home
MENUPREVNEXT

アメリカの税金と確定申告の基本

米国公認会計士である若菜雅幸さん(IRS Representative (CAF) #03-0084376R)にアメリカの税金と確定申告に関して基本的なことをお話しして頂きました。

下記の内容の文責は若菜さんにあります。質問は直接若菜さんが受けて下さるそうですので、Taxhelp@wakanacpa.comあてにお願いいたします。詳しい情報は若菜さんが作られているウェブサイトhttp://www.wakanacpa.com/にもありますので、参考にしてください。

■日本との大きな違い

日本における確定申告は、多くの場合で雇用主が源泉徴収をし、年末調整を行なってくれるため、個人で手続きを行なうことは稀であるといえます。ただ、逆にいうと日本の場合は、節税の可能性が少ないともいえます。一方、米国においては、個人で申告を行なうことが義務付けられているため、非常に多くの節税の可能性があり、また税金対策を考慮に入れて、自らのファイナンシャルプランを考えることが、ごく当たり前のこととなっています。いかに税金を節約するか、米国民は日常から考えて行動しているといえます。従って米国留学期間は、税金のことを多少意識しながら生活する必要があります。

■誰が申告義務を負うのか(Federal Income Tax の場合)

米国税法上Residentとして扱われる人は、一定額以上の所得がある人、そして税法上Non Residentとして扱われる米国滞在者は、所得の有無に関わらず、全員が申告の義務を負います。ただし、例外として、F, J, M, QビザのStudent、Teacher (Researcher)及び、Traineeに該当する方で、米国内からの所得がない場合は、所得税の申告書(1040NRなど)の提出義務が免除されます。ただし、免除であることを申請するための書類(Form 8843)を期日(暦年の場合は4月15日)までに提出する義務があります。従って、税法上Non Resident扱いを受けると、何らかの書類をIRS(米国歳入庁)に対して、毎年提出する義務があるということです。

(注意1) 米国内から所得がない場合でも、F, J, M, Qビザの方は、多くの場合でForm 8843の提出義務があります。これには家族の分(J-2やF-2ビザの方)も提出義務があります。

(注意2) 条約による免税のために、給与から税金が源泉徴収されていない場合でも、申告書の提出義務はあります。理由は、雇用主は源泉徴収していないだけであって、個人の義務として、免税である旨IRSへ申告することが必要であるからです。

■申告しないとどうなるのか

それでは、申告を怠るとどうなるのでしょうか。課税所得がある場合、雇用主からIRSなどにW-2や1042Sなどの所得を示す書類が送られます。その場合、条約による免税が適用されるのか否かは、申告しない限りわかりません。従って、申告義務を怠る人として税金の計算をし、足りない税金に対して延滞のペナルティを加算します。未提出の申告書には時効はありませんので、必ず申告する必要があります。

課税所得がない人は基本的にペナルティを課せられることはないのですが、米国税法を遵守しなかったということになります。もう二度とビザの更新やアメリカ留学をしないという人は、問題にならない可能性もあるかと思いますが、いずれにしてもトラブルを避けるためには、毎年きちんと正しい申告をする必要があります。

■申告方法

(1) 米国税法上の自分のステータスを確認します。

  • Resident扱いかNonResident扱いか
  • 日米租税条約は適用されるか
  • 源泉徴収されている税金は何か

など。(NonResidentとResidentの決定方法を参照ください)

(2) 申告するFormを決定します。

以下に簡単な代表例(Federal Income Tax用)を示します。これはケースによって異なるので、あくまで参考です。控除を受けるためには、下記以外にも特別なFormが必要になることがあります。必ずご自身でご確認ください。

  • J-1ビザNon Resident → 1040NR(EZ)+8843
  • J-2ビザNon Resident所得あり → 1040NR(EZ)+8843
  • J-2ビザNon Resident所得なし → 8843
  • J-1ビザResident → 1040(A)(EZ)
  • J-1ビザResident(Tax Treatyあり) → 1040NR(EZ)+8833 or 1040
  • H1BビザResident(Tax Treatyあり) → 1040NR(EZ)+8833 or 1040

(3) 申告すべき所得と控除すべき項目を検討します。

  • 自分の所得が課税、非課税を確認

    特に、条約関連は国によって扱いが違うので、必ずご自身で確認が必要です。給与部門がそこまで考えていない場合もあり得ます。

    主な日米租税条約・・・特定教育機関で研究活動する研究者が対象となる入国日より2年間の非課税所得扱い(Treaty Article 20)が代表的です。

    (注意) 新日米租税条約によって、Grant などの5年間非課税扱い(旧Article 20)は、米国外からのものを除いて、2004年3月30日の日米批准書交換によって、適用がされなくなりました。詳しくは、IRS Publication 901 を参照ください。

  • 配偶者、扶養家族の控除

    もし、配偶者や扶養者がSocial Security Numberを持っていない場合、この控除を受けるためには、Individual Tax Identification Number (ITIN) をForm W-7を使って、申告書と一緒に申請する必要があります。この場合のIDには、公証人によって証明(Notarize)されたパスポートのコピーを使います。詳しくは、IRS W-7 Instruction を参照ください。

  • その他の控除

    控除を受けるために必要とされる書類を準備します。(控除に関しては、可能な限り自身で調べて、最大限に使うことが理想的といえます。)

(4) 書類の記入と送付

実際のFormをInstructionに従い記入します。また、添付するべき書類も確認します。

  • 添付書類について

    W-2 と1042Sに関しては必ず添付するようにします。また源泉徴収を伴うもの(1099など)も添付する必要があります。その他の所得や費用の証明は自身の記録として大切に保管しておきます。

  • 送付について

    通常のFirst Class Mail などで送付しても構いませんが、Certified Mailのような送付日の記録が残るものをお勧めいたします。

■過去に間違って申告していた場合

Federal Income Taxに関しては、一般に申告から3年間は修正申告が可能です。特に税金を多く支払っていた場合(例、条約による免税を知らず使わなかった場合)、必ずForm 1040Xを使った修正申告をする必要があります。

更新記録

●2004年1月24日:新規掲載

home
MENUPREVNEXT