天ぷら近藤
銀座の「天ぷら近藤」を訪問するのは3回目。
名店といわれる店に訪問し、初回はそのうまさに驚愕しても、2回目に訪問したときに、初回の時の新鮮さが失われてしまい、人生の大切なものを失ったような寂しさを覚えることが少なくない。もちろん、これは店の問題ではなく、自分の味覚がうまいものに慣れてしまったわけである。
しかし、「天ぷら近藤」は違う。2回目、そして今回の3回目であっても常に新鮮な驚きがある。天ぷらが本当の意味で和食であるのは、濃厚に四季を楽しむことができることができるからである。毎回、四季を感じさせてくれる食材でまったく飽きることがない。
今回は、宍道湖の白魚、子持ちワカサギ、雲丹の大葉巻き(右上)など、これまで食べたことのない食材もたくさん出た。「天ぷら近藤」が他の店にぬきんでてうまいと思うのは野菜だと思う。今回も、クワイ、タラの芽、フキノトウ(やや時期が早いようにも思ったが)が出た。
しかし、いつも変わらないのが、「天ぷら近藤」の名物、サツマイモ(右下)。中身がホクホクで、皮は固く香ばしい。とても天ぷらとは思えない。揚げるのに長い時間がかかるので、コースの始めに注文しておかないと食べられない。
私の天ぷらの経験値は高いわけではないが、ぶっちぎりで一番のお店であろう。値段は張るが一度は食べてみて欲しい。
天ぷら近藤
中央区銀座5-5-13 坂口ビル 9階
03-5568-0923