イラストレーターの豆知識
自分のメモもかねてIllustratorのテクニックをいくつかまとめて、「イラストレーターの豆知識」というページを作ってみました。その中から「Illustratorで作ったアートワークをPowerPointに貼り付けるときに背景が白くなるのを避ける方法」を紹介してみます。
右のようなアートワークをIllustratorで作って、JPEG形式で保存して、PowerPointに貼り付けると、背景が白くなってしまい、背景が白でないPowerPointスライドに貼り付けると、違和感のある図になってしまいます。
Illustrator CSには新しく「Microsoft Office用に保存...」という機能がついています。「Microsoft Office用に保存...」ではアートワークを150ppiのPNG形式で書き出します。ただし、この書き出しには問題があって、「Microsoft Office用に保存...」で保存すると、透明部分は白くなってしまい、上記の問題は回避されません。
透明を含むアートワークをPowerPointに貼り付ける場合には、「Microsoft Office用に保存...」を使わずに、「ファイル→データ書き出し...」を使い、PNG形式で書き出します。PNGオプションで、解像度を「標準(150ppi)」、背景を「カラー:透明」にします。こうすれば、Illustratorで作った透明を含むアートワークを透明を保ったまま、PowerPointに貼り付けることができます。
ただし、Mac OS XでPowerPoint Xを使っている場合は、PowerPoint X側の問題で、透明を含むPNGファイルが正しく表示されない(ドロップシャドウが粗くなるなど)という不具合があります。背景に透明を使わずに、背景の色をPowerPointのスライドの背景色と同じにして書き出すとよいでしょう。フルカラーではなくなってしまいますが、「web形式で保存」からGIF形式を選ぶという手もあります。最新版のPowerPoint 2004では問題ないようなので、アップグレードするのも手です。Windows版のPowerPointではこの不具合はないようです。
私一押しのIllustrator本がCSに対応しました。秋の学会シーズン、1枚刷りのポスターに挑戦される方は是非ご一読下さい。
「Illustrator CSの仕事術 基本/ビジネスグラフィック編」
著者:高橋正之〔ほか〕著、税込価格:¥ 3,045(本体:¥ 2,900)、出版:毎日コミュニケーションズ、ISBN:4839914214、発行年月:2004.08【bk1】【amazon.co.jp】【目次】
この本は絶対におすすめです。Illustratorをさわるのが全く初めてという人向けの本ではありませんが、一通りIllustratorの機能を触れた人が、Illustrator使いになるために必要なことがほとんどすべて書いてあります。ポスター1枚刷りをIllustratorで作る人は絶対に買って下さい。CS対応になってほとんど書き直しているというのもすごいです。