■NHKラジオ英会話講座のPodcast配信はまだ
英語の力をつけるには、地道な努力しかありません。しかも、勉強のペースメーカーとなってくれる、ということを考えるとNHKラジオ英会話講座というのはとてもいい教材だと思います。ただし、毎日の放送をラジオの前に座って聞くというのはなかなか難しいので、留守録をすることになると思います。通勤・通学の電車の中で録音したものを聞くなら、やはりiPodでしょう。
NHKラジオ英会話講座を留守録する→iPodにうつす
という一連の作業を一発でやってくれる一番いい方法は、NHKラジオ英会話講座がPodcastで配信されるということだと思います。2005年11月22日に「ビジネス英会話のPodcast配信 」という記事を書き、そこで、試験的にNHKDラジオ英会話講座がインターネットで配信されることをお伝えしました。しかし、期間限定であり、しかも配信はPodcastではなくストリーミング配信で、その後Podcast配信が始まるという気配がいっこうに見えません。
そうなれば、自分でNHKラジオ英会話講座を録音し、iPodに移すという作業をやらなければなりません。最近になって、このような目的に適したデジタルラジオチューナーがいくつか登場し、だいぶ便利になりました。いくつか手に入れたので紹介します。
■Radio SHARK 2 Griffin Technology)
Radio SHARK 2となってから、日本のFM帯域に対応し、日本での使用も不都合がなくなりました。Radio SHARK 2はUSBでコンピュータにつなぎ、コンピュータ側で聴くというスタイルです。USBケーブルの延長ケーブルもついているので電波状態がいいところをみつけてRadio SHARK 2を設置します。
Radio SHARK 2の最大の特徴は、Macユーザーフレンドリーであるということ。Mac用のソフトがとてもよくできています。スケジュール録音ができて、しかも、録音されたファイルが自動的にiTunesに登録されるので、そのままiPodに入れて聴くことができます。
自宅では、FMや主なAM局の受信状態はよかったのですが、NHK第1とNHK第2の受信状態がいまいちだったので、他の場所に持って行って受信状態をチェックしてみました。そしたら、AM全体の受信が状態がかなり悪く、自宅の方がましという状態でした。Radio SHARK 2にはヘッドフォン端子がついたFMアンテナはついているのですが、AMアンテナは別付けできないようです。
Windows版の添付ソフトの使い心地はあまりよくないらしいのですが、Mac版の方はよくできています。Radio SHARK 2になって、日本のFM放送、AM放送に対応しました。もちろん、電波の状態は保証されるわけではありませんが。タイマー録音も自由度が高く、いいと思います。特に、うれしいのが、録音された番組がAAC圧縮されて、自動的にiTunesに取り込まれるということ。これで、とりためたラジオ番組をiPodで楽しめます。また、Time Sharing機能というのがあって、 録音していなくても、聞き逃した部分を一定時間さかのぼって聞き直すことができます。
タイマー録音に関しては、とりあえずのFM-TOKYOで日曜日にやっている山下達郎のSunday Song Bookをエアチェックしたいと思っていますが、いくつかテストしてみて気がついたことを書き留めておきます。
- タイマー録音する場合、コンピュータがスリープになっていても、時刻が来ると自動的にスリープを解除して録音が始まります。この点は◎。
- もちろん、Radio SHARKのソフトは立ち上げておかないとタイマー録音はできません。私はコンピュータのスイッチをオフにしないので、この点は問題ないのですが、たまにコンピュータの電源を落としたときに、Radio SHARKのソフトを立ち上げるのを忘れると録音し損ないます。その点は、Radio SHARKのソフトを起動項目に登録しておけばOK。
- 番組名を日本語にしておくと、録音はできても、iTunesに自動的に登録されません。これはプログラムのバグのようです。
- 意外と大きいので、やはり、据え置きパソコンにつなげるというスタイルの方が使いやすい。
Radio SHARK 2はMac使いでラジオ好きの人には幸せになる一品だと思います。
後日談:Windows用のソフトウェアも現在はかなり使いやすくなっています。
あと、もう一つの問題は日本では正式に販売されていません。アメリカでは$49.99ですが、Griffin Technologyのオンラインストアで購入すると送料がかなり高くなってしまいます。 輸入して販売しているのはキットカットとVisavi の2店。どちらも8400円くらいです。
参考エントリー「Radio SHARK 2を手に入れた」
「Radio SHARK 2を使ってみて」
■Talk Master II (サン電子)
デジタルラジオチューナーで特にラジオ英会話講座の録音に焦点を当てている、比較的古参の商品。4月のラジオ講座に備えるために、私が購入したのは TalkMasterII-GW 1G。
TalkMasterは留守録でMp3形式でラジオ番組が録音できます。さらに、USBマスストレージ形式でPCに接続し、転送することができます。ただし、残念なことに、対応OSはWindowsのみとなっており、Macへは対応していないません。しかし、録音したファイルを内蔵メモリではなく、挿入したSDカードに保存するようにし、SDカードを取り出して、Macに差し込めば、問題なく、Macに転送することができました。MP3形式ですから、そのままiTunesに入れれば、あとは、iPodでラジオ講座を聴くことができるようになります。
