本の紹介「解剖医ジョン・ハンターの数奇な生涯」
「解剖医ジョン・ハンターの数奇な生涯」
著者:ウェンディ・ムーア著 / 矢野 真千子訳、税込価格:¥2,310、出版:河出書房新社、ISBN:4309204767、発行年月:2007.4【bk1】【amazon.co.jp】
ジョン・ハンターは,外科医にして解剖学者。彼が活躍した18世紀のイギリスにおいては、外科医の社会的地位は低かった。兄の開く解剖学校の助手を務めたが、当時、解剖用の献体がほとんど集まらない状況にあって、墓場泥棒を雇って死体を集めた。
当時、瀉血程度しか治療方法のない前近代的な医学を、ものすごい数の解剖に基づく知識で近代医学へと橋渡ししたジョンハンターは外科医の父と称されるが、その奇人ぶりも半端ではなかったらしい。
さらに、医学から、博物学へと興味を広げ、世界から動物を集め、博物館を開くにまで至った。その博物館はハンテリアン博物館として公開されている。
グロテスクなのが苦手な方はダメかもしれないが、かなりおもしろい一冊。