学研究者とは少し違う利用の仕方をしており、看護の方向けの検索フォームがあってもよい。
  7. 医中誌内で、研究開発を奨励する風土を作り、あらたな事業を少しずつでもおこなっていくべきである。

少しずつ、医中誌が変わっていくのを楽しみにしています。

2010.10.20

なぜ、この10年間で、研究留学する人が減ったのか

このサイトも、研究留学とかいう名前が付いているので、たまには、こんな話題にも触れておこう。

読売新聞のこの記事である。

 共同研究などのため海外に長期(31日以上)にわたって派遣される国内の研究者が、ピーク時の半分以下に減少していることが7日、文部科学省の調査でわかった。

 今年のノーベル化学賞受賞が決まった日本人2博士は、海外での切磋琢磨が業績の原動力になったとされる。現在の日本人研究者の内向き志向が改めて浮き彫りになった。

 調査結果によると、国公私立大などの研究機関から昨年度、教員など所属機関との雇用関係を維持したまま海外に派遣された研究者は3739人。ピーク時の2000年度は7674人だった。

 文科省は派遣研究者の増加を目指して支援策を拡充しているが、減少傾向が続いている。担当者は「日本の研究環境が整い、あえて海外に挑戦する研究者が少なくなっている面もあるのではないか」と話す。

誰が言っているのか知らないが、あきらかな分析間違いである。

私も、「研究留学ネット」を初めて10年を超えるが、その間、研究留学する人がじりじり減っていることはよくわかっていた。自分の印象も10年間で半分以下というもので、文科省の調査と一致している。しかし、減っている理由として、「日本の研究環境が整い、あえて海外に挑戦する研究者が少なくなっているから」というのは分析が間違っている。

ここでは、海外へ研究留学する研究者が行く人数が圧倒的に多いアメリカの場合を考える。

1990年代に、アメリカに研究留学する研究者の半分以上がMD研究者であったと思われる。ここでは、MD研究者の研究留学のよしあしには議論しない。MD研究者の中でも、国立大学の教員には、休職制度というものがあり、2-3年間の留学中の給料のサポートもあれば、日本に帰ってきてからのポジションも確保されているという大変恵まれた制度であった。しかし、2000年前後に、国立大学が独法化の流れで、休職制度を利用して留学することは難しくなった。

休職制度が利用できなくても、MD研究留学者の場合、日本に帰国しても職にあぶれることは基本的にはない。アカデミアに残れなくても、医師として働くことはできる。しかし、MDにとって、留学という箔をつけるより、専門医という箔をつけることを望む人が増え、研究留学を指向する人が減った。これは、臨床研修医制度の改革の影響が大きい。

一方、非MDの人にとっては、ポスドク1万人計画のおかげで、有期のポジションが増えた反面、常勤のポジションの競争が激烈になり、海外に渡って長期的に業績をあげて、よいポジションを狙うより、日本に残ってコネを大切にした方がよいと判断する人が増えた。

2001年のテロ事件の影響で、アメリカの治安が低下したが、それを嫌って、一時的にアメリカを敬遠する人たちが増えた。 911と関連し、ブッシュ政権は、研究費を減らし、国防費に回したため、アメリカの多くの研究室の経済状況が悪くなり、ポスドクで雇用できる枠が減ったことも、日本からの留学者にはマイナスに働いた。

この4つが研究者の留学指向が減った理由だと私は思っている。

2010.10.12

本の紹介「残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法」

「残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法」

著者:橘玲、出版社:幻冬舎 (2010-09-28)、ASIN:4344018850【amazon.co.jp

この作者の著作はたびたび手を伸ばしてしまうのだが、残念ながら、心地よい感覚が残って読み終えたことがない。本書もそうだった。テーマ設定は秀逸で、盛り上げ方は上手なのだが、中身がうすい。

本屋で私の目をひいたのは、「自分を変えることができるか」「他人を変えることができるか」という、第1章と第2章の目次である。著者は、最近話題になった勝間和代と香山リカの論争からスタートして、自己啓発を否定し、「自分を変えることはできない」と主張している。また、第二章では、オウムからスタートし、「他人を変えることもできない」と主張する。

本書のスタイルは、動物行動学や心理学、脳科学から様々な例が引きながら論を進めるというものである。それぞれの引用自体は興味深いものだが、それらの引用をつないで、主張につながる糸が見えてこない。本書の最終的な主張は、帯にも書いてある「伽藍を捨ててバザールに向かえ!」「恐竜の尻尾のなかに頭を探せ!」なのだが、その結論自体は、ここ5年間くらいで言い古されているものなので、理解できるとしても、「自分を変えることはできない」「他人を変えることもできない」ことから、どうつながっているのか、まったくわからなかった。

理解するために、もう一度読み直そうか悩む。でも、きっと、読み直しても理解できない気がする。

あっ、ちなみに、私の考えは、「自分を変えるのはかなり難しい」そして、「他人を変えるのはもっと難しい」である。だからといって自己啓発や宗教を否定するつもりはまったくない。


2010.10.10

本の紹介「大金持ちも驚いた105円という大金」

「大金持ちも驚いた105円という大金」

著者:吉本 康永、出版社:三五館 (2009-05-22)、ASIN:4883204685【amazon.co.jp

成毛眞ブログで紹介されていて気になった一冊。

私は、本書で「せどり」という職業というか、ビジネス手法があることを初めて知った。

著者は、地方の予備校教師にして、定年を間近に控え、4000万円のローンをかかえ、路頭に迷いそうになる。若いときからたくさんの本を読んでいて、たまたま、手元にある本をアマゾンマーケットプレースに出品したら高く売れたことをきっかけに、「せどり」稼業に精を出すようになる。