AMの受信感度はそれほどいいわけではありませんが、窓際におくことで問題ありませんでした。もし、どうしても感度が悪ければ、AMループアンテナ
もあります。
さて、今回は、内蔵メモリ1Gのが、 TalkMasterII-GW 1G
(39800円)を購入しましたが、SDカードを中心に使うわけですし、最近ではSDカードは非常に安くなっているので、TalkMasterII-S 128M
(27800円)あたりを買って、amazonあたりで1GのSDカード(2000円以下)を買うのがいいのではないかと思います。
ちなみに、Talk Master IIは通常の家電店では販売されておらず、三省堂などの書店販路で流通しています。もしくは、オンラインショップのサン電子ダイレクト
で手に入れることができます。
参考エントリー「TalkMasterIIを買ってみた」
■ラジオサーバー(オリンパス)
Talk MasterIIを買ったばかりというのに、オリンパスからラジオ番組約2500時間分の録音が可能な大容量HDD内蔵「ラジオサーバー VJ-10」なんていう商品が出ました。
さすがオリンパスだけあって、デザインはTalk Master IIよりかなりまし。FM/AMラジオ番組をデジタル録音できて、USB接続によりパソコンとのデータ転送が可能で、Windowsでラジオ録音ガジェットを探していた人にとっては、かなり決定打になりうると予想されます。
Mac派としては、
- 録音方式がWMA(Windows Media Audio)フォーマットであること。Windows版のiTunesだとWMAをAACに変換できるようですが、、、。
- USBによってPCに転送できるようですが、果たしてMacに転送できるのか?
という2点が気になります。
後日談:2008年春にファームウェアアップグレードによって、録音方式としてMP3が選択可能となり、MacとUSBを介した接続が可能になりましたので、Mac派の方もOKになりました。
一般の電気店では扱っていない(主に大手書店で販売されているようです)ので、オリンパスオンラインショップで購入するのがよいでしょう。
参考エントリー「オリンパスから「ラジオサーバーVJ-10」が新発売 」
■デジタルチューナーの比較
これら3つのデジタルラジオチューナーを使用目的に合わせて比較してみましょう。
使用スタイル
Radio Shark 2はMacまたはWindowsコンピュータに接続し、コンピュータ側からコントロールするというスタイルです。留守録するためには、コンピュータを常に電源オンにしておかなければなりません。私がMacで試したところ、スリープからは自動的に立ち上がってくれました。Talk Master II は単独で使用可能であり、そのまま持ち歩いて聞くというスタイルを想定しています。ラジオサーバーも単独で使用可能ですが、こちらは据え置きで使うというスタイルを想定しています。
AMの受信感度はどうか
受信状態は使う場所によってかなり左右されるので一概にはいえません。Radio Shark 2は外部AMアンテナが付けられないですが、Talk Master IIとラジオサーバーは外部AMアンテナが別売りされています。また、Radio Shark 2はコンピュータと接続して使いますので、置き場所には制限が出てくる可能性があります。
iPodへの移行は楽か?
iPodへの移行が一番楽なのはRadio Shark 2です。留守録が完了すると自動的にiTunesにインストールされるので、次回、iPodとコンピュータを接続したときにiPodに同期されます。Talk Master IIはmp3形式で録音されるので、Windowsであれば、USBで接続し、iTunesに放り込めばよいのです。Macとの接続は保証されていませんが、 ファイルをSDカード上に録音するように設定すれば、MacでSDカードを読み取ってiTunesに放り込むことが可能です。ラジオサーバーは、実際にに手に入れていないので詳細はわかりませんが、WindowsとはUSB接続ができるのでおそらく問題はないでしょう。Macの場合、USB接続ができるか不明です。SDカードは使えないようなので、USB接続ができないとなるとちょっと難しいかもしれません。また、録音方式がWMA(Windows Media Audio)フォーマットなので、mp3またはAACへの変換という一手間がかかってしまいます。
どこで手にはいるか?
デジタルラジオチューナーは隙間商品なのか、いずれも普通の量販店では手に入りません。Talk Master IIは書籍の販路で流通しており、三省堂などの大手書店で取り扱っていますが、もしくは、オンラインショップのサン電子ダイレクト
で買い求めるのがいいでしょう。Radio Shark 2は日本では正規に販売されておらず、輸入して販売しているのはキットカットとVisavi の2店。どちらも8400円くらいです。ラジオサーバーは3月16日に発売ですが、現在オリンパスオンラインショップで先行予約受付中です。
まとめ
とりあえず、NHKラジオ英会話講座を目的にするならTalkMasterII-S 128M (27800円)と1GのSDカード(2000円以下)の組み合わせでしょうか。据え置きを考えるならラジオサーバーも実機を見てみたいところですね。