神奈川県立がんセンター臨床研究所「任期付研究員」募集
神奈川県立がんセンター臨床研究所・がん分子病態学部では研究員(任期付き常勤職員)を1名募集しています.
神奈川県立がんセンター臨床研究所は,神奈川県のがんセンターに併設された研究所です.2013年11月に,病院,臨床研究所共に新住所での建て替えが完了し,設備・施設が一新されました.2015年12月にはがんセンターに併設されるのは世界初となる重粒子線治療施設での治療が始まります.また,昨年には,がん免疫療法を専門に研究する研究部門と「がんワクチンセンター」が新設されました(こちらでも,本件とは別途,任期付研究員を1名募集しています).また,基盤的ながん研究を実施する「がん生物学部」も新部長が着任してスタッフも一新され,研究所全体が活気づいています.
[職種]
研究員(任期付の常勤職員.原則,任期3年です.)
平成27年4月一日着任予定
[研究内容]
「がん分子病態学部」では,培養がん細胞等を用いたin vitroの実験,培養がん細胞のマウス移植系列やPatient Derived Xenografts (PDX) での動物実験の研究結果を,当がんセンターが整備している豊富な臨床検体,病理組織検体で詳細に検証し,がんの早期診断・質的診断や新規治療法の開発に有用な分子標的の探索と,そのシーズのトランスレーショナル研究への展開を目指して研究を進めています.
具体的な研究テーマ:
現在,「がん分子病態学部」では,大きな研究課題の一つとして,がん組織が増殖・進展するに伴い生体内で直面する「低酸素・低栄養ストレス環境」に対して,がん細胞がこれに適応し克服していく機構の解明を通じて,がんの早期診断・質的診断や新規治療法の開発に有用な分子標的の探索を実施しています.実際に,この研究から,難治性がんの一つとされている卵巣がん,特に,抗がん剤抵抗性を示す卵巣明細胞腺がんを対象として,幾つかの有望な分子を見出しています.今回募集する「任期付研究員」は,がん分子病態学部の部長,主任研究員と共に,難治性の卵巣がん/膵がん,診断・治療に種々の問題点を抱える前立腺がんなどを主たる対象がん種として,この研究課題に取り組んで頂く予定です.
今回の募集に関連する主な研究発表:
1. Koizume S, Miyagi Y. et al. Lipid starvation and hypoxia synergistically activates Sp1-dependent genes to promote growth of ovarian cancer. JCA2014, Yokohama (論文投稿中).
2. Kanayama T, Koizume S, Miyagi Y. et al. CD69 induced in CCC cells under serum starvation and hypoxia enhance cell motility and invasiveness. JCA2014, Yokohama(論文執筆中)
3. Koizume S, Miyagi Y. et al. HIF2-Sp1 interaction mediates a deacetylation dependent FVII gene activation under hypoxic conditions in ovarian cancer cells. Nucleic Acid Res 40(12):5389-5401, 2012.
4. Yokota N, Koizume S, Miyagi Y. et al. Self-production of tissue factor-coagulation factor VII complex by ovarian cancer cells. Br J Cancer 101, 2023-2029, 2009.
5. Koizume S, Miyagi Y. et al. HNF-4 independent synthesis of coagulation factor VII in breast cancer cells and its inhibition by targeting selective histone acetyltransferases. Mol Cancer Res, 7(12):1928-36, 2009.
6. Koizume S, Miyagi Y. et al. Heterogeneity in binding and gene-expression regulation by HIF-2alpha. Biochem Biophys Res Commun 371(2):251-5, 2008.
7. Koizume S, Miyagi Y. et al. Activation of Cancer Cell Migration and Invasion by Ectopic Synthesis of Coagulation Factor VII. Cancer Res 66(19):9453-60, 2006.
[応募資格]
本「任期付研究員」には,分子腫瘍学的な研究に必須な高度な分子生物学,細胞生物学の研究能力と,腫瘍生物学の深い知識を備えた研究者であることを期待しております.また,「がん分子病態学部」の研究では,多数の臨床検体,病理組織検体の解析を行いがんの臨床における有用性の検証も適宜実施して研究を進めることから,多数検体を用いた研究結果の統計学的解析手法や,WEB上に公開されている種々のビッグデータのデータベースを駆使したin silicoの研究手法にも精通しているとありがたいです.特別研究員(ポスドク相当の若手研究員),企業からの派遣研究員,連携大学院の博士課程大学院生などの教育/研究を指導する能力もあるsenior scientistを望んでおります.
[給与等]
初任給:経歴・職務経験に応じて神奈川県立病院機構の規程に応じて決定されます.通勤手当,時間外勤務手当,期末手当などの諸手当があります.
[勤務地住所]
〒241-8515 横浜市旭区中尾二丁目3番2号
神奈川県立がんセンター臨床研究所
(横浜駅から相鉄線急行電車で12分の二俣川駅下車,徒歩8分です.)
[応募方法・応募先]
応募方法・応募書類の入手・送付先等に関する詳細な情報は神奈川県立がんセンターのHP(http://kcch.kanagawa-pho.jp/)でご確認下さい.Top Pageの一番下の「スタッフ募集」からご覧頂けます.
[連絡先]
〒241-8515 横浜市旭区中尾 2-3-2
神奈川県立がんセンター臨床研究所・がん分子病態学部
部長 宮城洋平
TEL:045-520-2222, ext 4032, 5119
e-mail: miyagi@gancen.asahi.yokohama.jp
ご興味のある方は上記連絡先まで,ご連絡ください.なお,締め切りは2015年2月9日ですが,所定の書類に記載していただく必要がありますので,ご興味のある方はなるべく早くご連絡ください.ご連絡いただく場合には,「がん分子病態学部・任期付究員応募について」とお申し出下さい.
投稿者:宮城洋平(miyagi@gancen.asahi.yokohama.jp)