本の紹介「理系のための人生設計ガイド (ブルーバックス)」
先日紹介した本の中で、一番反応があったのが坪田先生の書かれた「理系のための人生設計ガイド (ブルーバックス)」でしたので、詳しく紹介します。
「理系のための人生設計ガイド (ブルーバックス)」
著者:坪田 一男、出版社:講談社 (2008-04-22)、ASIN:4062575965【amazon.co.jp】【bk1】
私も坪田先生と同じ大学で働いていますが、直接話をしたことはないので、客観的に本書の感想を述べさせていただきます。
本書は「理系のための研究生活ガイド (ブルーバックス)」の続編という位置づけだと思いますが、私はこの前作があまり好きではありませんでした。本作も、基本的には同じスタンスの本ですから、出版されてから半年くらい読まずにいたのですが、私の今のおかれた状況が、本書を手に取るきっかけになったのかもしれません。
本書は、好き嫌いがはっきり別れる本だと思います。坪田先生の話はまったくの正論なのですが、あまりにもストレートな内容な故、嫌悪感を持つ人もいるかもしれません。大学教授になるためにはどうしたらいいのか、多くの方が考えているけど、そうはっきりと言うなよ。収入5000万円とか、はっきり言うなよと思われる方も多いでしょう。
でも、冷静になってみると、この本は、みんなに大学教授になることを薦めている本ではありません。あくまで、一つの事例として、もし、大学教授を目指すなら、もっと具体的に、何歳に何を、何歳に何をという、具体的な小さな目標を立てて、大きな目標に近づくべきだという至極まっとうなことを具体的に説いているに過ぎません。
読者の目標が坪田先生の目標とあまりに違う場合には、違和感を感じてしまうでしょうが、私は、理系研究者、中でも、臨床医学に関わる研究者には、キャリアパスを考えるための指針を与えてくれる良書だと思います。