2008.04.24

本の紹介「Life Hacks PRESS vol.2」

「Life Hacks PRESS vol.2」

著者:大橋 悦夫、出版社:技術評論社 (2008-04-18)、ASIN:4774134635【amazon.co.jp】【bk1

あの「Life Hacks」の続編がいよいよ登場しました。私はGTDに「Life Hacks PRESS vol.1」で出会い、一時はHipstar PDAなどを自前で作ったりして、かなり入れ込んでいました。現在は、自分の生活の中でGTD的な考え方をうまく取り入れています。

vol.2では、巻頭特集で勝間和代、本田直之(レバレッジシンキングの作者)などの今をときめくLife hackerへのインタビュー、第1特集でシゴタノ!管理人大橋悦夫さん記事、第2特集でLifehacking.jpの管理人さんの記事が読めます。vol.2ではvol.1より本質的な部分でのLife hackingを考えるような構成になっています。

今回紹介されているツールはデジタルものだけで、文房具関係が少ないのは残念かな。


2008.04.20

奥田英朗漬け

1週間前から奥田英朗漬けになっています。

数年前から私の書棚に積ん読状態になっていた「イン・ザ・プール」に手を伸ばしました。「イン・ザ・プール」は精神科医・伊良部シリーズ第1作です。その後、精神科医・伊良部シリーズの第2作で直木賞受賞作となった「空中ブランコ」、第3作の「町長選挙」と一気に読み終えました。

医師以外の作者が書く医学ものは基本的にあまり好きでないということもあって、なんとなく避けていたのですが、読み始めたらおもしろくて止まらなくなりました。はちゃめちゃな伊良部先生が患者さんの憑きを落とすというスタイルは、まったく形は違うものの、京極夏彦の京極堂シリーズの憑物落しと、どこか通じるところがあります。

伊良部シリーズの中では、直木賞受賞作となった「空中ブランコ」が評価が高いようですが、はちゃめちゃさで上回る「イン・ザ・プール」の方が私は好きです。

伊良部シリーズではありませんが、この先は、評判の高い「邪魔(上)」「邪魔(下)」「最悪」あたりへ進もうと思っています。

「イン・ザ・プール (文春文庫)」

著者:奥田 英朗、出版社:文藝春秋 (2006-03-10)、ASIN:416771101X【amazon.co.jp】【bk1

 


「空中ブランコ (文春文庫 お 38-2)」

著者:奥田 英朗、出版社:文藝春秋 (2008-01-10)、ASIN:4167711028【amazon.co.jp】【bk1

 


「町長選挙」

著者:奥田 英朗、出版社:文藝春秋 (2006-04)、ASIN:4163247807【amazon.co.jp】【bk1

 


2008.04.18

医家向け電脳道具箱その四「最新論文を見逃さないための小道具達」

だいぶ時間があいてしまいましたが、医家向け電脳道具箱第四回分を掲載します。

■RSS~ネットサーフィンはもう古い

RSSという言葉を聞いたこともあるだろうか。RSSとは、更新情報を利用者に通知するための仕組みである。RSSには、RSS1.0、RSS2.0、Atomといった異なるバージョンがあり、やや混乱している側面もあるが、blogが流行するとともに、RSSは広く使われるようになってきている。学術雑誌でもNature、Science、New England Journal of Medicineをはじめ、RSSによって最新記事の要約の配信をしているジャーナルが出てきている。

RSSの実体は、更新情報の概要をまとめたXMLファイルであり、サイト運営者は、このファイルをwebサイトにおき、利用者はRSSリーダーを用いてWebサイトの更新情報を取得できる。RSSリーダーは定期的に登録したRSSフィードを見に行ってRSS情報を取得する。利用者はRSSリーダーを見ることによって、複数サイトのうち更新のあったサイトの更新情報の要約を一覧として見ることができる。昔は自分のお気に入りのブックマークを作り、ブックマークを次々とクリックしてネットサーフィンをするというのが一般的だったが、現在はRSSリーダーを使うことでネットサーフィンしないで複数のサイトの新着情報を一度にチェックできるようになった。

RSSの最大のメリットはこのように新着情報をまとめて一覧できるということであるが、その他にもいくつかのメリットがある。webサイトの新着情報をメールで知らせるというサービスに比べると、新着情報をRSSで受け取ることは、たくさんのスパムメールに悩まされていて、少しでも受け取るメールを減らしたいという受け手側のメリットになる。また、発信者のメリットとしては、メールアドレスのような個人情報を管理しなくてもよいという点がある。自分でwebサイトを運営するような場合には、RSSから取得した新着情報を自分のwebサイトに貼り付けるという利用の仕方もできる。農林水産研究情報センター(http://ss.cc.affrc.go.jp/ric/home.html)のサイトなどはそのいい例であろう。

