本の紹介「赤めだか」
「赤めだか」
著者:立川 談春、出版社:扶桑社 (2008-04-11)、ASIN:4594056156【amazon.co.jp】【bk1】【目次】
ずっと、気になっていた本でしたが、「サラリーマンより楽だと思った。とんどもない、誤算だった。落語家前座生活を綴った破天荒な名随筆」という帯が付き、丸善で平積みになっているのを見て買ってしまいました。
落語家の立川談春が、高校を中退して立川談志の元に入門してから、二つ目になるまでの四年間を語った随筆です。立川談春の私小説でありながら、前座というもっとも近くで見た立川談志の破天荒な魅力が満載の一冊。
立川談志という人物自体がおもしろいのですから、おもしろくて当たり前と思われるかもしれませんが、立川談春の文章がとてもうまい。噺家ゆえに当たり前なのかもしれませんが、文章のリズムがとてもよい。たぶん落語のリズムなんでしょう。
第1話 「これはやめとくか」と談志は云った。
第2話 新聞配達少年と修業のカタチ
第3話 談志の初稽古、師弟の想い
第4話 青天の霹靂、築地魚河岸修業
第5話 己の嫉妬と一門の元旦
第6話 弟子の食欲とハワイの夜
第7話 高田文夫と雪夜の牛丼
第8話 生涯一度の寿限無と五万円の大勝負
特別篇その1 揺らぐ談志と弟子の罪―立川流後輩達に告ぐ
特別篇その2 誰も知らない小さんと談志―小さん、米朝、ふたりの人間国宝
第1話から第8話までが、立川談春が入門から二つ目昇進するまでの課程で、一気に読ませます。でも、特別編その1は説教くさくていけねえや。まあ、でも、特別編その2で、また、ほろっとさせられるのですが。
今のところ、今年のベストかな。