2008.08.20

Endnoteへの要望

Endnoteの開発責任者の方とお話しさせていただく機会がありました。

わざわざ、私の職場にまで足を運んでいただいたのですが、私もあまり準備をしておらず、英語でのインタビューだったので、要望をきちんと伝えられたかわかりませんが、せっかくの機会なので、私のEndnoteへの要望をまとめておきます。

  1. Endnoteの機能は大きく分けると2つで、1つは、文献管理機能と言うことになります。私は、文献管理にEndnoteを使っておらず、PDFを印刷してファイルしています。でも、もし、PDFの文献管理をコンピュータ上でおこなうとしたら、iPapersを使うと思います。Endnote開発者の方もiPapersが良くできていることは認めているようで、PDFの文献管理をより簡単にするために、PDFのリンクを簡単にできるようにすることの必要性は理解されているようです。近い将来実装されるようです。
  2. もう一つのEndnoteの機能は、論文の作成の際の文献リストの作製ですが、私はこの機能の便利さだけで10年以上にわたってEndnoteを使っています。こちらには、とくに要望はないのですが、論文ではなく、研究費申請書など向けに10個くらいの論文リストを作る際には、Endnoteはオーバースペックなような気がします。このような少量の論文リストを簡単に作る機能があるといいな、というのが私の要望です。
  3. 私の作ったPubList Makerに興味を持ってもらいましたが、こんなのも、Endnoteの機能としてではなく、Endnote-poweredみたいな感じでおまけでつけたらいいんじゃないかとお話ししました。
  4. あとは、EndnoteはOffice Wordのプラグインとして使う形になっているので、Offie Wordがメジャーアップデートしたときに、しばらく、Endnoteに不具合が生じます。半年くらい待てば、Endnoteがメジャーアップデートして対応するわけですが、そのタイムラグを出来る限り短くして欲しい。また、メジャーアップデートではなく、マイナーアップデートで無料で対応して欲しいと伝えました。
  5. Endnote-WEBはどうだ、と聞かれましたが、私は、Endnoteを使っているので、Endnote-WEBは使っていませんが、いずれにしても、Endnote-WEBはWeb of Scienceの機能の一部となっていて、Web of Scienceが値段が高すぎて契約している大学が少なすぎるのが問題だと話しておきました。

あとは、日本でのdistributerであるユサコへの要望ですが、

  1. 値段を思い切って下げるべき。
  2. USでは提供されているダウンロード版を日本でも許可すべき。
  3. アカデミック版がなく、スチューデント版しかないが、アカデミック版として、広く若い研究者に使ってもらえるように対象を広げるべきだ。

とお話ししました。こっちはなかなか難しいでしょうが、ユサコさんには頑張ってもらいたいです。

大好きなソフトだけに頑張ってもらいたいです。

Endnote使いは、是非「最新EndNote活用ガイドデジタル文献整理術 第3版」をご一読下さい。

2008.08.01

本の紹介「赤めだか」

「赤めだか」

著者:立川 談春、出版社:扶桑社 (2008-04-11)、ASIN:4594056156【amazon.co.jp】【bk1】【目次】

ずっと、気になっていた本でしたが、「サラリーマンより楽だと思った。とんどもない、誤算だった。落語家前座生活を綴った破天荒な名随筆」という帯が付き、丸善で平積みになっているのを見て買ってしまいました。

落語家の立川談春が、高校を中退して立川談志の元に入門してから、二つ目になるまでの四年間を語った随筆です。立川談春の私小説でありながら、前座というもっとも近くで見た立川談志の破天荒な魅力が満載の一冊。

立川談志という人物自体がおもしろいのですから、おもしろくて当たり前と思われるかもしれませんが、立川談春の文章がとてもうまい。噺家ゆえに当たり前なのかもしれませんが、文章のリズムがとてもよい。たぶん落語のリズムなんでしょう。

第1話 「これはやめとくか」と談志は云った。
第2話 新聞配達少年と修業のカタチ
第3話 談志の初稽古、師弟の想い
第4話 青天の霹靂、築地魚河岸修業
第5話 己の嫉妬と一門の元旦
第6話 弟子の食欲とハワイの夜
第7話 高田文夫と雪夜の牛丼
第8話 生涯一度の寿限無と五万円の大勝負
特別篇その1 揺らぐ談志と弟子の罪―立川流後輩達に告ぐ
特別篇その2 誰も知らない小さんと談志―小さん、米朝、ふたりの人間国宝

第1話から第8話までが、立川談春が入門から二つ目昇進するまでの課程で、一気に読ませます。でも、特別編その1は説教くさくていけねえや。まあ、でも、特別編その2で、また、ほろっとさせられるのですが。

今のところ、今年のベストかな。


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