RSSを利用するにはRSSリーダーが必要である。RSSリーダーには専用のソフトウェアもあるが、最近のウェブブラウザ(Firefox、Internet Explorer 7、Safariなど)はRSS機能を持っており、これらのソフトを使う人が多いようである。また、RSSリーダーの機能をWebサービスとして提供しているサイト(Bloglines、Yahoo!RSSリーダー、Google Reader、はてなRSS、など)もあり、こちらは、私のように職場と自宅で複数のコンピュータを使っているような場合は便利である。私はもっぱらBloglinesを愛用している。

■eTOCアラートサービスで新着雑誌を見逃さない

私は大学院生の頃図書館の新着雑誌の書架を眺めることを日課にしていたが、いまではeTOC (electoric Table of Contents)アラートサービスのおかげで、図書館に足を運ばないで済むようになった。eTOCアラートサービスとは文字通り「電子目次」のアラートサービスであり、登録したジャーナルの最新刊の目次がメールで送られてくるというサービスである。毎回目を通しておきたいジャーナルのeTOCアラートサービスに登録しておけば、そのジャーナルの新しい号が発刊されると、目次がメールで送られてくる。その「電子目次」にはタイトルや著者名のほか、抄録やフルテキストへのリンクが張ってあるので、気になる論文があれば、ワンクリックでフルテキストを読むことができる(各施設のオンラインジャーナルとの契約状況による)。ジャーナルが実際に図書館に郵送されるのを待つ必要もないし、見逃すこともなく、最新号の目次が手に入る。オンラインジャーナルがなかった時代には、海外のジャーナルが発行されてから図書館に届くまでには数ヶ月かかるといったこともあったが、オンラインジャーナルの普及のおかげで、海外との情報の格差はなくなり、ETOCアラートサービスのおかげで、最新情報をタイムリーに取得できるようになった。eTOCアラートサービスを利用するには、各ジャーナルのwebサイトに行き、eTOCサービスを見つけ、配送して欲しいメールアドレスを登録するだけである(図1)。必ずしもすべてのジャーナルがeTOCサービスを提供しているわけではないが、一流紙と呼ばれるジャーナルはほとんど提供している。

■Biomailで見逃しゼロに

お気に入りのジャーナルの目次だけチェックしていても、まったく関係のないジャーナルに自分の研究に関連した論文が出ることもある。こういった見逃しをなくすためには、定期的に特定のキーワードでPubMedの検索をおこなえばいいわけだが、それを自動で定期的におこない、見つかった場合にはメールで知らせてくれるサービスがある。このようなサービスを比較的早くからおこなっていたのは、Biomail(http://www.biomail.org/)(図2)である。Biomailでは、PubMedで検索したい検索式を最大20個登録することができ、定期的に(週に1回、週に2回、月に1回、月に2回から選べる)検索をかけて検索結果をメールで知らせてくれる。

■PubMedのアラートサービスが始まった

2005年になって、PubMedを運営している本家本元のNCBIがBiomailと同様のサービスを始めた。My NCBI(図3)はPubMedの検索式が保存できるサービスであるが、その検索結果を定期的にメールで送信するサービス(Automatic e-mail updates)が開始されたのだ。Automatic e-mail updatesサービスがBiomailと比べて優れているのは、
・検索頻度が1日に1回から月に1回まで細かく設定できる。
・文献データだけでなく、NCBIデータベースのすべてのデータが対象になる。
・検索語の数の上限が100(Biomailは20)。
・本家がおこなっているという安心感がある。
といった点である。一方、Biomailと比べて劣っているのは、
・検索語の数だけメールがくるので鬱陶しい。
という点である。私は、この点で現在はBiomailの方を愛用している。1週間に1度くらい送られてくるくらいの頻度が適度であり、毎日送られてきても見るのがおっくうになる。

Automatic e-mail updatesを利用するためには、まず、My NCBIのアカウントを作る必要がある。PubMedのトップ頁の右上の「Register」をクリックしてアカウントを作っておく。検索したときに、その検索式を保存したいと思ったら、「Save Search」をクリックする。そうすると、Automatic e-mail updatesサービス(同じ検索式にマッチする論文が出てきたときにお知らせメールが届く)を希望するかどうか聞かれる。あとは、どのくらいの頻度でメール配信を希望するか?メールのフォーマットを何にするか?新しい論文がないときにはメールをするか?などのオプションを選ぶことになる。

2006年からは、さらにPubMedの検索をRSSとして受診することができるようになった。PubMedで検索したときに、そのキーワードでRSS配信を受け取りたいと思ったら、「Send to」とあるプルダウンリストから「RSS feed」を選ぶ(図4)。そして、検索に対して名前を付けたり、検索結果数のオプションをセットして、「Create feed」ボタンをクリックする。 そうすると、「XML」と書かれたアイコンが登場し、これが、RSSフィードのURLである。あとは、自分のRSSリーダーに登録すればよい。こうすると、メールによるアラートではなく、RSSリーダーで最新論文をチェックできるのである。

■手に入れたフルテキストPDFはどうするか?

