NIH R01グラントの新規採択率が10%を切った
Science誌に最近のNIHのfundingの厳しさを指摘する記事が出ていました(「Declines in Funding of NIH R01 Research Grants」Science 2006 313: 1387-1388)。その記事の中で最近ののNIH R01グラントの採択率の推移が出ていました。周囲の方たちから、ここ数年間NIHの予算はかなり厳しくなっているという噂を聞いていたものの、数字を見ると、相当厳しいということが実感としてわかります。2005年のNIH R01グラントの新規分の採択率はなんと10%を切っています。5年前の半分程度です。R01グラントはアメリカの生命科学系の研究者の生命線ですから、なんとも厳しい状況です。
年度 | 採択率(新規) |
採択率(継続) |
1999 | 19.7 |
55.1 |
2000 | 20.1 |
52.8 |
2001 | 19.2 |
52.8 |
2002 | 18.2 |
49.3 |
2003 | 15.4 |
45.0 |
2004 | 12.1 |
40.6 |
2005 | 9.1 |
32.4 |
NIHのfundingが厳しくなれば、当然、研究留学をする人たちにも大きな影響が出るわけで、研究費が取れないので、「やっぱりポスドクとして雇えない」といったケースも増えてくるでしょう。9.11のテロ事件の影響もいまだ残っていて、 アメリカでの研究留学はなかなか厳しい状況にあるといえます。
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