ブックオフの105円コーナーの中で、高い値が付きそうな本を見つけて買い求めては、それを、それなりの値段をつけて、アマゾンマーケットプレースに出品するという形で利益を得ていく。このように、「同業者の中間に立って品物を取り次ぎ、その手数料を取ること」を「せどり」という。

著者は結局、予備校の仕事はやめて、「せどり」稼業に専念し、月に100万円を超える売り上げを得るようになる。ただ、それだけの本なのだが、彼の独特の文章力と、ところどころにはさまれる、高額で売れた商品の紹介に引き込まれて、あっという間に読み切ってしまった。

私は、一度だけブックオフに蔵書を売ったことがあるが、その値の付け方にあきれ果ててしまった。ブックオフの買い取り値の根拠がどのようになっているかはわからないが、少なくとも本を愛して、価値の高い本に高い値をつけるという方法ではなかった。

そこに、105円コーナーに価値のある本が紛れ込むという余地が生まれる。そのような、価値より安く売られている本をめざとく見つけるのが、「せどり」屋なのである。また、アマゾンマーケットプレースという仕組みが、リアルの古書店を開かなくても、本をさばけるという機会を与えてくれている。

だから、本の価値に無頓着なブックオフとアマゾンマーケットプレースという場が、たまたま作ってくれたビジネスチャンスであり、おそらく、「せどり」の市場は大きなものではなく、たくさんの業者が参入できるものではないし、いつ崩壊してしまうかわからないビジネスモデルである。

私は、前から、アマゾンマーケットプレースで1円で売られている本があることが不思議でならなかったが、この本を読んで、1円でも儲けることの出来る仕組みがわかった。1円で出品されている本でも、発送料として、お客は、360円が取られる。ただし、このとき、amazonから出品者に払われるのは260円+1円である。普通は、赤字になるわけだが、大手の古本屋だと、大量発送することで、宅配料の割引を受けることで、なんとか、261円以下で発送できるらしい。まぁ、それでも、1冊で、数十円の利益にしかならないのだが。

著者は、最高1ヶ月に150万円ほどの売り上げがあったようだが、その場合、純利益は、半分弱だそうだ。しかし、これだけの売り上げを得るためには、毎日何カ所ものブックオフをまわり、家には、10000冊を超える在庫を抱える必要があるとのこと。サイドビジネスで「せどり」稼業をしても、せいぜい、10-20万円の売り上げしか期待できないようである。

私は、こういう、裏稼業というか、自分の知らない世界を覗くのが好きなので、とてもおもしろく読めた。


2010.10.01

2010年9月に売れた本

9月の研究留学ネットを通して、amazon.co.jpで購入された書籍の紹介です。今月は、今までの中で、もっとも書籍が売れた月になりました。それを牽引したのは、「科研費獲得の方法とコツ」でした。とんでもない数がうれました。

  書名    
1 科研費獲得の方法とコツ amazon.co.jp 本blog紹介記事
2 切磋琢磨するアメリカの科学者たち~米国アカデミアと競争的資金の申請・審査の全貌 amazon.co.jp 本blog紹介記事
3 研究留学術~研究者のためのアメリカ留学ガイド amazon.co.jp 本blog紹介記事
4 プレゼンテーション Zen amazon.co.jp 本blog紹介記事
5 最新EndNote活用ガイド デジタル文献整理術 amazon.co.jp 本blog紹介記事
6 君たちに伝えたい3つのこと―仕事と人生について 科学者からのメッセージ amazon.co.jp 本blog紹介記事
7 相手の心を動かす英文手紙とe‐mailの効果的な書き方―理系研究者のための好感をもたれる表現の解説と例文集 amazon.co.jp 本blog紹介記事
8 JMP活用 統計学とっておき勉強法~革新的統計ソフトと手計算で学ぶ統計入門 (ブルーバックス CD-ROM) amazon.co.jp 本blog紹介記事
9 プレゼンテーション Zen デザイン amazon.co.jp 本blog紹介記事
10 プロフェッショナルの条件~いかに成果をあげ、成長するか (はじめて読むドラッカー (自己実現編)) amazon.co.jp 本blog紹介記事
11 ポスター発表はチャンスの宝庫!~一歩進んだ発表のための計画・準備から当日のプレゼンまで amazon.co.jp 本blog紹介記事
12 医学・生物学研究者のための 絶対話せる英会話―研究室内の日常会話から国際学会発表まで amazon.co.jp 本blog紹介記事
13 医師のための海外留学戦略アラカルト amazon.co.jp 本blog紹介記事
14 研究資金獲得法 ~研究者・技術者・ベンチャー起業家~ amazon.co.jp  
15 iPhone 4 Style Book iOS 4対応版 amazon.co.jp 本blog紹介記事
16 これから論文を書く若者のために 大改訂増補版 amazon.co.jp 本blog紹介記事
17 国際学会のための科学英語絶対リスニング―ライブ英語と基本フレーズで英語耳をつくる! amazon.co.jp 本blog紹介記事
18 アクセプトされる英語医学論文を書こう!―ワークショップ方式による英語の弱点克服法 amazon.co.jp 本blog紹介記事
19 Illustratorのやさしい使い方から論文・学会発表まで amazon.co.jp 本blog紹介記事
20 アット・ザ・ヘルム―自分のラボをもつ日のために amazon.co.jp 本blog紹介記事

書籍以外では圧倒的にレーザーポインタが人気です。リモコン付きレーザーポインタの紹介記事を読んで下さっている方が多いのだと思います。サシ-41が再び首位を奪い、それとほぼ拮抗して、廉価版グリーンポイントレーザーのロジクールR800が人気です。3位以下のELA-GU94、、サシ-81Nサシー51Nという順です。

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