プレゼンテーションデザイン:背景色をどうするか?(3)
プレゼンテーションデザインの3回目です。
さて、白や濃紺の背景色のスライドはあまりに無難なデザインになってしまいます。どこかで自分らしさを出したいとしたらどうしたらよいでしょうか?いくつか方法があります。
■背景に絵柄が入れることの是非
個性を出す一つの方法として、目立たない絵柄の入ったスライドを使うという方法があります。PowerPointに含まれているテンプレートの中にも背景に絵柄が含まれているものがいくつかあります。
ケースバイケースなのでしょうが、聴衆の関心の一定部分が背景の絵柄に向けられてしまうということを考えると、絵柄の入った背景は研究発表には向かないと思います。
しかも、この図に示すテンプレートは、背景色と文字色の明度差が十分ではなく非常に見にくいスライドになっています。
■背景色をグラデーションを使うことの落とし穴
グラデーションを使うことは、個性を出す一つの方法ですが、これも注意が必要です。
グラデーションを使う際には文字色と背景色の間の明度差に変化が起こり、認識度が下がる可能性があるということを認識しておく必要があります。
たとえば、濃紺から白へのグラデーションを背景色に適用した場合、右の図のようにスライド下部での文字の可読性が低下します。
回避方法としては、濃紺より明度の低い色をグラデーションの2色目として使うことです。つまり、濃紺から黒へのグラデーションであれば、文字の可読性には問題がありません。
■白や濃紺以外の背景色を使う場合の注意
インパクトのあるプレゼンテーションをおこなうなら、白、濃紺、黒といった無難な色以外の背景色を使いのもいいでしょう。
その場合にもっとも気をつけなくてはいけないのは、背景色と文字色に十分な明度差をつけるということです。
私自身めったに、白、濃紺以外の背景色を使いませんが、以前、薬剤師の方を対象に講義をしたときに、ソフトな印象を与えるために、緑を基調にしたスライドを作ったことがあります。このデザインは結構受けが良かったようです。