本の紹介「怖いくらい通じるカタカナ英語の法則」

「怖いくらい通じるカタカナ英語の法則 (ブルーバックス (B-1574))」

著者:池谷 裕二、出版社:講談社(2008/01/22)、ASIN:4062575744、価格:¥ 1,050(税込) 【amazon.co.jp】【bk1】【楽天ブックス

ハヴュベナセヤロウ?この英語の意味が通じますか?関西弁ではありませんよ。

池谷氏は、「海馬は語る」などのベストセラーを著した新進気鋭の脳科学者です。彼が、2002年にニューヨークに留学した際に、英語に苦労したそうで、前書きには、自由の女神を見に行こうとタクシーの運転手にFerry Portヘ行ってくださいと言ったら、ヘリポートに連れて行かれたという逸話が書かれています。英語で苦労した留学生活の中で至った結論は、所詮英語特有の発音を身につけることは出来ない、カタカナ英語をより米国語に近いカタカナ語に置き換えるだけで、はるかに通じるようになる、というものでした。

彼が編み出した、怖いくらい通じるカタカナ英語の法則は、リエゾンの法則と、実際の発音に近いカタカナで英語を発音するという法則に集約されます。

前者は、消えやすい子音の順番「「h>th>g>d,t>l>f,v>r>b,k,m,n,s」を理解し、子音が重なったときには、消えやすい子音を消して発音する、などです。たとえば、「kind of 」であれば、nとdのうち、dが消えて、「カイナヴ」と発音したほうが、「カインドオブ」と発音するよりはるかに通じるというものです。

後者であれば、「L」はウと発音する。「W」はウオと発音する。「Are you」はオユ。米国語には促音、長音がなく、さらに「イ」の母音がない。minutesは「ミニッツ」ではなく「ミニツ」。morningの「i」はイよりはエに近いので、モーネンと発音する。などです.

紹介している英文も簡単なものがほとんどですが、いわゆる口語のことばで、あまり日本の教科書には登場しないものの、アメリカで生活すると毎日何回も聴くような英文が中心になっています。

でも、これを英語初心者にやっても発音が難しくなってしまうだけのような気がします。おそらく、この本を読んで、うん、うん、頷いて読むのは、留学して1,2ヶ月くらいたった人なんじゃないでしょうか。ある程度、アメリカでの生活をした人はかなりおもしろく読めると思います。CDもついていてこの値段。お買い得だと思います。

ちなみに、冒頭の「ハヴュベナセヤロウ?」は「Have you been to Seattle?」ということになります。

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