皆さんは、ダウンロードしたフルテキストPDFファイルはどのようにしているだろうか?本来はディスプレイ上でフルテキストを読めば、紙の節約になるのだが、私はディスプレイ上で論文を読むというのが苦手なので、ほとんどプリントアウトして読んでいる。プリントアウトした論文はファイリングして保存するというアナログな整理方法をいまだ続けている。しかし、PDFファイルをディスプレイの上だけで読むのであれば、論文のコピーをしまう場所も必要なくなり、PDFファイルのままコンピュータ上に保存しておけばよい。ハードディスクのPDFファイルを管理するのに適した文献管理ソフトウェアがいくつかある。最も有名なソフトはEndNote(トムソン社)であろう。EndNoteでは自分の集めたオリジナルの文献データベースを作ることができ、それぞれの文献データに、そのpdfファイルをリンクさせることができる。また、MacではiTunesライクなインターフェースを持ったソフトウェアにiPapers(フリーウェア、http://homepage.mac.com/toshihiro_aoyama/iPapers/)(図5)やPapers(シェアウェア、http://mekentosj.com/papers/)があり、文献管理に特化するならこちらの方がEndNoteより使いやすい。

以上、医学のあゆみ221巻3号「最新論文を見逃さないための小道具達」より許可を得て転載

その他の回は医家向け電脳道具箱の一覧をごらん下さい。

2008.04.15

2008年第1四半期に売れた本

2008年1月から3月までに研究留学ネットを通して、amazon.co.jpで購入された書籍でどんなものが売れたか集計してみました。もっとも売れた本ベスト20は以下の通りです。定番本(黒字のもの)は安定した人気があります。What's new!で新しく紹介した本(赤字のもの)が入っているという感じです。

他にも多くの本を紹介していますので、「研究者の書棚」をご覧下さい。

  書名  
1 切磋琢磨するアメリカの科学者たち amazon.co.jp
2 相手の心を動かす英文手紙とe-mailの効果的な書き方 amazon.co.jp
3 研究留学術 amazon.co.jp
4 GraphPad Prismによる生物統計学入門 amazon.co.jp
4 困った状況も切り抜ける医師・科学者の英会話 amazon.co.jp
4 国際学会のための科学英語絶対リスニング amazon.co.jp
7 医学・バイオ系のためのFig.作成ガイド amazon.co.jp
7 デジタル文献整理術-最新 EndNote 活用ガイド amazon.co.jp
9 日本人研究者が間違えやすい英語科学論文の正しい書き方 amazon.co.jp
10 怖いくらい通じるカタカナ英語の法則 amazon.co.jp
11 アクセプトされる英語医学論文を書こう amazon.co.jp
11 医薬研究者のための統計ソフトの選び方 amazon.co.jp
11 怪物と赤い靴下 amazon.co.jp
11 文献管理PCソリューション 第2版 amazon.co.jp
15 これから論文を書く若者のために 大改訂増補版 amazon.co.jp
15 理科系のための入門英語プレゼンテーション amazon.co.jp
15 ポスター発表はチャンスの宝庫 amazon.co.jp
18 JMPによる統計解析入門 amazon.co.jp
18 Keynote 2プレゼンテーション入門 amazon.co.jp
18 医学・生物学研究者のための 絶対話せる英会話 amazon.co.jp

書籍以外では圧倒的にレーザーポインタが人気です。リモコン付きレーザーポインタの紹介記事を読んで下さっている方が多いのだと思います。しかし、今回人気機種に変動があり、ここ1年間ダントツの人気であった、グリーンレーザーポインタのサシ-81が初めて首位の座から落ちましたが、これは、4月13日の記事でも書いたように、後継機種であるサシ-81Nとの切り替え時期に当たったせいだと思います。あと、赤色レーザーの新製品、サシ-41がいきなり首位の座にたちました。

