「獄中記」
「獄中記」
著者:佐藤 優著、税込価格:\1,995、出版:岩波書店、ISBN:4000228706、発行年月:2006.12【bk1】【amazon.co.jp】
鈴木宗男との関係を元に国策捜査によって512日間東京拘置所に勾留された元外務省官僚佐藤優氏の獄中記。拘留中に、弁護士や友人へ出した手紙を経時的にまとめたというスタイルをとっています。話はあちこちに飛びますが、意外と苦にならずに読めました。佐藤優氏は、あえて保釈を請求せず、獄中という環境を神学、哲学などの論文を読む貴重な機会として逆手にとりました。獄中記とはあるものの、獄中の様子や裁判の様子、検事の取り調べの様子はあえてほとんど語られておらず、彼の外交、インテリジェンス、国家観、宗教観を語ることによって、国策捜査に対する強烈な反論を述べた書であるといえます。かなりおもしろかったので、「インテリジェンス武器なき戦争」も読みましたが、こちらも傑作。