Making the Right Moves
昨日は、「アット・ザ・ヘルム」を紹介させていただきましたが、ハワードヒューズ医学財団が配布している小冊子「Making the Right Moves: A Practical Guide to Scientific Management for Postdocs and New Faculty」を紹介いたします。
この小冊子はハワードヒューズ医学財団が、なりたての若いPIや、独立を考えているポスドク向けに2002年7月におこなったセミナーの内容をまとめたものです。233ページからなる小冊子ですが、PDFファイルがhttp://www.hhmi.org/grants/office/scimgmt.htmlから無料でダウンロードできます。目次内容を日本語で紹介してみます。
第1章:Faculty Positionの探し方
・Applyの仕方(Cover Letter、CV、Research Proposal などの書き方)
・job Interviewの受け方
・Offerを受けた後のNegotiateのやり方
・Facultyになったあとの昇進、テニュアの取得
第2章:大学組織
第3章:ラボの運営の仕方
第4章:ラボスタッフ
・どのようなスタッフを雇うか?
・スタッフの採用の方法(募集の仕方、面接の仕方)
・スタッフの解雇の仕方
第5章:よいボスであるために
第6章:時間管理
第7章:プロジェクトの管理
第8章:データ管理とノートの付け方
第9章:グラントの取得
第10章:論文投稿
第11章:特許出願
第12章:共同研究
これらは本来的には、これから研究室のボスになろうという人向けにかかれたものでありますが、昨日もお話ししたように、アメリカの研究室でポスドクになる人にも必読の内容となっています。
たとえば、ラボのスタッフの採用に際してのインタビューの方法についても詳しく書いてありますが、電話インタビューを行う際の質問票までついています。これは、逆に言えば、これから留学先をさがし、インタビューを受けるという人は、この質問票に沿った準備をしておかなければならないということです。
アット・ザ・ヘルムやこの小冊子を読むと、PI、テニュア、ハードマネーとソフトマネー、R01グラントなど、留学前の方にはよくわからない専門用語が並んでいます。これらの専門用語の解説も含め、アメリカのラボの基礎知識について近々連載ができればと思っています。