  商品名  
1 KOKUYO レーザーポインター for PC サシ-41 amazon.co.jp
2 KOKUYO レーザーポインタ IC-GREEN for PC サシ-81 amazon.co.jp
3 KOKUYO プレゼンテーションマウス EAM-ULW2 amazon.co.jp
3 KOKUYO プレゼンテーションマウス EAM-ULW1 amazon.co.jp
4 KOKUYO レーザーポインタ for PC サシ-51N amazon.co.jp

2008.04.13

あのリモコン付きグリーンレーザーポインターが新しくなった

「コクヨS&T レーザーポインター for PC サシ-81N 緑色光・パワーポイント対応タイプ」

コクヨ、2008-01-05、ASIN:B0012C59C4【amazon.co.jp

うちのサイトでも非常に人気のあるスライド送り機能のあるグリーンレーザーポインターサシ-81がマイナーチェンジを受けて、サシ-81Nという型番になりました。仕様書を読んでいても、マイナーチェンジの内容がわからないので、コクヨに聞いたら、変更点は以下の通りだそうです。

●ビーム到達距離 旧)約50m(夜間使用時)→新)約200m(夜間使用時)
●受信機の形状の変更。
●対応パワーポイントWindows用2007及びMac用2004を追加。
●【NEXT】スイッチ:長押しでスライドショーを実行。
●【BACK】スイッチ:長押しでスライドショーを終了。

スライドショーの開始と終了ができるというのは新しい機能ですが、全体的にはマイナーチェンジといった感じです。Amazonでは、新型の方が旧型より安く、しかも、約半額で売られているので、Amazonで買うのがオススメです。


リモコン付き赤色レーザーポインタのラインナップもリニューアルされました。受信機が小型化したのがマル。下記の2つはポインタの形状が異なるだけで、機能は同じなので、好みの方を選べばいいと思います。

「コクヨS&T レーザーポインター for PC(ペンタイプ) サシ-51N 赤色光・パワーポイント対応タイプ」

コクヨ、2008-01-05、ASIN:B0012C59A6【amazon.co.jp

リモコン付き赤色レーザーポインタとしてはイチオシの一品。受信機が小型化され使いやすくなりました。


「コクヨS&T レーザーポインター for PC(ハンディタイプ) サシ-41」

コクヨ、ASIN:B000VADFQK【amazon.co.jp

機能的にはサシ-51Nと同じですが、ポインタがエルゴノミックデザインです。持ちやすさで、どちらかを選んだらいいと思います。


リモコン付きレーザーポインタのレビューも書き直しておきました。

2008.04.11

Classifiedコーナーはどのくらい役立っているのか

What's new!の更新はいまいちですが、Classifiedのコーナーには本当にたくさんのClassified情報が集まっています。最近では、毎月20程度情報が掲載されています。

ただ、掲載した求人に対してどれくらいの問い合わせがあったのか、掲載した求人が最終的にうまくいったのか、というのを私が知る機会は少ないのが現状です。そんな中で、Classified情報を投稿していた方から、その後の状況をお知らせいただきました。興味深いので、皆さんにも紹介させていただきます。

その投稿は、自分の所属している、あるアメリカの研究室の中国人のボスがポスドクを求めるというものでした。結果として、2ヶ月程度の間に、15人の方から応募があったそうです。

その内訳は、

  1. すでに留学中で 次の居所を探している研究者が半分弱
  2. 日本に留学中の中国人研究者が数人(求人者が中国人だからか)
  3. 残りが 日本から留学先を探している日本人研究者

だったそうで、その中から、一人の採用が決定、もう一人を現在 検討中だそうです。1のような方が多いというのが意外でした。

というわけで、投稿後のレスポンスがどうだったのかを教えていただけると、こういうコーナーを細々と続けている管理人にとっては、ありがたいです。

2008.04.10

本の紹介「流星の絆」

「流星の絆」

著者:東野 圭吾、出版社:講談社 (2008-03-05)、ASIN:4062145901、【amazon.co.jp】【bk1

普段、めったにハードカバーの小説を買うことはありません。文庫本をポケットに入れて、旅に出たり、散歩しながら、読むのが好きです。ハードカバーだと気楽に楽しめません。

ここでも何回か紹介している(2007年8月18日2007年8月25日)ように、最近、旅行や休日に気楽に読む本として、東野圭吾氏の作品が気に入っています。まだ、20冊くらいしか読んでいないので、文庫で読破していないものも多いのですが、本屋に行って、新作が平積みで置いてあると、どうしても気になってしまいます。

ずっと、こらえていましたが、ついつい買ってしまいました「流星の絆」。

おもしろかったです。1日で読んでしまいました。


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