Dana-Farber Cancer Institute ポスドク・研究技師の募集
ポスドク・研究技師の募集
ボストンの Dana-Farber Cancer Institute にある私の病理学・腫瘍学・疫学の研究室でやる気のあるポスドクあるいは研究技師を募集しています。同じラボに日本人が4人働いていますので、英語の苦手な人でもコミュニケーションの問題がありません。英語にもすぐに慣れます。ポスドクのCandidateでしたら、病理学や腫瘍学あるいは消化器科学の研究(あるいは病理診断)の経験があると強みです。
プロジェクトは前向き大規模コーホートを使っての大腸癌と膵臓癌の分子病理疫学です。病理学・腫瘍学・疫学の手法をすべて使っています。主な仕事はパラフィン癌組織サンプルの管理とプロセシング、データーベースの管理、免疫組織染色, DNA解析です。論文を書くのに必要なデータが長年にわたってすでに蓄積されていますので、ポスドクの方にはやる気しだいで1年以内に必ず論文を書いていただけますし、複数の論文の共著者になるのも確実です。研究技師の方でも、複数の論文の共著者に確実になっていただけます。
私は大規模な前向き疫学コホートを使って大腸癌と膵臓癌の様々な分子異常の疫学的病因を研究しています。ハーバード大学公衆衛生大学院とBrigham and Women’s Hospitalではこれまで当初は健康な12万人の女性を30年(Nurses' Health Study)、5万人の男性を20年(Health Professionals Follow-up Study)追跡して、病気の発生を疫学的に研究してきました。私はこの2つの大規模コホートにおいて追跡中に発生した大腸癌と膵臓癌の癌細胞内の遺伝子の異常とEpigenetic changes (DNAメチル化)を解析し、たんぱく質の発現を解析しています。追跡に先立ち、あるいは20年、30年という追跡中に、食べ物、ライフスタイル(運動・肥満度・たばこ・アルコールなど)、薬(とくにアスピリンと経口ピル)、癌や他の病気の発生、家族歴を記録しています。こうした病因に関するデータは癌やそのほかの疾患の発生に先立って集められているためにバイアスのリスクがより少ないのが、前向きコホート研究の長所です。こうして蓄積された貴重な病因データと癌組織の分子異常、あるいはさまざまな遺伝子の多形(SNPs)とを合わせて分析するというのが私の研究の内容です。さらにこれらのコーホートにおいては癌の発生後も追跡して生存データも集積しています。当然、癌の分子異常、ライフスタイル、遺伝子多形、と生存率の分析もこれから進めてまいります。これまでこの巨大プロジェクトは米国国立衛生研究所(National Institute of Health)より研究費をとり続けています。
ラボのホームページはまだたちあげてないのですが、プロジェクトの様子などはこちらでごらんください。論文のリストがUpdateされていないのですが、ラボのポスドクが筆頭著者の論文が今年の後半に3つ受理されています。
http://labmed.bwh.harvard.edu/pathology/Faculty/Shuji_Ogino.htm
http://www.dfhcc.harvard.edu/membership/member-profile/member/8817/0/
http://www.dfci.harvard.edu/abo/danafarber/detail.asp?PersonID=660&RD=True
http://www.channing.harvard.edu/nhs/index.html
http://www.hsph.harvard.edu/hpfs/
興味のある方は(sogino@comcast.net)宛てに直接連絡をお願いします。複数のアドレスにメールをくださいますとより確実です。興味のありそうな人をご存知の方は、この情報をパスして頂きますと幸いです。
荻野周史
Shuji Ogino, M.D., Ph.D.
Assistant Professor of Pathology, Harvard Medical School
Department of Pathology, Brigham and Women's Hospital
Department of Medical Oncology, Dana-Farber Cancer Institute