2009年のベスト~力になった言葉~
2009年、私自身、たくさん悩みました。その中で、自分にとって、とても力になった言葉を紹介します。一つは、すでに、紹介しましたが、島岡さんの書かれた、研究者の仕事術(紹介記事)の前書きにある言葉です。
今までの蓄えをうまく使ってあとは楽して逃げ切りたいという、私が“ヘタレ”と呼んでいるマインドセットを、私自身を含め多くの人が心に片隅に持っているのではないでしょうか。
(中略)
研究者がプロフェッショナル/エキスパートを目指す過程では、仕事の最大の報酬とは人間的な成長なのです。成長にともないより大きな仕事に取り組むチャンスが巡ってくるので、決して楽になることはありません。楽しいことも増えますが、同時に苦しいことも増えるのです。これがプロフェッショナル/エキスパートとして働き・生きることの醍醐味なのです。自分自身がそうであったように、環境の変化に直面して足がすくみ、“ヘタレ”な選択をしそうになったときに、本書で紹介した先人の言葉が勇気ある選択をする助けになれば幸いです。
そう、私は、へたれに陥りそうだったのです。それを奮い起こさせてくれて、力を与えてくれました。
そして、もう一つ、リアルな世界で、先輩からかけられた言葉です。今年の2月に、年間の学生教育のスケジュールの改変があり、今まで長年やってきたテーマではなく、まったく、新しいテーマをやるべきかどうか迷っていたときがありました。もちろん、今まで通りでやりますと宣言してしまえば、今までの蓄積を使ってラクができるという状況でした。そこで、先輩がかけてくれた言葉は、
あらたなことにチャレンジすれば、それは、また新しい君の財産になるんだ。思い切って頑張ってみなさい。
という言葉でした。まったく新しい領域を開拓して、1年間講義を続けるわけですから、春先は、本当に苦労して準備しましたが、たしかに、先輩が言ってくれたとおり、今では、自分の大きな財産になった気がしています。