シチリア料理「アルキメーデ」 はめちゃウマ、めちゃ盛りのお店
料理のめちゃウマな店、量がめちゃ多い店はある。だが、めちゃウマでめちゃ盛りの店というのは、そうあるものではない。
毎年この時期にイギリスから一時帰国する友人を囲むのに、今回選んだのは神泉にあるシチリア料理の店「アルキメーデ」。
初めて行く店なので、Googleで調べてみて驚いた。たくさんのblogで取り上げられているのだが、いずれも「ド根性盛り」「強烈な量」「満腹」といった形容詞でこの店が語られているのである。食べることにはこだわりのある我々6人には、当日は腹ぺこ状態で集合するようにという指示がメールで流された。
場所は、神泉駅から10秒ほどのビルの1階にあった。予想していたよりきれいなお店で、客もいたって普通のカップルだったり、グループだったり。とても「満腹に挑戦」という雰囲気ではない。
ちょっと変わったお店かもと思ったのはメニューを開いたときであった。メニューは6000円のコースのみで、前菜、パスタ、メイン、デザートとなっていて、メインはがいくつかの皿から選べるというスタイルなのだが、メインのチョイスに「上から順番に分量が多くなっています」とか書いてあるのである。
マダムはフジテレビの西山アナウンサー風のすてきな方だが、「とりあえずおすすめのワインを赤2本、白2本持って来ちゃって下さい」とか、勝負しに来ているぞというオーラを出していたのが悪かったのか、向こうもちょっと普通のグループではないなと気づいたようである。
「メニューには載っていませんけど、もっと量の多いのもありますよ」と持ってきたのが、豚のロースト。骨付きだが、とても1人前とは思えない、皿を持つ手がしなるくらいの大きさ。おそらく1kg近くあるのではないか。「こちらはチャレンジャーの方だけお願いしますね。絶対に食べ残さない自信がある方だけにして下さい。」そういわれて、主賓のメインは、この豚のローストに決まった。
さて、コースの最初に出されたのが、レバーペーストと、鹿熊豚の脂身から作ったリュエット。そして、焼きたてのパン。これが、絶妙のうまさ。パンをお代わりしてはいけないという鉄則を破り、みんなパンをおかわりしてしまった。さらに、ズッパが出てきて、前菜を片づけたと思ったら、西山アナ風のマダムの一言。
「まだ、始まっていませんよ。」
そして、10種類の前菜が出てきた。6人で10種類ではない。1人ずつ10種類の前菜が出てくるのである。しかも、そのどれもがめちゃウマ。特に、長島農園の野菜達が力強い味であったのが印象的であった。
次の2種類のパスタが終わる頃には、ワインが10本近く空き、我々は、普通以上に満腹になっていた。ここで、気づいたのだが、周りの普通の客は食べきれなくて、ドギーバッグにして持ち帰っていた。でも、我々にはそんなことは許されない。
そして、いよいよメインの登場。
私は牛の首の後ろの部分の肉の煮込みで、これが、また、うまかった。この皿はメニューの下の方だったので、比較的量は抑えめだが、写真の通り300gくらいあるかもしれない。
こんな風に書いていると、ただの大盛りのお店と取られてしまうのかもしれないが、最初に書いたように、「アルキメーデはめちゃウマでめちゃ盛りの店」なのである。隣で主賓が食べている巨大な豚のロースト。一口頂いたが、これがまた絶品であった。
メインを食べ終われば超満腹。6人とも「何とか失礼がないように平らげられたな」と、ホッとしていたときに、マダムの一言に背筋が凍った。
「シェフからのサービスで付け合わせが二品出ますので、少々お待ち下さい。」
厨房から我々の食べっぷりを見ていたシェフの満腹魂(?)に火を付けてしまったようである。
出てきた1品目の「付け合わせ」に、たまげた。出てきたのは、メイン料理でもまったくおかしくない一人100g以上はあるこってりとしたレバーのソテーである。さすがの私たちも、「付け合わせ」の二品目はとても食べられない。「負けました。あとの一品は勘弁して下さい。」と敗北宣言を出すことになった。
しかし、その後で出てきたデザートがまた山盛り。ハーブティーも一人ずつポットで出される心遣い。
ごちそうさま。参りました。
アルキメーデ
住所:渋谷区神泉町2-8小島ハイツ1階(京王井の頭線の神泉駅)
電話:03-5489-6850